サイゾーウーマンコラム「なんでこんな人生を……?」悶々とする40代、4人目の妊娠劇 コラム [連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と 「なんでこんな人生を……?」悶々とする40代、4人目の妊娠劇 2011/02/26 21:00 安彦麻理絵のブスと女と人生と安彦麻理絵 (C)安彦麻理絵 頭ボンヤリ。今まで1日で出来たことが、1週間かかっても出来ない。ノーミソに汗して、何か考えたり、行動したりすることが出来ない。というのも、体が勝手に、エネルギーの消費を押さえてしまうのである。今まで、「やたらとガソリン代のかかる燃費の悪い車」だった自分が、いきなり省エネ野郎になってしまった。しかし時と場合によっては、何故かその、溜め込んでたエネルギーを突然噴火爆発させ、拳を固く握りしめ、両目から、ダバダバと熱湯のような熱い涙を流してブチギレたりして、己を抑制・コントロール出来ない状態になったりもしている。 人によっては「脳内・お花畑状態」に、なったりもするらしいが、私はこんな「脳内・不燃ゴミ可燃ゴミ粗大ゴミ一気にギュウ詰め状態」になっている。その、ギュウ詰めになった「俵」を、ある時は鬼のような形相で、歯を食いしばって持ち上げ、そしてブン投げ、体当たりし、しかし時には「……すまなかった」と、涙ながらに優しく撫でている状態……。一体ソレ、何のことだよ、と不審に思われそうだが、実はこれ、現在妊娠中の私の精神状態。私は何故だかまた、性懲りもなく妊婦になってしまったのである。今、6カ月になったところ。産む時、私、42歳。4人目の出産。 私、なんでこんな人生を歩んでるんだろう……? その昔、20代も前半の頃、私は「子どもなんて絶対産みたくない!!」という、そんな漫画(まぁ、今にして思えばなんてお子様な漫画でしょうねぇ……)を描いた事がある女だった。それなのに、現在のこの状況。 別に、いきなり「子どもを産むのが好きになった」わけではない。しかし、ある程度「妊娠出産もおもしろいもんだな」くらいには思えるようになった。でも、「その程度」である。別に、大家族の子だくさんを目指してるわけでもなんでもないのに、それなのに。 「子どもが欲しくても欲しくても出来ない人たちは、沢山いるんだから私はこの状況を有り難いと思わなければいけない」 何度も、そう考えてみた。素直に「そうだよな、その通りだわ」と、その「正論」を、そのまんま飲み込めればいいのだが、しかし。その「正論」は、世間様の「そう考えなきゃいけない風潮」であって、私が求める「答え」じゃないのだ。私の今回の妊娠には、一体どんな意味があるのか。なんで私、こんないいトシこいてまた妊娠したのか。自分で納得のいく答えが見つからない限り、私は多分、悶々とし続けるだろう。 こんな、めんどくさい女の腹をわざわざ選んで産まれようとする子どもって、一体どんな奴だよ。 世の中には「敷金・礼金なし。新築。日当たり最高。おいしいまかないまでついて、それで家賃もタダ!!」なんて最高な物件が結構ある。それなのに、どうして私のような「中古物件。せまい。暗い。インターネットもできないし、もういいかげん古いから、更地にして駐車場にでもしようと思っていた」。そんな物件に入居しようとする奴がいるのか。 さて、40過ぎた体での妊婦稼業は、かなりしんどい。前回の時もそうだったが、とにかく腰痛がひどいのである。「骨盤がギチギチ広がって色々あーだこーだなるから」らしいのだが、まぁ要するに、若くないんだからしょうがないだろ、って割り切るしかない。20代の若い娘さんが妊婦やってるのとは雲泥の差、なのである。とにかく、一度横になるとあまりの腰痛激痛で立ち上がれない時もあったりして、ある時は夜中、部屋の電気もつける事が出来ず、仕方なく「ザンバラ髪で、四つん這いで這い上がって、家の階段を登る」という、まさに「リングの貞子」もしくは「呪怨の伽倻子」のようなホラーな人に、ならざるを得ない状況に陥ることもあった。(それでハラボテなんだから、見た目、ほんとに恐い) そんなわけで、出産まで、あと4カ月くらいである。途中、「ああ、流産になってしまうのかな」と思ったこともあったが、腹の赤ん坊は、しぶとかった。えらいなぁ、と思った。無理していい人なんてしなくていい、妊娠・出産の主役はお前だ、その調子で図太く育てよ、と私は思うのであった。(ところで、小向美奈子のチチとハラが、すごい。TVで見て妊婦なのに私、「……負けた」と、思った) 『どうして私、イライラするの?―「生理前ウツ」にさよなら!PMSハッピーアドバイス [単行本]』 物件は選べないので…… 最終更新:2019/05/21 16:34 次の記事 「ヨットに乗ってる間は走ってない」と間寛平の世界一周を徹子が指摘 >