YOU×小泉今日子の”自称サバサバ”女子より上手のアナウンサーは?
今回ツッコませていただくのは、1月3日に放送された『旅嬢ヂカラ』(テレビ東京系)。
出演はYOU、小泉今日子、マツコ・デラックス。だが、この「豪華な顔触れ」、特に前の二人の名前を見て、すぐに胸をよぎるのは、「宝島社のファッション誌」「オシャレ」「いつまでも女子(あるいは女子会、ガールズトーク)」「サバサバ」みたいな言葉の数々。顔触れだけでその自信たっぷりオーラ&自分大好きオーラにやられてしまいそうな不安を感じるのはなぜでしょうか。
YOUとキョンキョンはキャラも、ファン層も、相当かぶると思うのだけど、この手の「自称サバサバ」の女性はたいてい逆にドロッとしていて、業が深く、”女度”が非常に高い気がする。そんななか、「YOUの著書の対談でYOUと意気投合」と語られているマツコ・デラックスは、一体どんな会話をするのだろうか。
と思ったら、「すごく面倒くさがってるでしょ」と冒頭でYOUに聞かれ、「超めんどくさいと思ってる」と答えたマツコ、これは本音だったと思う。 女度の高い二人にのまれ、まるで借りてきた猫のようにおとなしいマツコ。求められている悪態も適度につきつつ、いつにも増して気を遣いまくっていた。気の毒だ。
自分のことを「一人っ子だから、友達できないの」「去勢もしてないんだもん、おじさんだよ」と隔絶のアピールをしてみても、女特有の「分かる分かる~」の見事な共感力で包みこまれてしまい、「(キョンキョンと男の好みの)タイプ似てるかも」と同調していた。ちなみに、この「私たち似てるかも」も、女同士にありがちな定番の「歩み寄り・共感フレーズ」だと思う。
しかも、「初体験の人力車」と紹介されると、昨年5月放送の『おしゃれイズム』(日本テレビ系)においてすでに人力車に乗るロケを経験済みにもかかわらず、「おおお~怖い怖い」と大げさなリアクションを披露していた。大人だ。
さらに、移動中の車内では、キョンキョンの曲を流しつつ、みんなでノリノリに歌う。すごい空気だ。その後、車内で顔をしかめて本気寝しちゃってるマツコに、極度の疲労を見た気がした。なんだか可哀想だ。しかも、寝ているマツコを傍らに見ながら、YOUが笑いながらこんなセリフを吐く。
「うちの息子が『マツコ連れてきて』って言うの。『友達がみんな見たいって言うから』って。見せもんじゃないっつーの(笑)。お金とろうかな、窓の外から見せて(笑)」
こういう人たちの「女だけの毒舌トーク」とかいうやつに、仕事とはいえ、付き合わなければいけないのは大変だ。本当に。
ところで、「キョンキョンがコーヒー飲んでるだけでCMみたい」とか、周りから散々持ちあげられつつも、照れるでもなく、謙遜するでもなく、「そう」と余裕たっぷりに微笑むキョンキョンはスゴイ。
でも、別の意味でスゴイのは、進行役の大橋未歩アナウンサーだった。女度の高い二人と、気遣い屋のマツコを案内する役でありながら、ただニコニコするだけ。キョンキョンが主演する、映画『毎日かあさん』の告知を棒読みでしつつ、「永瀬(正敏)さんとの共演はいかがでしたか」と指示されるままサラッと聞けるのは、よほどの心臓の強さだろう。自分を下にしてヨイショするでもなく、女同士の空気にのまれるわけでもないのは、女の園での経験を積んだ女子アナならではの戦闘力・賢さだと思う。
「女子会とかガールズトークとかって、なんだか苦手」という女性は、この番組を見たら、間違いなく恐怖症になってしまうことだろう。胸やけするほど女子の空気ムンムンの番組でした。
(田幸和歌子)
自称サバサバ女に言ってやりたい
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