安定のNHK! 演歌歌手の『歌謡コンサート』でのお約束コントが味わい深い
今回ツッコませていただくのは、10月11日に放送された、『NHK歌謡コンサート』。今回のテーマは、「ネオン イケメン 恋の歌」。なんだそりゃ。
チャンチャチャ、チャチャチャチャ~ンという、「北酒場」のおなじみのイントロにのって、トップバッターとして登場した細川たかしが、歌い始める前に満面の笑顔で客席にアピールした。
「わたくし、イケメンで~~す!」
「ネオン イケメン 恋の歌」って、そういうことなのか??
今回の出演者は、前川清、細川たかし、美川憲一、西田あい、藤あや子らと「イケメン3(スリー)」という、北川大介、竹島宏、山内恵介の3人の若手演歌歌手によるユニットも出演。このユニット、初めて見たけれど、番組発のユニットらしく、「イケメン3」名義で曲を出したりもしているらしい。この3人が、イケメン3として「久しぶりの共演」ということもあってのイケメン推しなわけだ。
ところで、美川憲一も「イケメン」扱いになるの? と思っていたところ、
「さっきのイケメンたち、どこ行ったのよ!」
と、美川の小芝居が始まり、麗しき女性陣扱いのほうであることが分かった。紅白は毎回白組なのですがね。それで、「このあと(イケメンたちと)デュエットでお楽しみいただきますよ!」と言われた美川、
「なんだかワクワクするわねぇ。今夜は楽しくなりそうね!」
と、盛り上がる。それを隣で聞いていた前川と細川が、
「私たち、忘れないでいただけますでしょうか」
と言えば、
「お二人は、”イケメン”というより、”フケメン”て感じだもん」
と、美川。そう、演歌歌手の方々はこんな感じの掛け合いをすることで、客席やお茶の間をわかせるというのもひとつの定番だ。この美川の「イケメンというよりフケメン」といった、分かりやすすぎるお約束ややり取りが、あらためて心地よい気もする。
イケメン3が「恋の摩天楼」という曲を歌った後では「素敵ねぇ~(はあと)」とため息をもらし、
「さあ、イケメンと美女が勢揃い、一緒に盛り上がるわよ!」
と、美川があおって、デュエットコーナーへ。このデュエット曲のイントロ部分にも、
「ムードあふれるクラブで、僕と一緒に歌ってください」
「素敵な夢を見させてね~」
「僕も幸せな恋、できるでしょうか……?」
「大丈夫よ。ほら、一緒にあの星を見るのよ」
と掛け合いが。直後に歌い出す歌の上手さと小芝居とのギャップ、そして、イントロにのせた掛け合いからの「♪私祈ってます~」という歌い出しに入るまでの間も、いろいろカンペキだ。
そして、コント的お約束にのっとって、イケメン3にうっとりする女性陣に向かって、前川&細川の「フケメン2」が苦情を言う。
「イケメンといったら、やっぱり私たちがいないことには示しがつかないでしょう」
「知らないの? 演歌界の、たかしと清の『イケメン2』」
当然、こうふられたら、
「知らな〜い」(藤)
と返す。さらに、これもお約束の流れではあるが、女性陣で一番若手の西田が一転、
「でも私、素敵なおじさま大好きです。一緒に歌っていただけますか?」
と擦り寄る、まさかの(これはこれで定番ではあるけれど)ズッコケ展開。前川、細川、西田の3人で「♪愛しちゃったのよ」と歌うわけだが、西川を相手に、
「いやしかし、若いのはいいなぁ~」(細川)
「久しぶり、久しぶり」(前川)
って、スナックのカラオケのやり取りか。そんなこんなありながらもどんどん番組は盛り上がってきて、イケメン3と細川&前川が歌う「中の島ブルース」に、イケメン3と細川たかしが後ろで並んで、「ワワワワ~~」とコーラスを入れる。そして、脇から出て来た美川が、
「やるじゃない。みんなよかったわよ」
ときれいにまとめ、最後は「星降る街角」を、イケメン3もフケメン2も女性陣も、みんなで仲良く歌う、といったところで終了。名人芸のような安定感あるやり取りに、すっかりなごんでしまいました。
演歌枠減少の可能性のうわさもささやかれている今年の紅白ではありますが、ぜひジャニーズあたりを相手にこんな感じのイケメンコントを見せていただけないものかという気もします。
(太田サトル)
イケメン3は裏日本で支持されそうな顔してるッ!
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