好事家さえも魅了させられる、羽鳥慎一アナの稀有な”才能”
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎アンチ流行、ある意味パンク
震災からちょうど5カ月。各局のニュース・ワイドショーとも、看板MCを現地に送り込んで総力取材。テレビ朝日系『モーニング・バード!』も、羽鳥慎一アナが震災地入りしてリポート。さわやかで無難で、語り口調はいつも通りなんであるが、用意されたスーツを着ているスタジオと違って、ロケとなるとその服装が……。以前、雑誌のインタビューで「洋服には全く興味がなく、センスもないので、自分で選んだ服を着ると、変だと笑われる」と語っていたのを読んだが、本当にその通り。紺の長袖カットソーにグレーのパンツと、組み合わせ自体は無難なロケ仕様なのだが。よく見るとカットソーの裾はただボトムに被せただけでモソモソたるんでるし、パンツも「今どき、どこで探して来たんだ」ってくらい、昔のスラックス感あふれるシロモノ。丈が長過ぎてくるぶしグジグジに余ってるし。
上背も高く、顔も小さく、何着せたってそこそこ決まるだろうに、なぜにこんなひどいカッコを? 東京キー局の朝の番組でスタイリスト不在ってこともありえないだろうし。意図がわからん意図が。「服のセンス0アナウンサー」という、新たなキャラクターの押し出しなのか? それならちょっと引っかかっちゃったかも。このダサさ、ある意味新鮮。釘付け。毎日「今日の羽鳥アナの私服」コーナー作ってくれたら、見る好事家は多いと思う。いっそのこと、スタイリスト付けずに毎日私服でやらせるってのもアリかも。とにかく、「羽鳥アナの私服」は、見逃せないテーマとして、今後も全力で見守る所存だ。
◎敵を欺くならまず味方から
「あやしいお米」「セシウムさん」事件で、番組放送中断、スポンサー降板、岩手県知事激怒と、大騒ぎの東海テレビ。今、テレビ制作現場というのは荒れていて、雇っても雇ってもADや裏方がすぐ辞めてしまう、という話をよく聞く。実際、テレビ局勤務の知人に聞いてもその通りだという。生の帯番組なんて、とてもダミーのボードなんてチェックできない状態が毎日続いているらしい。反韓流&反フジテレビの人は、お台場でデモなんかしてるより、現場スタッフになってテロップでも作った方が、よっぽど効率よく局にダメージを与えられると思う。特に『とくダネ!』は、笠井信輔アナのスタッフへの当たりがキツく、脱落者続出で常に人材不足で、オススメとのことですよ。
◎ラモスは?
34歳という若さで亡くなった、サッカー元日本代表・松田直樹選手。訃報を聞いて、次々と駆けつける選手仲間たち。皆、グラウンドから直接駆けつけたとおぼしきTシャツ短パン姿の中、キングカズだけが、いち早く、きっちりと喪服姿であった。いや、それがいけないって言ってるワケじゃないけどさ、ホント、あまりに早かった気がして。さすがは最年長、冠婚葬祭に対する経験も最長だけに、常に準備万端。そこも含めて、さすがはキングカズ! ……ってことでまとめておくか。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。
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