日本の大手メーカーも展開を始めたオーガニック市場、その切り札とは
さて今後のオーガニック市場を占う上で見逃せない動きがある。輸入品の成分規制が厳しいとは前述したが、国産原料を使用した国産のオーガニックコスメを作れないのか、ということである。トライフの手島大輔代表は「現段階では価格競争力が低くすぎる」と否定的だが、原材料メーカーやOEM(生産受注メーカー)では植物性の国産原料を押している所が少なくないのも事実。例えば米や海産物など、海外にはない日本独自の原料を使ったコスメは、輸出品としても価値はあるだろう。ただそれらが希少品の枠から出るには少し時間がかかるだろうが。
実はそこに取り組んでいる大手もある。ポーラ・オルビスグループのACRO(アクロ)は国産の原料を活用した「THREE」(スリー)をローンチし、百貨店カウンターを中心に展開している。また、ちふれでもジャパンオーガニックを立ち上げ玄米などの美容素材を使ったスキンケア「do organic」を開発している。こちらはフランスのオーガニックの認定機関のお墨付きを得た本格派だ。
それ以外にもコーセーコスメニエンスはフランス産のオーガニック植物を用いてボディ系シリーズ「Nature&Co」を販売し、ドラッグストアで人気だったり、「AWAKE」(コーセー)、「オリジンズ」(エスティ ローダー)などの既存ブランドが天然の精油を使ったり、オーガニックラインを作ったりしている。さらにナチュラル・自然派というカテゴリーで見れば、資生堂がミネラルファンデーション大手のベアエッセンシャルを買収したり、ロレアルがキールズを手掛けたりと大手の化粧品会社が一つの選択肢として自然派のカテゴリーに力を入れているケースも見られる。
海外からの”舶来品”だったオーガニックコスメもさらなる規模拡大のためには、新たな切り札が必要となる。市場が成熟した今だからこそ、本格的なオーガニックコスメとこれまで化粧品を作り続けてきた企業との一体化の未来が見えてくるようである。
『ドイツ式オーガニックコスメのある生活―真の美肌力を生み出すオーガニックビューティーの秘密』]
日本人は舶来品に弱いからね~
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