『おしゃれイズム』で大久保佳代子がみせた、瞬間的な破壊力
今回ツッコませていただくのは、1月30日放送分の『おしゃれイズム』(日本テレビ系)。「女芸人の恋愛スペシャル」ということで、シルク、大久保佳代子、アジアンの4名が出演。
この顔ぶれでの恋愛トークなので、シルクの27歳の年下新恋人ネタや、アジアン馬場園梓とチャンカワイの交際ネタが出てくるが、チャンカワイネタってそんなにお茶の間の需要があるのか? 結局「ほれてまうやろ~」でまとめる以上に膨らんだところをあまり見たことない気がする。その一方で、恋愛経験はないがルックスは最凶クラスのアジアン隅田美保は、おなじみの顔面いじり。そんな彼女がとっておきの一枚として出してきた写真は、なぜかテーマパークでのE.T.とのツーショット。「こちらが隅田さんですか?」とその写真を使ったやり取りでひと笑い。他にも「シルクの自宅美容法」やら、それぞれの自宅ショットなどを挟みながらのトークで構成されていた。
それにしても、なんでこの4人になったのだろう、といった感じの不思議な組み合わせである。「女芸人」ということ以外の共通点も特になさそうだし、日ごろの絡みもそれぞれなさそう(アジアンのコンビ間は別ですが)。複数の女芸人に一斉に声をかけ、集まってくれた3組4名といったランダム感がある。
「恋愛」というテーマのなかで異彩を放っていたのが、「大久保佳代子の休日」と銘打たれたドキュメンタリー風VTR。起床して自宅で昼間からマッコリを飲む。午後は、近所の散歩。日向ぼっこする猫をなでてみるが、逃げられる。公園で一人、ブランコの立ちこぎをする。ただただ言葉もなくブランコをこぐ、それだけ他愛のないことなのに、おかしみが漂う。そして、そのブランコの様子が、公園のベンチに座って談笑する数人のお年寄りと一緒に写り込むという絵面がまた、秀逸。
とどめは、公園の鯉を眺めて、癒されているのかな、と一瞬思わせながらぼそっとつぶやいた一言。
「気持ち悪いわぁ……」
まさかの悪態。この前日に放送された『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)でも、ただただカレーを食べるだけのことを、ものすごく汚く見せてくれるという、大久保さんならではの技で笑わせてくれた。もともと、OLと兼業だった時代にも、番組内での使われ方から「ピンポイント芸人」なんて呼ばれることもあった大久保さん。いまやテレビに出ずっぱりでも、どこか相変わらずピンポイント芸人なんだけど、その瞬間的な破壊力を自在に操れるようになってきているような気がする。かつて「光浦は笑えるブス、大久保は笑えないブス」と対比されていたのが嘘のようだ。
ところで、「推定年齢50歳」で、美容番長として活躍するシルクさん。テレビを見ていて時々思うのだが、杉本彩とか、叶恭子とか、ビューティを極めていく妙齢の女性が、時々どこか男に近づいている気がするのは自分だけだろうか。
(太田サトル)
シルク、キツかったわ~
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