「毎日明るく生きる」沖縄の夏休みを満喫した酒井法子が「婦人公論」に登場
今号は、まず表紙の杏のポーズがすごいです。「フレーム内に全身を入れるにはあまりに脚が長かったんで、チョイと折り曲げてみました(エヘッ)」といったお茶目なポーズなんですが、真似してみると実際はめちゃくちゃキツくてできません! いや、たとえできたとしても脚の長さが足りないので同じポーズに見えません!! 鏡の前でやってみて、自分がかわいそうになりました。この脚はアニメの妖怪人間ベラより長いんじゃないか、と思いつつ、新スタートのドラマ『妖怪人間ベム』(日本テレビ系、杏出演)のホームページを見たりして、脚を使った見事な番宣だと気づかされました。そんな今号の特集は「長寿の常識が変わった!」。77歳になった作家・筒井康隆のインタビューやさまざまな健康法が掲載されています。
<トピック>
◎特集 長寿の常識が変わった!
◎独占告白 酒井法子 やっと話せる心境になりました 息子と過ごす、普通な毎日に感謝して
◎嵐「今も昔も変わらぬ、おなごの恋心」
■人間性が試されるインタビュー
特集をすっとばして、「独占告白 酒井法子 やっと話せる心境になりました 息子と過ごす、普通な毎日に感謝して」にいきたいと思います。トビラページには、あの釈放時にも見せた、口角をギュッと上げたのりピースマイルの写真が掲載されています。覚せい剤使用・逃走事件から2年。メディアへの露出を控えていたのりピーが、近況を語っています。現在は懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受け、現在は猶予期間中の身です。出だしはこんな言葉。
「息子と一緒に夏休みを満喫してきました。沖縄にいる友だちの家にお世話になったのですが、昔の子どものように自然と戯れて遊んで。息子ととても贅沢な時間を過ごせました」
意外にもあっさり”リア充”ぶりを告白しててびっくりしました。その後も、端々から充実した生活の断片が伺えます。
「震災のあった3月11日、私は母と一緒にジムにいました」
「この間も、友だちのお誕生会をするために買い物をしていたら、車からバッと記者の方が降りてきて『酒井さん、酒井さん』と呼びかけられました」
「息子とこれほど長く過ごすのは、はじめての経験です。キャンプに行って息子の写真を撮りながら、こんなことやりたくてもできない共働きのお父さんやお母さんが大勢いらっしゃるんだろうなと思うと、ありがたくて」
ジム、お誕生会、キャンプ。雑誌「VERY」(光文社)読者のマダムブログに頻出しそうなキーワードです。うらやましい。いえ、別にいいんです。すでにのりピーは裁きを受けたわけですし、生活を楽しんでいいんです。と、頭では分かっているけど、モヤモヤするこの心はなんでしょうか。ぶっちゃけてしまいますと、たぶんやっぱり、芸能人が罪を犯したら、落ちぶれていく姿が見たいんだと思います。ええ、ひどい話だと分かっています。でも、そう思っている人は筆者だけではないはず……。
「(自叙伝の)『贖罪』(朝日新聞出版)はまだ読み返せていませんね。母に『忘れるのが得意ね』なんて言われてますが、本当のところ、もう一度読み返してあの日と向き合う心の余裕はあまりなくて、毎日、明るく生きるのが精一杯なんです」
毎日明るく生きていて、やっぱりうらやましいです。あなたは、過ちを犯した者を心から許せますか。読む者の人間性がシビアに試されるインタビューだと思いました。はい、筆者は人間失格です。
■お江戸でござる
嵐のライブグラビア&スペシャルエッセー「今も昔も変わらぬ、おなごの恋心」では、歴史小説家の諸田玲子氏が、嵐の国立競技場コンサートを観賞し寄稿しています。諸田氏は、嵐については顔と名前が一致する程度、アイドルコンサートは嵐のみならず初めてだそう。体験してみていわく、嵐は、江戸で人気を博した歌舞伎の「白波五人男」の現代版とのこと。コンサートは、「江戸のお祭り」なのだそうです。
「婦人公論」では、ジャニーズのコンサートルポをマンガ家・柴門ふみや作家・白河桃子ら毎回意外な人が書いています。既存のアイドル論にはない感想や分析を引き出そうという意図だと思いますが、果たして「白波五人男」でどのくらい嵐の魅力が伝わるんだろう。お江戸モノや歌舞伎的なBLなどに萌える方にはたまらないでしょうね。そういえば別の雑誌では、美容ジャーナリストの齋藤薫が櫻井翔について「この年齢で詰め衿を着せて、これほど似合う男はいないだろう」と評していました。月代だろうが詰め衿だろうが、どんな極私的萌え素材を与えても着こなせてこそトップアイドル! 今後もいろんな作家にジャニーズのコンサートを見せて、ジャニーズを題材にしためくるめく妄想ワールドを見せてほしいと思います。
今号はそのほか、蓮舫のインタビューや、なでしこジャパンの澤穂希選手の母、澤満壽子さんのインタビュー、「不況に負けない『へそくり』術」といった特集が掲載されていました。前号は「40代からの『性』を愉しむ」特集で若々しく奔放なイメージだったんですが、今号は長寿特集やへそくり特集と、どちらかというと保守的なおばあちゃんの印象を受けました。「婦人公論」は号によってこのブレが大きいように感じます。三木哲男編集長によると、「婦人公論」の主な読者層は40~50歳前半とのこと。(「Fujisan.co.jp」に掲載されたインタビューより)。40代で長寿法を気にしている人はあまりいないと思うのですが、どうなんでしょう。健康系の特集を組むと、「婦人公論」の魅力(=エロエロ、ドロドロ、そして知的な香り)が発揮されていない気がします。もっともっと攻めてほしい。次号に期待したいと思います。
(亀井百合子)
のりぴーは例の建設会社を継げばいいと思う
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