子役枠、マツコ枠、戦場カメラマン枠を目指す候補生の行方は?
今回ツッコませていただくのは、12月18日に放送された、『スター☆ドラフト会議』(日本テレビ系)という番組。
番組名でまず、かつて『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で有吉弘行持ち込み企画として放送された「芸人ドラフト会議」の回を思い出した。こちらは、出演者が自分がトークバラエティーのMC番組をやるとしたら誰を出演させたいか、というのをプロ野球のドラフト会議風に指名していくというもので、かなり面白かった。
そして今回の『スター~』、出演者の中に有吉がいるじゃないか。ただし、メインMCは、くりぃむしちゅ~で、有吉はイチ出演者。さてこの番組、どんな「ドラフト会議」なのかというとまず、子役の芦田愛菜、マツコ・デラックス、戦場カメラマン渡部陽一の顔が映し出され、「ここ数年、様々な分野から生まれる新たなスターたち 彼らに続くNEWスターが今、この番組から生まれる!?」(番組ナレーションより)ということらしい。スタジオにはナベプロや太田プロなどの芸能事務所や、日本テレビ系の『イッテQ』、『志村どうぶつ園』、『笑点』などの人気番組、雑誌「Tarzan」(マガジンハウス)「S Cawaii!!」(主婦の友社)などの代表者たちが座っていて、気に入った出演者がいたら、その媒体名が書かれたプラカードを掲げるというもの。一応、希望の媒体を挙げる逆指名的なくだりはあるのだが、「ドラフト会議」というよりも、どっちかというと、『スター誕生!』。そして、本人も不思議がっていたが、なぜか”マツコ・デラックス”という枠があって、マツコ本人もその関係者側に座っていたりする。マツコ個人が「アリ」なら採用してもいいということだが、マツコなら面白くしてくれるだろうという丸投げ感があるのは、ご愛嬌でしょうか。
で、「スター候補生」として紹介されたのは、結局のところ、「芦田愛菜の後釜的天才子役」、「マツコの後釜的オネエ祈祷師」「戦場カメラマンの後釜的カメラマン」「西川史子の後釜的美人看護師」と、本当に2010年の人気者の後釜発掘以上でも以下でもない感じだった。最後のポスト西川史子は若干こじつけ臭いが。
確かに、マツコや戦場カメラマンに続くおいしいキャラクターをぜひとも発掘したいという思いは分かる。また、売れっ子が忙しすぎてキャスティングできないときに、似たテイストの「使える」人で埋めたいという事情も分かる。だからって、その第2候補、第3候補が本当に2011年に活躍するという保障はない。マツコ→ミッツ・マングローブみたいなキレイなハマリ方なかなかできるものではない。いくら渡部陽一が面白くても、キャラの濃いカメラマンを他にもっと見たいわけではない。でもまあ、実際戦力になるかどうか分からないけど、獲得するというところはドラフト的ではある。
どうせ「ドラフト会議」をうたうなら、複数指名された人はクジ引きをするなどしたらよかったのに。または、江川事件やKK(清原・桑田)騒動を彷彿とさせる的な演出(小芝居)を盛り込むとか。ドラフトであることにこだわりすぎですか。
一応指名した意義はあったということで、12月23日放送の日テレ『PON!』に、この番組で採用された子役の子が、早速出演していた。2011年、この「選択希望選手」の方々が活躍するといいですね。
(太田サトル)
子役枠が一番狙いやすいかな~
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