身重の麻央を連れて博多に脱出した海老蔵を笑えるか?
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
第68回(3/17~3/22発売号より)
東日本大震災から10日あまり、被災者支援も徐々に進むが、東京電力への怒りは止まらない。原発の情報に一喜一憂し、計画停電に振り回される。被災地での被ばくはどうなのか。「ただちに人体への健康はない」と繰り返すだけの政府と東電。では10年、20年後は? 放射能汚染で想定される健康被害が大量発生する頃、現在の政府・東電の責任者は既にいない。引退してるか死んでいるかだもんね。
1位「命は助かったけどこれからどうすれば……」(「週刊女性」4月5日号)
2位「海老蔵 『原発爆発』翌日に”身重”の麻央とのぞみで東京大脱出!」(「女性自身」4月5日号)
3位「R40女性1000人『性と体』アンケート」(「女性セブン」3月31・4月7日合併号)
今週の女性週刊誌も震災一色である。そこで、一番最初に被災地に駆けつけた女性週刊誌はどこか? と注目して読んでみると「週刊女性」であった。「どこの週刊誌よりも先に”現地入り”」とサブタイトルにも謳っている。偉いかどうかは別として、とりあえずは1位である。
地震から17時間後の3月12日朝8時に「週女」記者は茨城県に到着し、午後3時には福島県に。そこで被害の状況や避難所の取材をしているのだが――。
ちょうど同時刻の午後3時36分、福島第一原発1号機が爆発した。大丈夫か!? なぜか事故には一切触れず、さらに仙台へと向かう「週女」記者。書くと不安になるからだろうか。なかったことにしたかった? 被災現場を目の当たりにして、そんなことは言っていられない状況だったのか。どちらにしろ立派な記者根性である。
だが、少し悲しい気持ちになった。今回、多くのマスコミ関係者が被災地で取材を行っている。だが地元メディアは別として、多くの場合、現地入りしているのはフリーや契約記者なのだ。過去、世界で起こった戦争や紛争地域で取材したのもフリーランスだった。取材中に死亡した戦場カメラマンのほとんどがフリー。そして今回も――。
大手メディアの社員は、フリー記者やカメラマンに「取材に行け」と依頼するだけだ。またはフリー記者たちが独自に現地入りし、彼らから売り込まれた記事や写真を掲載すればことは足りる。それが現状だ。自分たちを危険を晒す必要はない。そして会社側も社員が危険になる状況を望まない。だって社員に万が一のことがあったら、補償をしなくてはならない。労災扱いは必至だ。でもフリーだったらそんな心配はなし! ってこと。だから「週女」記者も、「社員」ではなく「契約」または「フリー」に違いない。
こうした記者たちが決死の取材をしている間、いくつかの大手マスコミ企業は社員に「自宅待機」の措置をとった。いいのか、それで!! 取材しろ! ボランティアしろ! 大震災で、あらためて大手メディアの不甲斐なさと不条理を感じている。
芸能情報がほぼ皆無という異常事態の女性週刊誌だが、そんな中、笑わせてくれたのが2位の「海老蔵逃亡」ネタだ。やっぱり女性週刊誌はこうでなくっちゃ、という1本である。
大地震から3日後の3月14日、海老蔵と麻央が東京を脱出した。そのタイミングは福島第一原発3号機爆発の30分後だったという。行き先は熱海。だが、翌日には静岡でも地震が発生し、海老蔵夫妻はさらに西へ脱出。行き先は博多だと推察されている。
安易に逃げることに違和感を持つ人も多いだろうが、妊娠中の妻を持つ海老蔵の判断はむしろ賢明だ。政府や東電、そして原発に詳しい学者の話は信用ならない。原発系の学者の多くは自らが原発に関わり、東電関連で食っている。だから「大丈夫」としか言わない。そこで海外報道などを見ると、少なくとも妊婦と子どもはなるべく遠くに行ったほうがいいのでは、と思ってしまう。刻々と悪化する原発事故、たびたび起こる余震、そして停電。被災地から離れた首都・東京でも、日に日にストレスが増している。みなイライラ状態だ。だからお金があって時間もあるなら、東京を少し離れるのもいい。そしてラッキーなことに海老蔵は謹慎中だから、時間はたっぷりある。怪我の功名!?
いつもはついついスルーしてしまう”エロ”情報だが、今週は見入ってしまった。なにしろリードタイトルがすごい。「なんだかんだいっても、昭和の女にとって性にまつわる話はやっぱり”秘めごと”」だってさ。「R40」なんて洒落た言葉も、実は「昭和の女」と同義語たということを再認識させてくれた。一種の差別用語(笑)。
ともあれ、こうしたアンケートは興味深い。セックスで好きな行為は、1位愛撫、2位キス、3位挿入、4割が不倫経験あり、フェラチオ嫌いは54.7%、4割の家庭がセックスレス、最高のセックス体験は「元カレと偶然会ってビルの非常階段で」だって。震災情報一色の女性週刊誌の中、通常の”エロ企画”にホッとさせられた。
博多の人は「逃げろ、アイツらが来る!」って言ってるそうな。
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