スタッフの指示も無視! みのもんたの『ミリオネア』での独裁ぶり
今回はお台場にて『クイズ$ミリオネア』(フジテレビ系)を観覧してきた。放送が開始されたのは2000年。ご長寿番組とまでは言えないが、MCのみのもんたの決めゼリフ「ファイナルアンサー?」は誰もが知るほど定着している人気のクイズ番組である。現在は特番のみでの放送だ。
レギュラー放送だったころは、一般参加者がスタジオで「早押し並べ替えクイズ」に挑戦し、最も早く正解できた人が本戦でみのもんたと対峙できる方式だった。笑えない事情で本気でお金に困って参加していた一般人が多く、「本当にすみません……」と号泣しながらドロップアウトするシーンなどがありちょっと湿っぽかったのを記憶している。また、当初はクイズを考える時間に制限がなく1問を1時間考えていた挑戦者もいたそうだ。しかも、熟考して出た答えが不正解だったという。みのもんたや観客からのプレッシャーに耐え、テレビカメラを1時間も待たせる精神が実に太い。また、今回の番組スタッフの前説で知ったことだが、みのはクイズの正解を知らずに出題しているそうだ。正解を知らずに「本当に……それでいいんですか?」と揺さぶりをかけるみのに、本当は正解だったのに答えを替えてしまう人もいたんだとか。
さて、スタジオに入ると観客は前の方に20代くらいの女性、上の方に高齢者や男性が着席させられる。ゲストの真後ろの席は顔がバッチリ映ることを覚悟した方がよい。席に着くと、椅子の上に4択ボタンのついたリモコンを発見。これが、あのライフラインで使われる「テレフォン」「50:50」「オーディエンス」のオーディエンスボタンなのか! クイズ好きの血が騒ぐ。早く押したい!
いよいよ出演者がスタジオ入り。「みのさんに『黒い!』って言ってもいいですよ」と前説でスタッフが言っていたので、誰かが「黒~い!」と言うのを期待していたが無論そんな声は上がらず。というか、生みのは期待より黒くも大きくもなかった。まぁ、観光地でも、大きいと想像していた物は実際見ると小さかったりするものだから、「真っ黒の大きい人」イメージのみのにギャップがあるのも当然なのだが。
かつては「『おもいッきりテレビ』(日本テレビ系)のCMやVTR中は立ったまま居眠りしてるらしい」なんて言われていたみのだが、ここでは収録前も収録中もテンションは変わらず、むしろ収録の合間に「みなさん喉渇いてなーい?」と声をかける気配りまで見せていた。あまりにフランクな問いかけだったため、私も挙手していいのかと思ってしまったほどだ。そして、一番みのもんたイズムを感じたのはゲスト・東尾修との対峙の時である。『プロ野球珍プレー集』のナレーションをやっていたみのは、東尾とのプロ野球トークに夢中になってしまう。普段から酒を酌み交わしていると言うだけに、気を許してしまったのだろう。
「昔はね~タクシー乗っても野球中継のラジオが流れてたもんですよ」だの「『珍プレー好プレー』、またやってほしいね!」だの、「佑ちゃんはどう思う?」と、単なる野球好きのおっさんの居酒屋トークが延々繰り広げられた。飽きてきた観客は途中から静まり返り、スタッフが何度も次へ進めるようカンペを出すも、みのは無視。ついにスタッフまでもが諦め、腕組みしてみのの気が済むのを待っている。
約20分は語っていた。
『ミリオネア』はみのありきの番組なので、みののやる気が最優先なのだろう。みのの野球トークで押した撮影時間もどこで帳尻を合わせたのか、予定時刻で見事に終了した。そこも計算か。さすがベテラン司会者である。こんなきれいに納めてくれるならカンペ無視の独演会状態も許せるだろう。
みのとはうって変わって、ゲストの尾木ママとあき竹城のかわいらしさったらなかった。収録の合間に「今の問題分かった?」「ねぇ、あそこ(解答席)に座ると緊張しちゃうのよ」と、真後ろに座る観客に話しかけたりして、気さくで物腰が柔らかな感じだ。そのほかには、ウエンツ瑛士、劇団ひとり、ハリセンボンの近藤春菜がゲストで登場した。結局、この収録では1,000万円を獲得するゲストはおらず、イマイチ盛り上がりに欠けたが、不正のないガチ番組なら当然かもしれない。
帰りのりんかい線の中、なんとな~く見覚えのある男女が目に付き、降り際に男の顔を確認して「!」。先ほど近藤春菜の「テレフォン」として声の出演をした芸人・タカダ・コーポレーションだった。テレフォンだけのためにフジに来ていたのか? もしやスタジオの片隅にいたとか? ちなみに後日放送回を見たら、みのと東尾の語りは大きくカットされていた。それでもみのはめげずに、これからも心ゆくまで話し続けるのだろう。
【ミリオネアのとっておき情報】
・日本のミリオネアは最高賞金1,000万円だが、外国では10億円(!)のところもあり、不正がないようMCも正解を知らない。挑戦者が回答した後に、みののモニタに正解が表示されるという。これは世界ルールとして決まっているのだそう。
みかのはらミキ
漫画イラストレーター。1980~90年代好きで、有名人を「やや~最大に美化」して描くのが持ち味。「星ぽえ夢」スタッフとしては雑誌イラストや携帯コンテンツなどでも活動中。芸能愛に溢れるブログも絶賛更新中。
【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます】
・愛されていた頃の”旧き良き”紳助がそこにいた……『なんでも鑑定団』潜入
・観覧中に寝る客も!? 『スタジオパークからこんにちは』番組潜入
・倍率は10倍! 『笑点』観覧で目撃したお年寄りたちの”本気”