憧れの「女優メイク」をどう活用すれば、”美人”になれるのか?
最近、美容雑誌の特集などでよく目にするのが「女優の○○さん風メイクに変身」などの人気女優にメイクで近づく企画だ。女子の願望をくすぐること請け合いの特集といえるが、多くの人は気付いているだろうが、件の企画はもともと対象者に似ている骨格、パーツのモデルが選ばれており、ヘアスタイルというマジックも含んでいる。本当にメイクだけで「なりたい女優顔」になれるのかを検証していきたい。
■まずは自分を正確に客観視してみよう!
自分の顔を客観的に見ることは、実はとても難しい。鏡を見るときも「なりたい自分」を意識し、見たい角度で、微妙に表情を作って顔を見ていることが多いからだ。電車の窓にふと写った自分の顔や、撮られることに気付かずにビデオに写っていた時の自分が、他人から見たリアルな自分であると思ったほうが良い。
プリクラが流行りだした頃から、自分がどうやったかわいく写るのかについてライティングや角度、視線を研究している女子も増えた。確かに写真写りは、良いにこしたことはないが、当人と全然違う顔が写るほどの仕上がりになってしまったら、写真を撮る意味が分からなくなってくる。
自分の顔を客観視しなければ本来できない芸当であるが、その出発点がマイナスからはじまっている気がする。自分の顔の中の「ここがこうなればな……」と同じくらいに、「ここがイケてる!」というポイントを発見して、それを引き立てるメイクを考えて欲しい。
■何が「好き」なのかを分析するべき
芸能人に似た顔をつくるコツは、自分の骨格、髪の色、肌の色、瞳の色、肌質、パーツの位置、雰囲気などを冷静に見極めることだ。ただし、それは基本的な部分の方向性が同じような場合だ。全くかけ離れているベースを持っている人が、雑誌に載っているメイクをそのまま真似したからといって似た顔になれるかというと難しい。
自分が好きな女優さんやアイドルがいたら、なぜ好きなのかを分析してほしい。「かわいい」のか「セクシー」なのか「小悪魔系」だからなのか。ただ単純に目を大きく見せたい、というのでは分析が弱い。
例えば、おっとりした性格の子が外見が好きだからといって「土屋アンナ風メイク」を自分のものとして使いこなせるのか。似た感じになりたかったらベースが近いことはもちろん、その女性がどのような生き方をしているのかにも目を向けよう。結局、美しさとは内面から光り輝くものだから。
「なぜ自分が気になるあの人は美しいのか」を追求することは、自分の新たな美しさの鍵が隠されている可能性がある。ぜひ、掘り下げて考えてみて欲しい。
■オリジナルの美しさを創る心意気をもとう!
美しくなるために、誰かを参考にすることも大切だが、自分が本来持っている美しさ、魅力にも目を向けて欲しいと思う。「憧れ」は自分自身のもっている美しさと混ざることで、今までの自分とちょっと違った美しさへと進化していくのである。
自分自身を客観視するのに、重要なのが骨格だ。頬骨の高さや、目の上の骨の出具合、あごの骨の形、エラの張り具合などを見てほしい。目元や唇は、付けマツゲをつけたり、リップのアウトラインをかなり大きく書くことも可能だが、骨格ばかりは視覚でごまかすのには限界がある。なりたいイメージに近づけるには、その本来持っている骨格を活かしてメイクをしていく必要がある。メイクを始める前にまずチェックを。
自分自身の客観視が苦手だという方は、百貨店の美容部員さんにメイクをしてもらって欲しい。ポイントは同じキーワード「セクシーに」「可愛い感じ」や「女優さんでいうと○○さんな感じ」と複数のメーカーの美容部員さんに、同じオーダーをして自分の顔でそのイメージを実体験してみると、自分の顔となりたい顔の融合地点が見えてくる。
いたずらに秋冬の新色が発売されたからといって飛びついて買うというのではなく、自分のなりたい顔のエッセンスを加えられるアイテムを購入しよう。明日から、ちょっと違った自分に出会えるかもしれない。それが「女優風メイク」特集のベストな活用法なのである。
恩田雅世(おんだ・まさよ)
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。
■公式ホームページ「オンダメディア」
私は「あき竹城」顔になりたい♪
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