暴走する妄想に唖然…「MORE」イチオシの”ツクメンまめ男くん”の正体とは?
30歳前後のOLをターゲット(実際の読者はもっと上との噂も)に、混迷する女性誌業界の中でも常に安定した部数を稼いでいる「MORE」。地味目なファッションに身を包み、忍び寄る初期老化の波に怯えながらも、実は虎視眈々とブレイクを目論む……そんなアラサー女性の揺れ動く気持ちを常に代弁しています。その一方で「上手ちゃん」といった特異なキャラクターを入れてくる「MORE」ですが、今月は「上手ちゃん」のオトコ版とも言うべき”絶対彼氏”をぶち込んできたようです。一番現実を理解していそうで、一番現実から遠ざかった発言をするオンナ(独身に限る)が真っ先に喰いつきそうなネタですよ!
<トピックス>
◎おしゃプロ50人の「リアル冬コーデ」を即マネ!
◎これぞ最強!MOREコスメ大賞グランプリ
◎2011恋せよ乙女
■ニノと樹里に見る、恐るべき自己演出力
嵐・二宮和也の連載「It」も今回で26回目。サイ女としては、ジャニーズネタは拾っていきたいところですが、なんせこの「It」というインタビュー記事が毎号過剰な自己演出に彩られており、正直おっかなくって手がつけられませんでした。どうおっかないかと申しますと、
「13歳でジャニーズに入って以来、メイクってほとんどしてないなぁ。(中略)なんでも”作り込む”のが好きじゃないんだろうね」
―アイドルという職につきながらも、ニノには「カッコよく映りたい」という意識がない。
「そもそも、オレってカッコよくないから。(中略)ただ、”程度のいい顔だね”とはよく言われる」
―容姿は自分にしかない個性。だけど、それがすべてでもないとも言う。
と言ったやり取りがずっと続くのです。禅問答です。プロジェクトXです。そして最後にインタビュアーが、
―ニノと話していると、仕事も恋も心身もすべて、「変わらないものはない」ことに繰り返し気づかされる。
という訳で、林真理子先生の連載よりも鈴木えみのふて腐れ顔よりもデンジャラスなニノの連載ですが、今月はそれを凌ぐ危険なインタビューがありました。表紙に登場した上野樹里の「ありのままの私、進化する私」です。ここからは体調が万全な方のみご覧ください。
『のだめ』で全てを出し切った後は、新しい役を演じるのに不安があったという彼女。
「それでも、出演を決めた理由は、役者以外に生きる道がないから……(中略)シンプルに『私は今から役者以外に何するの? 何かできるの?』ってことなんです」
10代の頃はSPEEDのような歌手を目指していたというのも意外ですが、そんな彼女が役者になったのは、
「偶然、流れ着いた場所が”ここ”だっただけですけど、でも、今ではこの仕事がやりたいことになっていますから」
役作りに没頭するあまりストレスを抱えた彼女は、偶然訪れたマウイ島で不思議な体験をする。
「現地で観た伝統のルアウ・ショー。(中略)ショーで踊っている黒髪の女性の優しい笑顔をみていると、なぜか『生き方を改めなさい』と言われているような気がしたんですね。すると自然に涙がポロポロこぼれてきて……」
ふくらはぎ丈のベージュのスカートに、同系色のカーデガンをはおり、重信房子ばりのセンターパーツで語る上野樹里。24歳にして余りにも多くの命題を背負ってしまった上野樹里。”ありのまま”を追求すればするほど、友近のネタっぽくなってしまうなんて……世の中って不条理。私もマウイに行って生き方を改めた方がいいかもしれません。
■ツクメンまめ男くんはいないから!
先月から林真理子先生の連載がスタートしたりと、11年のMOREは「恋愛押し」の予感。今月は「恋せよ乙女」と題して、結婚、失恋、理想のオトコをさまざまな角度から掘り下げています。
まずは結婚。MOREがおススメするのはズバリ「スピ婚」です。スピといってもマウイで「結婚しなさい」とのお告げを受けるとか、そういう類のものではありませんよ(樹里ちゃん、ひっぱってメンゴ!)。出会って1年で結婚する「スピード婚」のことです。春に出会い、夏にプロポーズ&両親に挨拶、秋に指輪購入で、冬ゴールイン! なんて合理的なんでしょう。要するに「今彼氏がいなくても来年には結婚できちゃうよ」というシングル応援企画です。
スピ婚できる鉄板3ステップは、「1.まずは男友だちをつくる、2.相手に求める三つの条件を決める、3.弱点、自分のダメなところを見せる」だそう。男が見たらドン引きしそうな内容ですね。スピ婚成功者に聞く秘訣もまた強烈で、「つきあう前に結婚する気があるのか尋問した」「自分のブログを彼氏に教え、私について説明する手間を省いた」「子どもができた………かも!? と彼にウソをつき、結婚を意識させた」など、手口が巧妙かつ強引。餌と罠で獲物を確保しておきながら、「スピード結婚するとマリッジブルーになりやすい」「わかる! 焦り過ぎたかも? と不安になることが入籍直前まで何度もあったな」とまさかの悩める乙女オチ! 大丈夫、そのしたたかさがあれば、どこでもサバイブできますよ。
そして、そのしたたかさが結実した形が「恋をするなら、絶対”ツクメンまめ男くん(はあと)”」です。「やさしく女子に”尽くして”くれ、細かい気配りから”マメ”な行動ができる、ナイスな”メンズ”」のことで、芸能人で言うなら「瑛太、向井理、水嶋ヒロ」……(無言)。「(ツクメンまめ男くんって)言葉は少しお笑いっぽいけど」って、言葉だけじゃないよ、全部お笑いだよ!! 11年、MORE娘たちの手から、婚期という名の砂金がぽろぽろこぼれ落ちるのが見えます……。
購入時は「いつもより薄いなぁ。仕方ないか年末だし」と高を括っていましたが、フタを開けてみたら、「MORE」特有のじっとりした情念(誉め言葉)がボディブローのように効いてきて、レビューも通常より厚めになりました。地味で策士の真骨頂である読み物ページの充実はさすがです。真冬の脇汗のように、エキス濃い目なじっとり感を、来年も期待してます!
(西澤千央)
2011年は目を覚まそっ♪
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