MORE娘が「ウマい男とヤリたい」宣言? ”SEX-MEN”企画で本性むき出し
今月号の「MORE」(集英社)は表紙に北川景子、インタビューに向井理と盤石な映画『パラダイス・キス』シフト。以前「MORE」が”つくメンまめ男くん”(※尽くしてくれて何かとまめな男性のこと)のイメージとして向井理くんの名前を挙げていましたが、今月号のインタビューを読めばそれがあくまでイメージだったことが明らかになります。理想の恋愛に現実が追い付かず、ますます理想が暴走する……この負の無限ループを抜け出すような企画が現れるか。さっそく今月のラインナップを。
<トピックス>
◎シーン別・夏のパーフェクトコーデ
◎「絶品ボブ」で最強かわいい宣言!
◎Private Talk「向井理」ができた場所
■現実とフィクションがブレンドされる総選挙
今月は恒例の着回し企画から見てみましょう。「総選挙もおしゃれもがんばるんば♪アイドル秘書麻里子の梅雨ドキ着回し20days」には、現在AKB総選挙真っ只中の篠田麻里子が登場。「がんばるんば♪」という懐かしい響きにやられながらキャラ設定をチェックしてみると「篠田麻里子。アイドルグループMKB48の篠田麻里奈を双子の姉に持つ。地元・福岡から『MKB48人気総選挙』を控える姉をサポートするため上京」。……今までも多少強引な設定はありましたが、今回は格別ですね。誌面の企画に持ち出すほどの国民的行事か? というツッコミ自体が虚しく聞こえるお気楽ぶり。
雨の日コーデを紹介しながら、拡声器で選挙応援したり、ビラ配ったり、プチ遠距離恋愛を楽しんだり、アイドルの姉をけなげに支えるかわゆい妹を篠田が熱演。姉の麻里奈に顔がそっくりだったらまず目立つでしょ、パニックになるでしょうが。さらに、「友達全員に電話をかけて投票のお願い」などのくだりは、妙なリアリティーを醸し出してていて恐ろしい。現実のAKB総選挙では、メディア選抜が危うい他メンバーが地元の同級生にまで電話をかけて投票をお願いしている、というウワサが出ています。現実のAKBとフィクションのMKBの妙なリンク……。それにしても、当のご本人を引っ張り出し、「中間発表では第一位!」と誌面上で喜ばせたり、脈絡なく傘や長靴のアピールをさせたり、「MORE」のしたたかな商魂とドS具合には頭が下がります。「結果は狙いどおりの3位!」という大人の落としどころにも。現実の速報では6位と出遅れた麻里子様ですが、妄想コーデ劇場のようなハッピーエンドは迎えられるでしょうか。
■前説終了。ついに肉食の本領発揮
「見た目は地味め、中身は肉食」というタイプが多い「MORE」娘。恋に恋してあり得ない妄想をブチ上げたと思えば、性に対する恐ろしくドロドロした欲望をあらわにしたりと、モノクロ読み物ページにこそ「MORE」が「MORE」たるゆえんが詰まっています。今号はその後者、肉食エナジーみなぎる企画を発見しました。「ウマい男は、見りゃわかる!? 一度は寝たい(はあと)SEX-MEN!!」です。
「枕を交わす前に、彼の言動をチェーック」というリードの通り、「ヒカエメン」「ホメホメン」など男性を「MEN」なタイプに分けて、SEXの特徴を予測しています。半分ダジャレ、半分本気。「キチョウメン:字が女子みたいに几帳面な男子は、肌の上に文字を書くような繊細な愛撫」とか、「ナイナイナ~イ」と頭をぶんぶん振りたくなるものもありますが、「フカヅメン」(女の体を考えている)、「魔人ウンテンジョーズ」(運転上手はSEX上手)など説得力があるメンも。
女性誌でのSEX特集の傾向は、「パートナーとのコミュニケーション術」的なとらえられ方か、もしくは「an・an」(マガジンハウス)のような「サバサバ系」、「婦人公論」(中央公論新社)のような「情念系」などに分類されると思うのですが、「MORE」はそれらの間をウロウロとさまよっている印象が長くありました。隠れ肉食「MORE」娘の中には、「SEX=悪いこと」というイメージも根強く、性愛術うんぬんの前にそれを払拭しなければならないわけです。そのために「健康のために」「愛のあるSEXの素晴らしさ」などマジメな前説を誌面を使ってずっと続けてきたのでしょう。「SEX-MEN」が役に立つかどうかはさて置き、「MORE」が「ウマい男とヤリたい」というSEXにおける本音をさらけ出したところに大きな意味があると思うのです。この直球なタイトルで「YOUたち、イっちゃいなよ」というサインが遂に発令されたのか、今後の「MORE」のシモ系特集は要チェックです。
今月号はほかにも「『姉妹型』で判明!トクする性格・ソンする性格」なんてページもございまして、性格に悩んでいる方はご一読ください。性格と生まれ順って密接にかかわっているんですって! 長女、次女、末っ子、一人っ子という大ざっぱな分類だけでなく、「兄がいる末っ子」「兄と弟がいる真ん中っ子」など作りが丁寧でまじめ。「MORE」が長い間ナンバーワン女性誌として君臨している理由は、実はこんなところにあると思うんです。まじめって大切。
(西澤千央)
見た目が美味い、技巧が上手い、どっちがいい?
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