もたらした利益は1兆円超え!? ハリウッドを支える敏腕プロデューサー
毎年数多くの映画が制作されるハリウッド。映画がヒットするかはプロデューサーの力量にかかっている。実際は大物プロデューサーの名前を借りている場合が少なくなく、実際には下の共同プロデューサーが動き回るケースが多い。とはいえ、脚本探しから企画、資金集め、配給交渉、マーケティングなど全製作プロセスに携わるハンズ・オン・プロデューサーも、まだまだハリウッドには存在する。今回は、映画制作のためにすべてを捧げるハンズ・オン・プロデューサーの中から、「ハリウッド敏腕プロデューサー5」をリストアップしてみた。
■第5位 ローランド・エメリッヒ
ドイツ出身の名プロデューサー、ローランド・エメリッヒは、1990年にプロデュースした『MOON44』が国際的に高い評価を受け、以後ハリウッドに移って活躍するようになった。「大衆のために映画を作っているんだ」という言葉通り、大衆が高い関心を持つテーマの作品を手がけることが多く、『インデペンデンス・デイ』『デイ・アフター・トゥモロー』『2012』など、社会現象を巻き起こした作品をプロデュース&監督。『2012』で得た収入は7,000万ドル(約60億円)だと報じられており、斬新な作品を生み出すハリウッド屈指のプロデューサーとしての地位を確立した。
発展途上国に住む女性の権利のために寄付するなど慈善家としても知られるローランドは、同性愛者であることをカミングアウトしており、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)団体へも寄付している。
■第4位 マイケル・ベイ
09年に1億2,500万ドル(約104億円)稼ぎ、ハリウッド長者番付トップに躍り出た名プロデューサー、マイケル・ベイは、ミュージック・ビデオのプロデューサーとしてキャリアをスタートさせた。その後、ジェリー・ブラッカイマーと組み監督として活躍した後、映画プロデューサーへ。『トランスフォーマー』など、アメリカ人好みのド派手アクション映画だけでなく、『13日の金曜日』『エルム街の悪夢』 などホラーも手がけてる。
マイケルは、インタビューで「オレは10代の青年のために映画を作っている。うわっ、これって犯罪みたいに聞こえるな」と語っており、今後もティーンが夢中になるような映画作りに意欲を見せている。
■第3位 ジョエル・シルバー
名門ニューヨーク大学の芸術学部で映画を学んだジョエルは、伝説的アクション映画『リーサル・ウェポン』『ダイ・ハード』『マトリックス』をプロデュースしており、ヒューマン・クライム・アクションを作らせたら右に出るものはないといわれる人物。
しかし、だらしない服装、マナーの悪さ、激しい気性の持ち主で、映画会社幹部に対しても押しが強いため、業界からは嫌われている。『48時間』の続編や『ダイ・ハード3』から外されたのも、口の悪さが災いしたため。女性関係もだらしないと伝えられるが、本人は「ハリウッドのプロデューサーなんて、学生の頃はチビでデブで不細工で誰からも相手にされなかったオタクばっかりなんだ。ちょっと復讐したっていいじゃないか」と言い放っている。ちなみに、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』でトム・クルーズが扮する超最低オヤジ・プロデューサーのモデルは、ジョエルだと言われている。
■第2位 J・J・エイブラムス
両親ともにプロデューサーでショービジネスの世界に慣れ親しんでいたJ・J・は、16歳のとき脚本家として業界入りした。ジェリー・ブラッカイマーがプロデュースし、マイケル・ベイが監督した名作『アルマゲドン』のシナリオ作成に参加するなど下積みを経て、テレビ青春ドラマ『フェリシティの青春』でプロデューサーとして注目されるように。その後、カルト的な人気を集めたスパイアクション『エイリアス』で、次世代のテレビプロデューサーとしての地位を確立した。
スリル感溢れるアクション・シーンが定評だった『エイリアス』は熱狂的なファンが多く、その一人であったトム・クルーズに引き抜かれ、J・Jは、ヒット・シリーズ『ミッション:インポッシブル3』の脚本・監督に就任。この作品で映画界でも知名度がアップし、『スター・トレック』では監督だけでなくプロデューサーも務めるようになった。テレビ界に新しい旋風を巻き起こした『LOST』やSFドラマ『FRINGE』も好調で、社会現象となっている。
「多くのプロデューサーは、最初に見た3作の映画に強い影響を受けているものだ。自分の場合は、『スターウォーズ』。SFアドベンチャー、アクション、善・悪をうまく擬人化する点など、影響を受けている」と、語るJ・J・。6月24日から公開される『SUPER8/スーパーエイト』は、スティーヴン・スピルバーグが70・80年代に手がけたSF映画に敬意を捧げる作品とのことで、注目が集まっている。
■第1位 ジェリー・ブラッカイマー
「ミスター・ブロックバスター」の異名を持つジェリー・ブラッカイマーは、臨場感たっぷりなスピード感あふれる作風で知られる敏腕プロデューサー。「このビジネスは運送業だ。観客をいろいろな場所へと運ぶからな」と語る彼は、さまざまなジャンルの映画を手がけており、『フラッシュダンス』『ビバリーヒルズ・コップ』『トップガン』『アルマゲドン』など、そのほとんどが爆発的にヒットしている。
「自分が見たい映画を自分が好きなように撮る」ことをモットーとしているジェリーは、大学卒業後、広告代理店でテレビCMプロデューサーとしてのキャリアを積み、映画プロデューサーとしての足がかりにした。00年からはテレビ界でも活躍するようになり、クライム・サスペンス『CSI:科学捜査班』シリーズやリアリティー番組『アメージング・レース』シリーズなど、業界に革命をもたらすような作品を世に送り出している。
ハリウッドを代表する存在となっているジェリーだが、新しい作品の制作に着手するたび「これが最後の作品になるかもしれない、と思いながら作る」「誰も見てくれないんじゃないか、大失敗するんじゃないかと、恐怖心に狂いそうになりながら作る」と、孤独なヒットメーカーとしての気持ちも語っている。
ちなみに、彼がこれまで手がけた作品がもたらした総利益は130億ドル(約1兆円)以上にのぼると報じられている。
映画が何を伝えたいか、ぶれることがないよう監視し続けるプロデューサー。強い信念を持ち、カリスマ性がなければプロデューサー業は務まらないというが、今回ご紹介した5人を見れば納得していただけるだろう。
日本を代表する、迷プロデューサーです
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