草食男子=SO-MEN! 頑張ってます感が色濃い「Domani」のセンス
今月の「Domani」にはなんと、「いい女つけまデビューBOX」というものが付いてます。読者の平均年齢が32.5歳なのを考慮して、ギャルみたいに不自然な長さではないつけまつ毛とおっしゃってますが、筆者から見れば十分長いような気もするのですが……。今月号の特集は「愛と勇気と大人の女!」というよく分からないものです。特集はスルーして、今月も細かいところを見ていきましょう。
<トピック>
◎働くいい女の教科書は”ヤンキーvs おやじvs SO-MEN(草食男子)”でした!
◎”きちんといい女”グレージュvs”こなれたいい女”ブラック 6月の着まわし10DAYS
◎付録 いい女つけまデビューBOX
■「Oh man!」的な?
まず見ておきたいのが、「働くいい女の教科書は”ヤンキーvs おやじvs SO-MEN(草食男子)”でした!」というファッションページ。ちなみに「SO-MEN」って草食男子のことなんですって! おっしゃれ~!(まったく思ってないけど)
これが光文社の「美STORY」や「VERY」だったら、「この後どれほど遊んでくれるんだろうか」と筆者の心までランバダを踊り出しそうなものなのに、「Domani」だと「タイトル倒れなんだろうな……」と思ってしまうから、イマイチ喜びきれないのです。肝心の中身も、ファッションジャーナリストが「ヤンキー=N.Y.モードと捉えればわかりやすい!」と解説するなど、予想を裏切らない内容でした。ヤンキーアイテムとして「光沢ジャケット」「くたくたBAG」「グレーのスエット」を使っていましたが、そんなのヤンキーアイテムじゃないよっ! 紫色のニッカポッカ、ガルフィーなどの犬をモチーフにしたよく分からないトレーナー、金の鎖などをうまく取り入れてくれることを願っていたのに……。
「おやじアイテム」もポロシャツ、リボンベルト、チノパンなど定番物を集めただけだし、「SO-MENアイテム」はチェックシャツ、めがね、白デニムですって。草食男子に「白デニム」のイメージを持っていないのは私だけ?
■結局自分を落とさない女たち
「Domani」の要素を語る上で外せないのが「きちんと」と「こなれた」という言葉。「働くいい女」(よく考えると、なんだそれ感がハンパない)を目指す「Domani」読者としては、他人に揚げ足を取られないために「きちんと」したい。けれど、あまりギスギスしていると余裕のない女、経験値の低い女に見られちゃうので「こなれた感」も出したい、ということでしょうか。
そんな「Domani」読者に贈る企画が、「”きちんといい女”グレージュvs”こなれたいい女”ブラック 6月の着回し10DAYS」です。簡単に言うと、タイプ別の着回しコーデ企画なのですが、導入にあるそれぞれのお悩みの声が見ものです。
「デート中、彼からのなにげないひと言。『ドキドキする彼女っていうより、気の置けない男友達みたいなんだよな』 私、女らしさに欠けてるってこと…?」(こなれたいい女の悩み)
「”ひとりでも生きていけそうでカッコいいです”と後輩が。そこまで男勝りじゃないのに」(こなれたいい女の悩み)
「デキる女を目ざしているのに、なんだか”リクルート風”。自分を変えたいです…」(きちんといい女の悩み)
わー、大変! 一見お悩みの声に思えますけど、自意識が前面に出て、読み手が胸やけを起こしそうです。裏を返せば、「彼に男友達って言われるぐらいサバサバしたいい女、な私」「後輩にカッコいいって羨望されるいい女、な私」「デキる女を目指すって公言できちゃうぐらいいい女、な私」ってことでしょ? これを読者の声という形で取り上げている以上、「Domani」の自意識として心に刻ませていただきます。ゲボー。
これ以外のページはフツーの顔して、化粧品紹介なり、チノパンをはき比べたり、色のないファッション企画を掲載する「Domani」。全体的に真面目な中で、突如「ヤンキーvs おやじvs SO-MEN」とか言い出しちゃうから、無理矢理やってる感が強く出てしまうんですかね。優等生のギャグって大抵スベリますからね。そっか、「Domani」=学級委員長って思えばいいのか!! そう考えると、「愛と勇気と大人の女!」という特集名に、”とりあえず大義っぽくしてみました”感があるのも納得です。
(小島かほり)
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