都知事選のせいではなかった! 石原プロの炊き出しが出遅れた理由
東日本大震災発生後、浜崎あゆみ、宇多田ヒカル、SMAPら芸能人が続々と義援金を寄付している。さらには、SMAP・中居正広や内田裕也らが被災地で炊き出しを行い、被災者を元気づけていることも大きく報じられている。
「やはり、名前が通っている芸能人が被災地を訪問して勇気づける効果は計り知れない。中居はオフの7日に福島の避難所を極秘に訪れ、ボランティアスタッフとして炊き出しに参加。フジテレビがその様子を報じたが、激励された女性の目は輝いていた」(スポーツ紙デスク)
そして、芸能界で被災地への炊き出しとして真っ先に思い浮かぶのが、老舗芸能プロ「石原プロモーション」。14日から宮城県石巻市で炊き出しをする、というニュースは先日大きく報じられた。
「石原プロの炊き出しはもともとはスタッフ・共演者の団結力を図る目的だったのですが、1995年の阪神・淡路大震災でカレー、焼きそばなどを振る舞い、一躍有名になった。石原プロの倉庫にはもちつき機、一度に3,000人分の米が炊ける釜など”炊き出しグッズ”を常備していて、今回は10トントラック数台で食材を運び、約1週間炊き出しを行う予定です。社長を務める渡哲也のほか、所属タレントの舘ひろしや徳重聡らも駆け付けるようです」(スポーツ紙デスク)
石原プロが制作した『西部警察』(テレビ朝日系)は仙台市や福島県内で大規模ロケを行ったり、渡の主演ドラマ『マグロ』(同)も青森県大間町で撮影するなど、同プロは東北地方に縁が深い。しかし地震直後には、渡の名前で「ただただ驚き、言葉もございません」「お身内を亡くされた皆様方には、心よりお悔やみ申し上げます」などとコメントするにとどまっていた。”炊き出しグッズ”を常備しているなら早い段階で現地に行くことも可能だったはず。一部では「故・石原裕次郎の兄である、石原慎太郎氏が出馬した都知事選のために、タイミングを計っているのでは」という声が上がっていたが、実際は同社の苦しい台所事情が関係していたようだ。
「基本的に炊き出しに掛かる経費は、すべて石原プロで調達しなければいけない。阪神・淡路大震災のころは、宝酒造などスポンサーの強力なバックアップがあったから、大規模な炊き出しも可能だった。ところが、大口のスポンサーだった武富士が経営不振に陥って離れたり、09年に国立競技場で行った裕次郎さんの二十三回忌法要で、そのために貯めていたとされる30億円とも言われる”埋蔵金”を使い切ってしまった。それでも、稼げるタレントがいればいいが、渡は体調不良とささやかれているし、エースも不在。先ごろ発売された一部週刊誌に対して、同プロを実質的に仕切る小林正彦専務は『商売としては縮小していく』と今後を語っているだけに、炊き出しどころではないのが内情。炊き出し専用トラックも月々の駐車場代などがバカにならない」(芸能プロ関係者)
それでも被災者の中には『西部警察』ファン、裕次郎ファンといった高齢者が多いことから、現地に行くという”苦渋の決断”をしたという。今なお、災害のつめ跡が残る石巻市民にとっては温かい食べ物と、身銭を切ってまで被災者を元気づけようとする石原軍団の熱い思いが届くはずだ。
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