石野卓球を”ピンポンさん”……『徹子の部屋』での相変わらずの徹子ぶり
11日に発生した東日本大震災後から、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)の放映が再開されたのは、16日の大竹しのぶがゲストの回から。その後、五月みどり、ピエール瀧ときて、週が変わって22日までに森三中、青木さやかという顔ぶれが続いた。
震災後の放送後も、『徹子の部屋』はどの日も、いつもの通りの『徹子の部屋』だった。おそらく今のところすべて震災前の収録なのだろうから、当たり前といえば当たり前だが。たとえば、東京ガスのCMで演じた「信長」が徹子的にお気に入りらしい、ピエール瀧とのやりとり。
徹子「電気グルーヴ、”グループ”じゃないのね」
瀧「ウに点があるやつで、”ヴ”」
徹子「ヴ、なんですね」
2人で”ヴ”、”ヴ”とだけ繰り返すやり取りがあったかと思えば、徹子から突然の攻撃が。
「ピンポンさん、上に乗っかってるピンポンさんは……」
ピンポンさん。そう、電気グルーヴ・石野卓球のことである。卓球も自分がいないところでまさか「ピンポンさん」呼ばわりとは、思ってもみなかったのではないだろうか。このあたりのまったく予測不能の角度からの攻撃はさすがである。
続いて21日ゲストの森三中には、黒沢ワールドを徹子ワールドが駆逐する。黒沢が、「家でラップ現象が起こるんです」と言えば、徹子はこう言った。
「踊っちゃうの?」
ラップ違いだ、徹子さん。さらに黒沢は、徹子の好物だというチャプチェをお題に、即興で歌を作ることを求められ、歌いはじめた。
「♪甘い感じ~のチャプチェの歌〜この先どうなるのかぁ~ アナタが口にした~もの~それは何~? ♪右手にチャプチェ持ち~左手にワ~イン それを全部投げ捨てたぁ~怒られたぁ~……」
めいっぱい歌い上げた後のスタジオの空気に黒沢が一言。
「スベるってこういうことだな、と」
思わず黒沢も素に。でも徹子本人は即興芸に感心したよ。
そして、結婚・出産・育児と、幸せを手にしたことで芸人としての何かを失い迷走中、みたいなことを愚痴る青木さやか(22日放送)。「どこ見てんのよ!」と言うお決まりのフレーズを放つテンションになれず、「見てもいいのよ」という新ワードを考え中だと徹子に相談。すると徹子から新提案が。
「分かった。”見たきゃ見れば!?”、ってのどう?」
このアイデアに、「悪くないです」と返す青木。そして、全力での「見たきゃ見れば!?」を青木にお試しでやらせてみた後で、徹子の感想。
「ものすごくアナタらしくなくて面白いんじゃないかしら」
どのゲストとのやり取りも、震災前と変わらない。すべてがいつもと同じ『徹子の部屋』だ。何も変わらない徹子がいる日常、それだけでもなんか、ちょっとほっとした気持ちになれる。ありがたかった。
ユニセフ親善大使としてもよく知られている徹子さん、16日にはこんなあたたかいメッセージを発表している。
「大人でさえ耐えがたい状況の下で、被害を体験したり見聞きしたりした子どもたちは今、非常に大きなストレスを抱えています。(中略)子どもたちを抱きしめて、優しく声をかけてあげてください」
これからの放送も、具志堅用高、木下優樹菜、木梨憲武と、気になるラインナップが続く。おそらく近日中には震災後の収録分が放送されることと思うが、徹子さんのことだけに、きっとますます日本中が温かくなって、笑える『徹子の部屋』であることと思います。
(太田サトル)
徹子さん、お言葉ありがとうございます。
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