カルチャー
【ヤリマン肯定主義】第10回

着衣で添い寝はあり得ない! 映画『抱きたいカンケイ』で学ぶセフレの距離感

2011/05/04 20:00
「抱きたいカンケイ」(C)2011 DW Studios L.L.C. All Rights Reserved.

 「セックスだけの約束よ!」と啖呵を切るヒロイン――。映画『抱きたいカンケイ』のCMが気になっていたという人も多いのではないでしょうか? もちろん私もその一人です。ヤリマン活動に励む、ヤリマンのはしくれとして、この映画はほっとけません! というわけで、さっそく見に行ってきました。もちろん、お一人様で。映画館って、ストーリーによっては「カップルでないと入りにくい」という場合もありますが、『抱きたいカンケイ』に関しては、おひとり様でも問題ないでしょう。いや、むしろカップルで見にくる人っているのだろうか? と思っていたら、意外とカップルが多く、驚かされました。彼らは普通のカップルなのでしょうか? はたまたセックスフレンド同士なのでしょうか? 私もセフレと来るべきだったかな、などと考えつつ、鑑賞してきました。

 ストーリーは、仕事が忙しく、恋をしているヒマなどないヒロインが、たまたま肉体関係を持った男友達に、セフレ関係になることを提案するという、単純明快な内容です。恋人同士ではなくセフレなのですから、相手に嫉妬したり真剣に見つめたりするのはNG。そういった決まりごとの中で、私が面白いなと思ったのは、「朝食を一緒に食べない」というルールです。確かに、朝食は1日のエネルギー源ですから、家族や愛する恋人とならともかく、1人でゆっくり過ごしたい時間。私も、殿方を我が家にお泊めする際は、モーニングコーヒーくらいは出すこともありますが、基本的には朝食サービスは無し、という簡易旅館のようなシステムをとっています。逆に、私が殿方の家に泊めて頂く時も、朝食どころかコーヒーを摂ることもなく、身支度を整えたら早急に退散し、駅前で1人ゆっくり朝マックを味わう、というスタイルをとっています。

 この映画では、カラダの相性がバッチリだったため、ヒロインとパートナーは良好なセフレ関係を構築していくのですが、ある時、セックス無しで一夜を過ごしてしまったことを、ヒロインはたいそう後悔し、セフレ関係を見直そう! と言い出します。このシーンで、ヒロインのネックとなったのが「着衣で添い寝はあり得ない!」ということでした。名セリフですね。セックスフレンドとは、ハダカとハダカのお付き合いなのですから、着エロプレイでもない限り、着衣で一夜はありえません。

 そして、最も私が共感を得たのは「添い寝」に関してです。添い寝や腕枕は、お互い体の疲れが取れず、快眠できないという最大のデメリットがあります。キングサイズのダブルベッドならまだしも、シングルベッドならなおさらです。前に、「セフレと近所同士だと、泊める必要や泊まる必要がなく、ことが済んだら帰ってもらえる(もしくは帰れる)点が良い」と書いたことがありますが、まさしくそれに通ずるものがあります。そう、朝食やコーヒーどころか、お泊まりさえ無し! というのが最高の距離感といえるでしょう。ただ、こればっかりは、セフレ全員がご近所さんという環境を作るのは難易度が高いので、ある程度の妥協も必要となってきます。

 さて、「着衣添い寝」のペナルティーとして、ヒロインはパートナーに「別の女と寝てくるまでは会わない。私も、別の男と寝てくるから」と宣告します。そのくせ、パートナーが別の女性といるところを見て心を乱すのですが、この点には賛否両論あるのではないでしょうか。私の場合は、「親しき仲にも礼儀あり、セフレ間にも礼儀あり」をモットーとしていますので、セフレA氏の前ではセフレB氏の話をすることはありません。男性の股間はデリケートですから、例えセフレ関係といえど、他の男性の影をちらつかせないようにしています。逆に、セフレ男性から別の女性の話を聞かされることもありますが、こちらに関しては、私の性格上は全く気にならないですね。私の股間はデリケートではないので。

 ラストシーン間近には、パートナー男性のほうが、別の女性と肉体関係を持とうとする場面もあるのですが、キスの際におでこがぶつかったり、前戯を実況中継する彼女のセックススタイルにゲンメツし、未遂に終わります。そうなんです! セックスは相性が命です。恋人同士の場合なら、仮にカラダの相性が合わないとしても、性格など他の部分で補うことが可能ですが、セフレの場合はカラダの相性が最優先事項となります。セフレを作る際には、まずカラダの相性の確認から行ない、そこから適度な距離感を構築していくと良いでしょう。

【今月の格言】
着衣添い寝は論外! 朝食サービスを求めないセフレこそ、最高のベストフレンドである! 

菊池美佳子(きくち・みかこ)
21歳で処女のままキャバ嬢デビューをするものの、試用期間内に本指名をとれず、東武東上線沿線のキャバクラを転々とする。その後、派遣OLを得て、現在は大人のおもちゃ屋さんのコピーライターとして、ヤリマンの名誉をかけて奮闘中。

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最終更新:2019/05/24 17:12
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