問題児の痕跡もナシ? 『アメリカン・アイドル』で株を上げるS・タイラー
アメリカで視聴率ナンバーワンを誇るオーディション番組『アメリカン・アイドル』の最新シーズンの放送が、19日にスタートした。同番組は、これまでジェニファー・ハドソン、キャリー・アンダーウッド、アダム・ランバートら、多くの実力派歌手を輩出しており、今回も個性的なスターが誕生するのではないかと注目されている。しかし、それ以上に注目を集めているのが、今シーズンから新審査員として加わったジェニファー・ロペスとスティーヴン・タイラー。特に、「外見は派手な初老ロッカーだが、中身は熱い人情家」というスティーヴンのギャップがたまらないと絶賛されつつあるのだ。
『アメリカン・アイドル』は、歌手デビューを目指す若者(15~28歳)を対象にしたアイドル発掘番組。全米で開催されるオーディションには、毎シーズン、10万人前後が参加する(今シーズンからオンライン参加も可能に)。この1次予選を突破した数百人が、ハリウッドで数日に渡り開催される2次予選に進み、審査員により24人に絞り込まれる。全米に向けて放送されるセミ・ファイナルでトップ12が選出され、続けて行われるファイナルで優勝者が決定する。セミ・ファイナルからは、視聴者も電話投票することができるため、審査員と共に次世代のアイドルを決められるというコンセプトが受け、番組は大ヒットした。
年齢条件などをクリアしていれば、誰もがオーディションに参加できるため、『アメリカン・アイドル』には、様々なバックグランドの人間が集まる。中には想像を絶するような辛い経験をしてきた人も多く、番組は2次予選の様子を編集して放送する際、それを「美談」として紹介することが定番となっている。「美談」はある意味、番組の見所となっており、これまでも、母子家庭に育ちホームレスのような生活をしてきた女性、最愛の妻を突然心臓病で亡くした男性、辛い状況に経たされている若きシングルマザーなどが紹介されてきた。
米「TMZ」によると、今回放送が始まった『アメリカン・アイドル』シーズン10で、「美しく悲しい物語」として紹介されるのは、ミルウォーキー出身のクリス・メディナという27歳の男性。彼は、身体の不自由な婚約者ジュリアナ・ラモスを連れてオーディションに参加した。クリスとジュリアナは2年前に婚約し、結婚式の準備を着々と進めていたのだが、2009年10月にジュリアナが交通事故に巻き込まれるという悲劇に見舞われる。脳に大きな損傷を受けたジュリアナは、身体の大部分が麻痺するという重い後遺症に苦しめられている。
クリスとジュリアナは、莫大な医療費を支払わねばならず、結婚式を挙げる余裕がなくなってしまった。しかし、クリスのジュリアナに対する愛情は変わっておらず、結婚したいという気持ちは変わっていない。
番組関係者によると、審査員席のスティーヴンは、涙ぐみながらクリスの身の上話に聞き入っていたという。そして、突然席を立つとジュリアナに歩み寄り、ぎゅっと抱きしめキスをしたとのこと。スティーヴンは、感情をかなり抑えていたものの、強く心を揺さぶられたらしいと伝えられている。ちなみに、クリスはジュリアナに捧げる歌を披露し、力強い歌声が評価され見事トップ40に残った。
数多くの名曲を生み出してきた人気ロックバンド、エアロスミスのヴォーカルとして長年音楽界のトップに君臨してきたスティーヴンだが、問題多き人物と言われていた時期が非常に長い。27歳のときにグルーピーだった14歳の少女と同棲したり、薬物依存やアルコール中毒に苦しんだり、B型とC型肝炎のキャリアであることを告白したり、ここ数年はバンドのメンバーとのいざこざを起し、何度もタブロイドのヘッドラインを飾っている。
そんなスティーヴンが、アメリカの国民的番組である『アメリカン・アイドル』の審査員に抜擢されたことが発表された時、「本当に大丈夫なのか」「空気の読めない発言をしたり、見当違いなコメントを出すのではないか」と心配する声が一部で流れた。しかし、蓋を開けてみたら、想像以上に音楽の知識が深く、またハートの熱い人情家で、これ以上の適任者はないと賞賛する声が増えてきている。
いまや、音楽界のドン、指導者的存在に押し上げられている感のあるスティーヴン。4カ月半に渡り放送される『アメリカン・アイドル』で、エモーショナルな一面を見せつつ番組を盛り上げてくれるのことに、人々の期待が集まっている。
J. Loは香水のことしか考えてないしね!
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