カルチャー
映画『ティーンエイジ・パパラッチ』公開記念インタビュー

辛酸なめ子が17歳少年パパラッチに直撃! 「セレブにナンパされたことは?」

2011/02/04 11:45
映画ではチビっ子だったのに(以下参照)、今やイケメンのオースティン

 セレブブームが加熱するハリウッドで、13歳のパパラッチが暗躍……その逸材に目を付けた俳優のエイドリアン・グレニアーが監督として、金髪のカメラ少年に密着しドキュメンタリー映画を製作しました。その『ティーンエイジ・パパラッチ』がいよいよ2月5日から日本で公開することとなり、少し大人になった(でもまだ17歳)パパラッチ、オースティン・ヴィスケデイクが来日。その辺のセレブよりもよほどイケメンに成長した彼にインタビューを試みました。

――パパラッチというとイカつくて人相も悪そうなイメージがありますが、オースティンさんはどうやってそのルックスを保っているんですか?

オースティン・ヴィスケデイク(以下、オースティン) 彼女の存在がすごく助けになってるよ。ショッピングにも行くし、洋服もトレンドを抑えつつも自分から発信している。もちろん顔は毎晩洗って、ローションも使ってるしね。あとはパーティーでノリノリになりすぎないことかな。

――彼女はパパラッチの仕事でなかなか会えないと淋がったりしますか?

オースティン 基本的に彼女と付き合い始めてからは、75%ぐらいの時間を彼女と過ごしているので、パパラッチやほかのことで彼女が淋しがることはない。というか、怒る理由はないよね。

――最近パパラッチ業もあまりやっていないそうですが、彼女の方が大事?

オースティン そうだね。ストリートで撮影しているよりも、彼女といる方がハッピーだから。

――映画撮影後のこの3年間で変わったことは?

オースティン カメラの機材は数カ月に1度新作が出るぐらい、常に進化している。ピクセル数が上がったから、画像もシャープさが出るようになったんだ。ゴシップの媒体もウェブサイトが紙媒体を凌駕するようになった。でもギャラが1/10ぐらいになったんだよ。

――実際、一番稼いでた時は?

オースティン 月で一番稼いでいたのは、1万3,000ドル(当時の約130万円)、一番パパラッチをやっていた3年間は、年収にすると10万ドル(約1,000万円)ぐらいかな?

――それは中学生で?

オースティン 15~17歳の3年間だよ。

――たしか車も買われたんですよね?

オースティン レンジローバースポーツとBMWの2台を買ったよ。あとバイクもね。

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――じゃあ、将来は就職なんて考えなくてもいいですよね?

オースティン そうだね、基本的には考えてないよ。今までも上司がいたわけじゃないし、上司がいることに慣れていない。基本的に好きな時間に働くスタイルを変えたくはないんだ。ただ、カメラマンとしては活動していきたい。「VOGUE」の専属カメラマンぐらいを狙っているけどね。その場合はもちろんボスができるわけだけど、それなら今までのスタイルと引き換えにしてもいいな。

――映画では報道カメラマンには興味がないと言ってましたが、ファッション方面のカメラマンに興味が出てきたということ?

オースティン いやファッションにも興味はあるんだけど、今はフォトジャーナリストに興味を持ってるんだ。それこそ、戦場にだって行ってみたいぐらいだよ。

――日本では戦場カメラマンがタレントとして活躍していますが、ご存知ですか?

オースティン ……ごめんなさい、分からないです。

――映画を撮影している時は、パリス・ヒルトンが旬だったんですが、今は?

オースティン 僕がパパラッチは始めたころは本当にビッグスターで、パパラッチのターゲットにもなっていたけど、それは他人がやっていないことを彼女がやっていたし、タブロイドやゴシップで取り上げられるのも、決していい行いじゃなかったからだよね。今は彼女も大人になって、自分のキャリアに気持ちが向かっているんだと思う。だからパパラッチの関心も落ちたけど、道を歩いているときに彼女にサインを求める人の数は変わっていないと思う。

――今、ターゲットになっているセレブは?

オースティン アンジェリーナ・ジョリー、ブラッド・ピット、ジョニー・デップ、ミーガン・フォックス、ジャニファー・アニンストン、クリスチャン・スチュワート、ロバート・パティンソンあたりかな?

――パパラッチに対して感じの良いセレブと、感じ悪いセレブがいたら教えてください。

オースティン 感じが悪かったのは、アダム・サンドラー、エリカ・バドゥ、(コールドプレイの)クリス・マーティン。良かったのはドリュー・バリモア、リンジー・ローハン、ブリトニーとパリス。あとエイドリアン!

――エイドリアンとは今でも仲がいいですか?

オースティン うん、いいけど、撮影中ほどではないけどね。

――オースティンさん自身も映画によって”セレブ”になったわけですが、何か変わったことは?

言うことも大人になっちゃった!

オースティン もちろん、大人になって変わったと思うし、パパラッチに対する見方も変わったと思うよ。でもそれはネガティブな部分だけじゃなく、いい部分も。今までは「楽しい」という面ばかりだったけど、大人の考え方もできるようになったかもね。

――映画の中ではパパラッチ仲間の一人が、「パパラッチがセレブを育てている」という発言もありましたが、そういう思いを持っている?

オースティン それは間違いなくそうだと思う。パパラッチやパパラッチ文化というのは、セレブのステータスを位置づける存在。いわゆるAリスト、Bリスト、Cリストというのも、雑誌やウェブサイトでどのぐらいの露出があるか、どのぐらいの人がそのセレブの写真を見たがるかというところで計算されているからね。

――じゃあ、良心の呵責もなく写真を撮れるんですね。

オースティン そもそも、良心の呵責を感じたことはないよ。だって、人命を脅かしたこともないもん。

――ブリトニーとパパラッチが付き合ったことがありますが、オースティンさんみたいなイケメンだとセレブの方から付き合ってと言われたこともあるんじゃないですか?

オースティン うん、何度かはあるよ。ただ、アメリカでは未成年にそういう誘惑をするのは違法行為になってしまうので、名前は出せないんだ。

――じゃあ、家に誘われたことも?

オースティン 無言(笑顔)

――わかりました。ありがとうございました。
  
 会う前は、難しいインタビューになるだろうと緊張していました。映画の中でオースティンは有名になるにつれ生意気になり、約束を破ったりしていたし、まだ17歳なのに極東の日本で映画のプロモーションに駆り出され、機嫌も悪いに違いない、と……。しかし実際会ってみたら、目が合うと微笑んでくれるフレンドリーな人柄で、セレブにも気を遣った発言をしていて、良い青年に成長したと目頭が熱くなりました。その機嫌の良さの元になっているのは、出張に同行している超美少女の彼女です。インタビュー後、彼女から送られてきた「今ネイルサロンでキティのデコネイルをしたの」という写真を嬉しそうに見ていたオースティン少年(料金は彼持ち)。人生は仕事よりも愛が大切と教えてもらったようです。

『ティーンエイジ・パパラッチ』公式サイト2月5日より新宿バルト9他にて公開

辛酸なめ子(しんさん・なめこ)
1974年生まれ。東京生まれ埼玉育ち。漫画家・エッセイスト。セレブ、スピリチュアル、女磨きなどをテーマに独自のセンスで作品を発表。主な著書に『女修行』(インフォバーン)、『女の人生すごろく』(マガジンハウス)、『開運修行』(講談社)など多数。

『Celeb Mania』

最盛期のエドワード・ファーロングなみにカッコよかったです。


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最終更新:2011/03/13 17:37
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