ワケあり”特待生”の「Kis-My-Ft2」と、ジャニー氏が太鼓判を押す「Sexy Zone」
1962年に創立されたジャニーズ事務所は、現在ではデビュー組だけでも10組を超えるアイドルグループを抱えている。芸能界で常勝を続けるジャニーズ事務所の強さの理由はどこにあるのか。いま改めてSMAPからSexy zoneまでの各グループの生い立ちと功績を追う。
■野心を持つマネジャーが牽引する「Kis-My-Ft2」
8月10日に発売されたKis-My-Ft2のデビューシングル「Everybody Go」が、初週売上で31.6万枚を記録し、初登場で首位を獲得。同曲は日本の他、韓国、台湾、香港、タイ、フィリピン、シンガポール、マレーシアといった8つの国と地域で同時発売するという日本初の試みだ。メンバーそれぞれがJr.に所属した期間が長いため、ジャニーズ史上最高齢でのデビューとなった北山宏光(デビュー時25歳)をはじめ、藤ヶ谷太輔、玉森裕太、横尾渉、千賀健永、二階堂高嗣、宮田俊哉ら7人組。
Kis-My-Ft2は「Kis-My-Ft.」として2004年に『ザ少年倶楽部』(NHK)にて結成が発表され、メンバーの入れ替わりを経て05年に現在の『Kis-My-Ft2』に改名。KAT-TUNなどのバックダンサーを務める傍ら、08年には同じくJr.内ユニット「A.B.C.」とともに単独コンサートを開催した。
09年、少年隊が前年まで毎年夏に行っていた舞台『PLAY ZONE』の主演に北山宏光・藤ヶ谷太輔・玉森裕太が抜擢される。『PLAYZONE 2009 ~太陽からの手紙~』として作・演出を少年隊の錦織一清が担当した。その後、初の単独全国ツアー、単独アリーナツアー、オリジナル曲「FIRE BEAT」「祈り」が携帯着うたサイトで配信され、KAT-TUNの海外公演に参加するなど好調な活動を見せていく。
そして10年9月の舞台『少年たち~格子無き牢獄~』を見たジャニー喜多川氏は、キスマイのデビューを決意。翌月に、1st写真集『Kis-My-Ft2-1st』(ワニブックス)を発売し、「オリコン2010年 年間本ランキング」写真集部門で10位を記録する。翌年2月12日、国立代々木競技場 第一体育館で開催された『Kis-My-Ftに逢えるdeShow vol.3』昼公演にて、ファンの前でCDデビューが発表された。
Kis-My-Ft2の魅力はなんといっても光GENJIを彷彿とさせる「ローラースケート」でのド派手なパフォーマンスだ。デビュー曲では北山・藤ヶ谷・玉森の3人を全面に推し出し、横尾・宮田・千賀・二階堂の4人はバックメンバーのようにも見える扱いで、衣装も3人とは明確に異なった。デビュー前とは異なるグループの見せ方に、ファンからは戸惑いの声があがった。
Kis-My-Ft2には、SMAP育ての親であるチーフマネジャー・飯島三智氏が売り出しに加わっているといわれている。後輩グループとの共演が見られなかったSMAPだが、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の「ビストロSMAP」にデビュー直後のKis-My-Ft2が出演する異例ともいえる出来事があり、他グループとSMAPの共演もKis-My-Ft2のデビュー以降に激増している。これらの流れも、飯島氏と事務所の間にある亀裂を埋める存在として、彼らが重宝されているとも考えられる。現在は、『もしもツアーズ 』(フジテレビ系)にメンバー全員でレギュラー出演中、これからの飯島氏の采配に注目が集まっている。
【「YOUたちスゴイよ!」豆知識】
・北山が最高齢でデビュー
・ローラースケートのパフォーマンス
・デビューから最速での東京ドーム公演
【事務所内の派閥でいうと?】
・飯島三智派
■ジャニー氏が太鼓判を押す美少年グループ「Sexy Zone」
9月29日、『Kis-My-Ft2 with ジャニーズJr.』の公演をしていた帝国劇場にて新グループ『Sexy Zone』の結成・デビュー発表会見が行われた。白地のタキシードに真っ赤なバラを手にしてデビュー曲を披露。結成時の平均年齢は14.2歳というジャニーズ史上最年少グループで、メンバーは中島健人(デビュー時17歳)、菊池風磨(デビュー時16歳)、佐藤勝利(デビュー時15歳)、松島聡(デビュー時13歳、マリウス葉(デビュー時11歳)の5人。ジャニー氏も「大人になっても、格好良くなる」と太鼓判を押す顔ぶれだ。グループ名は「マイケル・ジャクソンのセクシーさ」をヒントに決定したとのこと。
同グループはV6、嵐、NEWS、Hey! Say! JUMPに続き、11月4日に開幕する『ワールドカップバレーボール2011』の5代目スペシャルサポーターに就任。11月16日発売の同大会イメージソング「Sexy Zone」でCDデビューする。嵐のデビュー時と同じく、レコード会社がポニーキャニオン、デビュー曲にグループ名が使用され「第二の嵐」を目指すと言われている。
新ユニット発表の少し前、ジャニー氏は「A.B.C-Zに新メンバー2人を加えてABC-xyZに進化させたい」との意向を語っていた。ファンは「Kis-My-Ft2に続き『A.B.C-Z』もついに来年デビュー!?」と色めき立った。
ところが、発表されたのは「B.I.Shadow」としても活動していた中島と菊池と、入所間もないJr.たちで構成する「ジャPAニーズHi」に在籍していた3人。Sexy Zoneのデビュー決定と同時に組まれたメンバー構成だった。そもそも1年に2組のグループをデビューさせることは異例であり、ジャニー氏のこのサプライズ人事に衝撃を受けたファンも多い。中山優馬w/B.I.ShadowとしてすでにCDデビューしていたB.I.Shadowだが、Sexy Zoneの誕生により今後の活動は自然消滅になると見られている。
中島は月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』(フジテレビ系)、菊池は『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)などに出演しており、他メンバーに比べ人気・知名度は高い。また、整った顔立ちで「正統派ジャニーズ顔」とも称されている佐藤はジャニー氏の「スペオキ」(スペシャルお気に入り)とも言われている。マリウスや松島についても「将来が楽しみ」と、期待の声が寄せられる逸材だ。
さらに、SMAPの育ての親であり、今年はKis-My-Ft2のデビューで再び敏腕マネジャーの采配力を見せつけた飯島三智氏が「『Sexy Zone』にも絡むのでは」とのうわさもある。メンバー選考は「男としてのセクシーさ」を重視したというだけに、今後のメンバーのキャラクター、グループとしてのブランディングに期待が寄せられている。「正統派ジャニーズグループ」の輩出により、ジャニーズファンだけでなく新たなファンの獲得も見込めそうだ。
【「YOUたちスゴイよ!」豆知識】
・小学6年~高校3年生のジャニーズ史上最年少グループ
・正統派ジャニーズ
【事務所内の派閥でいうと?】
・ジャニー喜多川社長派
とりあえず記念買い!
【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます】
・反・正統派アイドルのKAT-TUN、最後のジャニー氏直系グループHey! Say! JUMP
・企画色の強かったV6、ジャニー氏に育てられたKinKi Kids、それぞれの立ち位置
・ジャニーズ事務所の強さはどこに? SMAP、TOKIOの功績を探る