値引きは当たり前……営業、ライブが飛び死活問題の若手芸人たち
「FRIDAY」(講談社、5月13・20日号)の「人気芸人50組『気になる最新ギャラ』大調査」という特集で、震災後の若手芸人たちの厳しい状況が紹介されている。震災後、広告収入が激減したテレビ局が決して高くはない若手芸人たちのギャラまで、ダンピングを始めているというのだ。
「最近のブレイク芸人のギャラの基準はゴールデンタイム1時間で25万円が目安。有吉弘行などテレビで見ない日はない売れっ子で、この額です。ネタ番組で見るレベルなら5万円程度ですが、震災後はこの額でも30~50%引きになることは珍しくない。それでも断ると仕事が来なくなるので、泣く泣く2~3万円のギャラでも引き受けている状態です」(お笑い事務所マネージャー)
しかし、それでもテレビの仕事がある芸人たちは恵まれている方だと語る。3月11日に発生した東日本大震災の影響により電気の供給不足が心配されていることから、ライブハウスや興行先がイベントを自粛。そのため直接被害はなかった西日本でのイベント、営業なども軒並み中止となり、”営業芸人”たちは窮地の状態に追い込まれている。
「ネタ番組ブームが終わって、多くの若手芸人たちの収入源は地方のイベントや娯楽施設などでの営業になりました。若手でも1回10万円以上のギャラがもらえるので、月に数回の営業で食いつないでいる中堅芸人も少なくありません。でも震災後は95%以上のイベントが中止に。4月に入りポツポツと営業も復活してきましたが、夏には大規模な計画停電が予定されているため、再び営業がなくなるのでは……と芸人たちは頭を悩ませていますよ」(若手芸人)
吉本興業が運営する「ルミネtheよしもと」などの劇場でも、計画停電が予定される夏には夜の部の公演を中止にする案も浮上しているという。定期公演が行われる劇場が東京で5カ所、大阪で4カ所ある吉本では、劇場だけで食べている芸人たちも多数存在するだけに公演の中止は死活問題だ。
「今は、決して多くはない劇場の仕事もみんなで奪い合っている状態。この上、公演までなくなったら多くの芸人は廃業に追い込まれますよ。今後、芸人間の収入格差はますます広がるばかりでしょうね」(吉本の若手芸人)
数年前まで持てはやされていた芸人たちも、3.11以降は人生の岐路に立たされているようだ。
廃業する前に読んでおきたい。
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