「anan」読者、実はセックスしてなかった? 3年片思いのなぞ
このごろ、「an・an」イズムを感じられない特集が続いていたため当レビューも自然消滅か……と心の準備をしていたところに、ストライクボールが投げ込まれました! 特集「片思いをかなえる114の方法」。恋愛とセックスの特集だけは外さないセンスで知られる「an・an」が一体どんな方法を教えてくれるのか、「マイバースデー」(説話社)のおまじないより効く方法なのか、楽しみにして見ていきましょう。
<トピックス>
◎あなたの片思いに潜む、深層心理
◎”いけない恋”がくれるもの。
◎片思いの彼を”落とす”テク。
■片思い3年、成功率5割以下
のっけから勢いを削いでしまいますが、一冊目を通したところで「片思いをかなえる方法」がどこに載っていたのか印象にありませんでした。いつも通り、読者アンケートの発表から始まり、読者の体験談、男性の意見、恋愛タレントのアドバイスといった流れです。
読者アンケートで興味深かったのは、片思い期間の長さ。なんと、1つの恋につき3年以上も想い続ける人が50%以上とのこと。ということは、その3年間は彼氏がいない=セックスしてない(それともセックスは別腹か?)ということになります。……おかしい。セックスしろしろ、しないと”ごぶさたさん”になってしまう、週に○回はしなさい、ベッドスキルを風俗嬢並に高めなさい、と啓蒙していた「an・an」なのに読者はまったくシテなかったなんて! さらに、片思いの勝率は46%。これじゃいつまで経っても彼氏ができない、セックスできないよ!
また、長引く片思い生活を楽しいものにしましょう、と提案している「片思いを楽しむために取るべき行動」がかなり驚きのアドバイスでした。キャッチだけ見ると「キラキラすることをしよう!」「わくわくすることをしよう!」「シクシクすることをしよう!」「ドキドキすることをしよう!」「キュンキュンすることをしよう!」。ベッキーが監修したのかな?
■自分磨きのサプリメント
とは言え、片思いを続けることもメリットがあるそうで、「周りから”可愛くなったね”と褒められる」「キレイになる要素が出てくる」「片思いが私を成長させてくれた」と、要するに片思いは自分磨きのサプリメントです的意見に、あ~やっちゃったなとガッカリ。片思いしてる私、キレイ! あの人のため買った洋服でキラキラ! と脳内一人トレンディードラマが展開されているようです。
自分劇場はまだまだ続きます。「いけない恋がくれるもの」企画で語られる読者の体験は「自分にうっとり」名言の宝庫。同僚とW不倫を始めた女性は「冗談のはずだったのに、私たち、もうやめられない」、体の相性が抜群な元カレと密会を繰り返す女性は「私っていけない女ですよね」と、それぞれが「名台詞、決まった!」というドヤ顔が透けてくるほどの興の乗りよう。脚本家=自分、主人公=自分、演出=自分の劇場を無理やり見せられたみたいで、その自意識にあてられちゃいました。
■「あなた、ヒロインじゃないんだよ!」
そんな読者を知ってか知らずか、まさかの川越達也シェフが「あなた、ヒロインじゃないんだよ!」とアドバイスをしています。誰かにツッコンでほしかったけど、川越さんが登場するとは。さすが自身が”プロデュース”した犬用おやつのパッケージにさえ顔出ししてるだけあり、フットワークが軽い! しかし川越さんも結構な自分劇場を展開し、「いけない恋のカップルを料理に例えるなら、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み、かな。普通は甘めに仕上げるんだけど、いけない恋から連想されるのは、もっと酸味の立った大人の味」なんて上手いこと言ってます。ニーズを感知したコメントに、上手いこと言ってくれる安心感。これが川越さんの強さなのか……と、思いを馳せてしまいました。
この他にも、ロンブー淳によるメール内容添削や、ゴマブッ子、はるな愛、オネエ系僧侶・水無昭善らによる片思い相談室、アンジャッシュ渡部の脈アリサイン判別法など、これまでになくタレントが頻出する号でもありました。美容やダイエット特集でお茶を濁さなくても面白い特集が展開できる「an・an」なんだから、これからも頑張ってほしいな~と思った矢先、次号は早速ダイエット特集でした。いけず!
(二宮まい)
こんなのも出してます。
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