リッキー・マーティンの最新MVに「ゲイであることを意識しすぎ!」の声
昨年3月、突然ゲイであることをカミングアウトした、プエルトリコ出身の人気歌手リッキー・マーティン。11月に受けたインタビューで自分がゲイであることを赤裸々に語り、自伝書『Me』を出版、12月には、「母国プエルトリコでの同性結婚が認められるよう願っている」と発言するなど、今やオープンなゲイとして認知されつつある。そんなリッキーが、カミングアウト後初となるミュージック・ビデオが公開された。
1月11日にミュージック・ビデオが解禁となったリッキーの「The Best Thing About Me Is You」は、アメリカで2月1日にリリースされる最新アルバム『Music + Soul + Sex』のリードシングル。同アルバムは英語バージョンとスペイン語バージョンが制作されたバイリンガル・アルバムとなっており、日本でも2月23日に発売される。
リッキーは、08年に代理母から生まれた双子の男の子のシングルファーザーとして長い育児休暇をとっていたため、『Music + Soul + Sex』は久々のスタジオアルバムとなる。「自分は幸せな同性愛者であると、誇りを持っている」とカミングアウトした後に制作され、バラードが多いことから、全体的にゲイであることを意識したアルバムになるのではないかと関心が集まっている。
そんな中でリリースされた「The Best Thing About Me Is You」ミュージック・ビデオの冒頭で、リッキーは上半身裸になり口に「YOU=ME」と書かれた布を巻いた衝撃的な姿で登場。重低音が流れる中、リッキーの声で「ラブ(愛)、イクオリティ(平等)、インジャスティス(不公平)、イノセンス(無実・純粋)、マリス(敵意)、レフュジー(難民)、オプレッション(抑圧)」と意味深い単語が読み上げられていく。リッキーは、「フリーダム(自由)」の下りで布を引きちぎり、苦しそうに耳をふさぐ。そして「ユー、ミー、アー・イコール(君と僕は平等だ)」という言葉に続き、曲がスタートする。
重苦しい出だしとは一転、「The Best Thing About Me Is You」は軽快なリズムの曲調。リッキーも筋肉質な身体にぴったりとフィットしたシャツを着て、指を鳴らしてリズムをとり、「自分の気持ちに素直になろう」「賭けに出たっていいじゃないか」「人生は短いのだからやりたいことをやろう」「僕の何がいいのかって? 君と一緒にいることさ!」と、ダイナミックに歌い上げている。
ミュージック・ビデオには、ゲイやレズビアンのカップル、年の差カップルや人種・民族の異なるカップルたちが寄り添うショット、子どもや難民という設定らしい妊婦の姿がランダムに登場。リッキーが彼らに混じって歌うシーンもあり、どんな人も同じ人間なんだというメッセージが伝わってくる。最後は皆一緒にワイワイ歌い、見る者をとても幸せな気分にさせてくれる。
ゲイであることに誇りを持ち生き生きと活動をしている、今のリッキーらしい作品に仕上がっている「The Best Thing About Me Is You」だが、一部のタブロイドは「ゲイであることを意識し過ぎている」「これからこの路線になるのか」と意地悪く伝えられている。
長年ゲイ疑惑をかけられていたリッキーは、カミングアウトした理由について「隠している自分が嫌いで仕方なかったから」「隠すのは子どもたちのためにも悪いことだと思うようになったから」と説明。彼のカミングアウトを、多くのメディアは「やっぱり」と伝えたが、セックスシンボルであったラテン音楽界の大スターが「同性愛者だ」と認めたのは、とてつもなく勇気ある行動だったといえよう。
今後、『Music + Soul + Sex』のプロモーションでメディアに登場する機会が増えるであろうリッキーが、どのようなメッセージを発していくのか、また、ゲイであることを強く出してくるのかどうか。その言動が注目されている。
郷ひろみは……違うよね?
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