『バナナ炎』で堪能する、日村を泳がせる設楽の見事な手腕
3月25日放送の『ウンナン極限ネタバトル! ザ・イロモネア 笑わせたら100万円SP』(TBS系)で何度目かの100万円を獲得したり(※東日本大震災の復興支援として全額寄付)、昔から「あこがれ」と公言するとんねるずに『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)で「時計や高級スーツを買わされ」たりと、今ノリにノッているバナナマン。
今回ツッコませていただくのは、そんなバナナマンの「極限」であり「原点」にも思える部分が見られた4月12日放送の『バナナ炎(ファイア)』(TOKYO-MX、tvk)。トークテーマは「40歳までにやっておきたいことベスト3」だったのだが、なぜか話題は90%以上が「日村の変態性」だった。
日村勇紀の髪の分け目で遊びながら、「すごくいいよ」と褒める設楽統の口から出たのは、以下のコメントだった。
「(髪形)いいよ。でも、もしこの会場で『パンツないんですけど』って人がいたら、一斉に(日村を)バッて見る感じ」
外からも中からも日村を理解しきった設楽ならではの秀逸な表現だが、これに対して日村は大声で反論する。
「俺、パンツとったこと1度もないよ!!(怒)」
これだけで十分なやりとりだが、ここから延々と「パンツ」に対する思いのみが熱く、怒濤のように語られていく。途中、設楽の合いの手が入るが、以下はすべて日村の「パンツ語録」である。
「パンツとるのは『40歳までにやっておきたいこと』じゃないよね? 50になったって60になったって『とりたい』って言うよ!」
「誰だってパンツは、とりたいでしょ、男は」
「盗みたくはないよ、もちろんそれは」
「パンツはみんなとりたいって思うよ、男の人は。とりたいじゃなくて、できれば触りたい、近くで見たいとは思うのよ。でも、ひとさまのベランダ入ってとりたくはないよ」
「売ってるパンツより使ってるこっち(パンツ)って思う、純粋に、ピュアに」
「パンツを盗んでいいのであれば盗みたいっていうだけ。盗んじゃいけないなら、しませんよ」
「フリーマーケットでパンティー売ってるなら、僕は全然興味ない」
「”OKパンツ”はどうだっていいの。(とりたい理由は)”NOパンツ”だから。変態的発想じゃなくて、”大泥棒”的発想なの。より困難なことをしたいわけよ」
「誰かが使った物でないと価値がないし、それを『とっちゃダメ』って言う方が価値が上がる」
パンツについてこれだけ語れる人、下着メーカーにだっていないだろう。お客さんがドン引きしていく中、「それは変態の発想」「犯罪者の発想」「じゃあ、警察呼ぶね」などと優しく指摘し、日村を極限まで泳がせ、深く深く掘り下げて楽しむ設楽。
(設楽)「じゃあ、大根に例えたら?」
(日村)「八百屋さんに置いてある大根じゃ意味がないんだ。買えるから。パンティー屋さんに行ったらパンティー買えますもん、店員にヘンな顔されるけど。そうじゃなくて、どこかの古びたおうちで、ここの大根がおいしいって元から聞いてんの。たまたま軒先にあったの。とったら泥棒ですよ。でも、とれるチャンスがあったの。前からその大根食べてみたいって思ってたの。僕はとらないよ、ダメだから。でも、『とってみたい』って言うの」
ムキになって否定すればするほど、熱心に主張すればするほど墓穴を掘る日村。最小限の言葉の投げ掛けで、天才的な「素材」の日村から、魑魅魍魎を引き出す設楽の手腕は、とにかく見事というほかない。「パンツ」についてのやりとりだけで、『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)でも見たような不思議な気分になった。
(田幸和歌子)
日村はガチ
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