コラム
今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

話せば話すほどげんなりしてくる、石坂浩二ブランドの”自家発電”ぶり

2011/09/22 23:00
『The Healing Stories/石坂浩二』
(アルファレコード)

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎ちなみに本名は「兵吉」です
 先日、夕刊フジに石坂浩二のインタビューが載っていた。長年ナレーションを務めたドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)では、「収録は必ず一発OK」「ナレーションのみの仕事でも、必ず台本に目を通し、すべてのシーンが頭の中に入っている」と、相変わらずの石坂様節。本当に、いつの間にか、石坂浩二ってお偉いイメージが定着したよなぁ。記事によると、料理の腕もプロ並みで、市場で仕入れる素材を見て作るものを決めるらしい。フランス料理なんて仕込みに3日かけるそうな。あっそ。

 もしこれがタモリの逸話なら「なるほど!」「さすが!」となると思うのだが、石坂浩二じゃなぁ。仙人のように飄々としているタモリに比べ、石坂浩二は、「粋」「通」と呼ばれることに対する渇望が強過ぎて、なんか額面通りに受け取る気がせんのである。

 インタビューでは、包丁研いでたら、柄から刃が落ち、足で受け止めてケガしたこともあると話してた。結構安い包丁使ってんな。「通」への道はまだまだ遠い。

◎ガワの真似は簡単ですもの
 スペシャルドラマ『アイシテル~絆~』(日本テレビ系)。特に人気でもなかった『アイシテル~海容~』の、この唐突で急ごしらえな特別版制作は、今期放送された『それでも、生きてゆく』(フジテレビ系)の高評価につられての「あやかり企画」に違いないと思うのだが。

 少年時代に殺人を犯し、成長した青年役を向井理、事件後生まれた弟が岡田将生。……この配役の感じといい、ふたりの葛藤が物語の主軸になってる点といい、二番煎じ感&後追い感ビンビン。

 「あっちは良作で話題になったけど、難易度高過ぎて数字はイマイチ。だったらテーマが似てるあのドラマで、分かりやすいレベルで焼き直しすれば当たるかも」てな皮算用臭がすごい。どうせマネするなら、「ちゃんとしたドラマを作る志」の方を取り入れてもらいたいものである。

◎いっくん、昔はへヴィメタ少年
 最近新曲出したかなんかで、テレビのバラエティーによく登場しているELT。久々に見た持田香織がエラくフケてるのにまずビックリ。ああいう前髪パッツンって、若いコがやる分には問題ないのだが、歳いった人間がやると、逆に目の周りのシワや、肌のしぼみ具合、輪郭の落ち込み感などが強調されて、「若づくり」感が目立つのである。ま、黒柳徹子レベルまで徹底してやるつもりなら構わないのだが、そこまで腹を括るつもりがないのなら、早いうちの撤退をお勧めする。

 あと、もうひとりのメンバーの伊藤一朗。この人を見るたび、誰かに似てるよなぁ、と思うのだが、その誰かが分からず、ずーっとむず痒かった。しかし先日それがやっと解明。「正解」は三又又三であった。モゾモゾとしたしゃべり方、聞き取りにくい滑舌の悪さ、こもる声質、微妙なしゃくれ感、発言のすべり度合いなど、何もかもがよく似てる。似てるというより、もう三又にしか見えない。この答えを発見して以来、それまで何ら興味のなかったELTの登場を心待ちにするようになった。今週末は『オンタマ』(テレビ朝日系)に出演だ。今から楽しみ。

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

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最終更新:2019/05/22 19:26
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