「秀樹、感激~♪」を封印し、意外性を打ち出している西城秀樹の現在
今回ツッコませていただくのは、デビュー40周年でさまざまなバラエティー番組に出演中の西城秀樹。
3月4日放送分『PON!』(日本テレビ系)では、「敷地面積5,000坪」という広大なバリの別荘を紹介されていたが、「よく行ってるんですか?」との問いには、なんとも正直な返答をしていた。
「今は(子どもの)学校があるので、ほとんど行ってません……」
秀樹、常識人!! 芸能人の家庭なのに、バリの5,000坪の別荘なのに、「学校があるから」行けないという一般人感覚。
「10代で銀座は卒業した」という驚愕のエピソードを披露しつつも、銀座の店の美味しそうなランチを出されると、「(銀座を)卒業? いいんだよ、これは!!」「毎日届けて欲しい!」などと大興奮で盛り上げてみせていた。
また、2月20日放送分『誰だって波乱爆笑』(同)に出演した際には、野菜づくりをしている畑を披露。それも、「こだわりの野菜」とかいって、どこかの女優さんみたいに農業のうんちくでも語っておけば良さそうなものなのに、「僕のような学のない者には、ちゃんと講師が」と言い、野菜づくりの先生を紹介していた。秀樹、謙虚!!
さらに、巨大な白い筒に包まれている「練馬大根」は、4カ月前から栽培していて「大きさのギネス記録に挑戦中」という大切なものなのに、番組内で抜いてみせるという大サービスの演出ぶり。
大根を抜きながら「これは(大根の根の一部だとしたら)……もしかして(ギネスの大きさ)……?」と散々に盛り上げ、結局は中くらいの大根だったのだが、その間に興奮した調子で叫んだのが、こんな言葉だった。
「もしかして……この練馬大根で、『西城秀樹』の名前が世界に知られるかもしれないぞ!!」
いやいや。西城秀樹、十分知ってますとも。西城秀樹といえば、日本人歌手のアジア進出の先駆けと言われている人。中国、香港、シンガポールなどでも人気となったこと、ジャッキー・チェンと交友があったりすることも、けっこう知られている。
それに、「秀樹~~♪」のネタがたびたび登場するアニメ『ちびまる子ちゃん』だって、海外で多数放送されているはずだ。
なのに、なぜにいま、「練馬大根×西城秀樹」で世界進出!? 秀樹、ますます謙虚!!
ところで、『誰だって波乱爆笑』にゲストで登場した『寺内貫太郎一家』以来の仲の樹木希林が、彼の若い頃について「ずっとスターだったから、何でも自分の話にかえちゃって、他人の話を聞かなかった」と語っていたが、大病を乗り越えたり、夫になり父になったことで、大きく変わったのだろうか。
ちなみに、そんな西城秀樹が近年得意としているのは、「秀樹……満足♪」というギャグ(?)だ。
彼の口から「秀樹……」ときたら、誰もが次に待ってしまうのは「感激~♪」のフレーズだが、実際、なかなか「感激」しない。これを連発すると、スターからいつの間にか「一発屋芸人」みたいになってしまうだろうが、秀樹はやすやすと「感激」を出さず、「満足♪」と見事にじらしてみせる。「秀樹じらし」の技と言って良いかもしれない。
苦労を越えて、「謙虚さ」や「常識」「サービス精神」、さらに「秀樹じらし」まで手に入れた西城秀樹。改めて注目してみたい。
(田幸和歌子)
存在がネタになるほどのスター、ということで。
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