霊感商法から幻の”結婚騒動”まで! 『さようなら 細木数子』に書かれた真実
「地獄に堕ちるわよ!」
このセリフ、覚えてますか? 毎年一冊出る六星占術本と、携帯サイトの住人と化してしまった細木数子女史の決めゼリフです。TVでその姿を見ない日がない全盛期の頃から、ファンとアンチが両極端だった細木数子。各メディアの批判記事のなかでも、訴訟沙汰にもなった「週刊現代」(講談社)誌上でのルポ連載「魔女の履歴書」が有名ですが、これに勝るとも劣らない過激な内容を引っ提げて出版されたのが、『さようなら 細木数子』(鹿砦社)。細木数子が予言した有名人の未来が、当たったか否かを事細かにひとつひとつ検証しているだけでなく、細木の生い立ちや恋愛・結婚遍歴、占い以外の事業、さらには細木数子のヌード写真まで(!)、細木のすべてが詰まっていると言っても過言ではない、充実の一冊です。
「もともとは、2005年に出した『細木数子 地獄への道』に、加筆修正したものなんだよ。これも当時かなり売れてね~。で、こっち(『さようなら 細木数子』)は、2010年の時点で、予言が当たったかハズレたかを新たに検証したのを加えたんですよ。あと、最初の本は、不敵な笑みを浮かべた細木数子が炎につつまれてるおどろおどろしいデザインだったんだけど、女性が手に取りやすくなるように、オシャレなバラの装丁に♪」
と、版元・鹿砦社社長の松岡利康さん。オシャレなバラのカバーに包まれた内容は、バラの花よろしくかなりトゲのある内容ですが、出版に至ったきっかけはやはり持ち込みだそう。
「細木数子は墓石や仏壇などの霊感商法で儲けていたみたいだけど、その被害者の人がめぐりめぐってウチに持ち込みに来たの。島倉千代子の借金問題や、”優秀な弟”をはじめとする怖~い血筋、幻の結婚騒動などあちこちでトラブルを起こしているから、被害者も多く、詳細な情報を得ることが出来たんだよ」
やはりこうした暴露本につきものなのは、出版にあたってのトラブルですが、冒頭で触れた「週刊現代」の「魔女の履歴書」の一件は訴訟に発展したわりに、鹿砦社の方は特に問題は起きなかったとのこと。
「裁判にもならなかったし、内容証明が届くこともなかったよ。あ、でも、旧版(『細木数子 地獄への道』)の方が出版される前に、細木数子が、本が出版されないようにヤクザに泣きついたらしいよ(笑)。結局、そんな噂があっただけで、ウチに直接何もしてこなかったよ。『魔女の履歴書』だって、『細木数子 地獄への道』を大分引用しているっていうのにね(笑)」
と笑う松岡さんですが、ヤクザとは穏やかではありません。
「とはいえ、本に載せてる写真を撮るのなんかは結構大変だったのよ。自宅とか、関西の細木事務所とか、細木が関わってたとされる宗教法人の建物なんかも載せてるけど、堂々とカメラで撮ることはできなくて、車の中からこっそり撮ったりね(苦笑)」
……ますます、細木側から直接の抗議がひとつもなかったのが不思議です。それについて松岡さんは、
「逆に、細木数子関連で被害に遭ったという人やアンチの人から、感謝の電話や手紙がたくさん来たよ! 人助けした気分(笑)。細木側から何も来なかったのは、やっぱり今までジャニーズや宝塚などの大物相手と裁判で徹底的に戦ってきたから、かな!? たとえ負けても、戦う姿勢を見せるって重要だねぇ~」
そして最後に、「まぁ、ジャニーズとの裁判当時はそんなこと考えてなかったけどさ。結果オーライだよね!」と笑いながら付け加えた松岡さん。新年早々、なんだか明るく、軽い気持ちになれました。あっぱれ!
(朝井麻由美)
松岡利康(まつおか・としやす)
1951年9月25日生まれ、熊本県出身。同志社大学文学部卒業後、貿易関係の仕事に従事。サラリーマン生活を経て、83年にエスエル出版会を設立、88 年に一時期経営危機に陥っていた鹿砦社を友好的買収、同社社長に就任。05年にパチスロメーカー大手のアルゼ(現ユニバーサルエンターテインメント)を取り上げた『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』、球団スカウトの死に迫った『阪神タイガースの闇』などの出版物について、名誉毀損で神戸地検に逮捕、起訴され、有罪判決を受ける。
1月6日に開設した「ジャニーズ研究会」が早くもファンの間で話題に!
知れば知る程、怖い人
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