レイプ犯を銃殺するリアーナのミュージック・ビデオをめぐり、全米が論争に
レイプした男を銃殺するという衝撃的なミュージック・ビデオで、論争を巻き起こしている歌姫リアーナ。レイプ犯を殺すことは正義として許されるのか、ということが大きな論点になっているが、このことについて、レイプ被害者であることをカミングアウトしている女優のガブリエル・ユニオンがtwitterで意見を述べ、注目を集めている。
問題になっているリアーナの新曲『Man Down』のミュージック・ビデオは、クラブで少し踊ったけれどキスまでしか許されなかった男が、帰宅途中のリアーナを追い掛け無理やりレイプするというもの。男を許せないリアーナは、街中でいきなり男を銃殺するという内容で、「やり過ぎだ」「レイプされたら相手を殺せというメッセージを送っているようだ」「そもそも、この手のレイプは状況的に仕方ないのでは」という批判の声が次々と上がった。
ガブリエルは4日、twitterで、「リアーナの『Man Down』のミュージック・ビデオを見たわ。レイプ被害者の心境や考え方っていうのは、みんな同じなわけじゃないの。どのように正義を求めるのかも、一人一人異なるのよ」とツイート。「私がレイプされたとき、犯人を銃で撃とうとしたの。外れてしまったけどね」「月日が流れて、もしあのときレイプ犯を殺せていたとしても、さらなる侮辱が加えられただけだったろうと気が付いたけれど」と書き、犯人を撃ち殺しても二重、三重の苦しみを背負うことになるだろうとの見解を示した。
そして、「強姦した相手を殺したいと切望する気持ちは理解できる。でも、自分の命を守る自己防衛でなければ、面倒な問題に巻き込まれることになるだけだわ」「自己防衛することは大切なこと。このことは強調させてね」と書き、「『Man Down』は、本当にいい仕事したなって思う。おかげで、世間がレイプについて語ることになったのよ。これをきっかけに、レイプ被害者の心のケアが充実し、またレイプが起きないよう世間の意識が高まることを願うわ」と、問題のミュージック・ビデオを高く評価した。
ガブリエルは1992年、19歳のときにバイト先の靴屋に押し入った強盗にレイプされた。オプラ・ウィンフリー・ラジオ局の番組に出演した際には、
「強盗犯は私の頭に銃を突き付けて強姦したの。その最中、”レイプなんてされてない、されてるわけないじゃない”って思ってた。まるで幽体離脱したような感覚に陥ったのよ。”恐ろしくひどいことをされているのは私じゃない、ほかの誰かよ”って頭の中でグルグル考えていた」
「犯人は銃を床に置いて、”撃ってみろよ”って私を挑発したのよ。殺してやろうと思ったけど、ダメだった。男は私を殴り、殺してやるって言い捨てて去ったの」
と、時折声を詰まらせながら自身がレイプされたときのことを告白し、世間に衝撃を与えた。
ガブリエルは番組で、「私はUCLAレイプ・クライシス・センターを訪ね、そこで自分のプライドを取り戻すことができたの。レイプされたことで、失った自尊心を取り返したのよ。だから、私はレイプされたことを公にし、レイプ・クライシス・センターの重要性を訴えるロビー活動をするようになったの」「自分のレイプを語ったり、思い出したりすることは、吐き気を催すくらい嫌なこと。でも、もうこんな悲劇をなくしたいの」とも語り、力強い口調でレイプ被害者への救済を訴えていた。
なお、ガブリエルをレイプした犯人だが、2週間後に逮捕され、禁固33年の実刑判決を受け刑務所で服役している。
もし、ガブリエルが撃った銃が犯人に命中していたら、彼女は一体どのような人生を歩んでいただろうか。重みのあるガブリエルのツイートに心を動かされ、「Man Down」への見方を変えた人は少なくないようである。
「殺したい」と思うのは当たり前のこと
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