子どもを預ける口実を作ってあげるのも、保育園経営者のお仕事です
オープンして1カ月半が過ぎようとしています。
子どもの性格や癖、トイレトレーニングなど発達の課題も分かってきて、少しですが仕事に慣れラクになってきました。9月末の時点で人数が増えたので、とりあえず「一時預かり」の利用は受付終了としました。うれしい限りです。
一時預かりって、預かる方としてはけっこう大変なんですよ。定期的に通っていて慣れている子どもたちと違って、4歳以下であれば必ず泣きますからね。親御さんとバイバイしたときだけ泣いてあとは平然とする子どももいますが、思い出すたび「ママ、ママ」と言って泣く子どもがほとんどなんですよ。公園で遊んでいるときはママをすっかり忘れるのですが、雨の日だったらそりゃあ保育士泣かせです(笑)。毎日通っている1歳の赤ちゃんのほうがよっぽどラクですね。それこそ癖やその子自身の課題も分かりませんし、親御さんもそこまで求めてません。「とりあえず、3時間預かってください」なのですから。一時預かりの子どもは大人数みれないってことで、終了! もう募集もしないかもね。
月極契約の場合は、うちの保育園は月間40時間からのお預かりをしています。デイリープログラムがあるので、「駒沢の森こども園」を堪能するならば朝10時~17時のお預かりをオススメしています。そうすると、40時間だと週1~2回の登園になるわけなんです。それじゃいつまで経っても保育園には慣れないと思いますよ(3歳以上ならまったく問題ないですが)。「いつ慣れるのでしょうか?」という質問をよく受けますが、本当の正解は「毎日預ければ1週間もあれば慣れますよ、130時間のプランをオススメします!」です。各家庭ご事情がおありでしょうから、もちろんそんな回答はしませんけどね。本気で慣れさせて、「駒沢の森こども園」を楽しむなら毎日来るのがいいと思います。
■お母様方の大半は専業主婦
これを読んでいる人がムカつくかもしれませんが(笑)、うちの保育園のお母様方は専業主婦が大半です。お察しの通り、自分の時間を確保するために保育園に預けるわけです。毎日アクティビティをやっているうちの保育園は、習いごとをさせているという言いわけになるのです。預ける口実を作ってあげるのも、私の仕事だと思っていますね。お父様を納得させるのも、私の仕事。見学のとき、その辺ちゃんと説明してますから(笑)。
もちろんフルタイムで働いている方もいれば、夜10時までの営業なんで、私のような自由業の方も多いです。保育園の経営者からすると、社長夫人だろうが、キャリアウーマンだろうが、芸能人だろうが、モデルだろうが、風俗嬢だろうが、誰でも同じ。とにかく飛ばないで保育料を滞納せず払ってくれれば問題はありません。えーと、飛んだら家まで回収に行くつもりだけど。まあ、場所柄そんな方はいないと信じてますが。言いたいのは、親の仕事で子どもの待遇が変わることは絶対にないのです。ただ、人間なんで好きな子どもはいますよ(笑)。手が掛からないとかじゃなくて、すごく手が掛かっても他人の私に抱きついてくる子とかね。
この1カ月半で娘もかなり環境に慣れてくれました。私のかばんを漁って「飴ちょーだい!」と日に何回も言ってたのに、「飴ある?」とは聞いてくるけど、いざ飴を見つけると「○○先生に怒られちゃうから後で食べるね」と言うようになりました。保育園の中で私を目で追うこともなくなり、友達とうまく関係を保っているように見えます。
10月1日から1歳になったばっかりの赤ちゃんが毎日来ているのですが、娘はその子にメロメロなんですよ。頭を撫でたり、手を握ったり、その子がウンチをしたら、「○○くん臭いよ、ウンチしてるよ」といち早く教えてもくれるのです。この間、前から仲良かったお母様から「遊ちゃん(娘)は、もうスタッフ側に見えますよ」と言われました。オウチの仕事が保育園だという自覚が出てきたせいか、「○○ちゃん連れてきて」というと、準備の遅い子どもの手を握り、連れてきてくれるんです。もともと娘は自分よりちいさい子が好きなので、面倒見に拍車が掛かった感じなのかもね。
(つづく)
角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。9月1日に「駒沢の森こども園」をオープンさせる。家庭では3歳の愛娘の子育てに奮闘中。
何事もバランスですよ!
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