作家批判のタブーを破り、水嶋ヒロをバッシングするメディアの本心
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
第58回(12/16~12/21発売号より)
早いもので、すっかり年の瀬。女性週刊誌も「自身」「週女」は今年最後の発売号である。今年の芸能界の締めを飾るのはやはり市川海老蔵。結婚、そして暴行事件と続いた1年だったが、話題は年越しをする模様。まだまだ目が離せません。
1位「水嶋ヒロ 絢香 バリ島極秘挙式の裏の四面楚歌」(「女性セブン」1月1日号)
2位「マツコ・デラックス 紅白落選 美川憲一感涙させた”二丁目”忘年会」(「女性自身」1月4日・11日合併号)
3位「小林麻央 深夜の”家族会議”で決意の宣言 『私が孝俊さんを救います!』」(「女性自身」1月4日・11日合併号)
12月15日、遂に水嶋ヒロの処女作が発売された。発売直後重版で、計68万部。推定印税1億円! それでもって、小説を酷評する声が方々から上がっている。ネットはもちろん、活字系メディアからも同様だ。だが、知り合いの文芸評論家は読後の感想をこう評していた。
「下手だけど、思っていたよりはいいかも。前半はつたないけど、後半はわりといい。望むなら編集者がしっかりついて、もっと推敲したら、今後にも繋がる」
「本屋に人が集まることは、同じ出版人として嬉しいことだ」
「ネットでも文学の衰退なんて匿名で書かれているけど、そもそもお前(匿名氏)はどんな文学に接してきたんだ!」
だが、メディアの水嶋バッシングは止まらない。「セブン」でも散々だ。10月、水嶋夫妻がバリ島で極秘結婚をしたことを報じているが、そこに散りばめられたエピソードはかなり意地悪なものばかり。
「両家の親族、特に水嶋の父親は結婚に大反対」「事務所に内緒での結婚はルール違反で、スタッフは皆激怒」「絢香の恩人で自殺した吉田敬(ワーナーミュージック・ジャパン社長)も、一連の騒動で心を痛めていた」などなど。やっぱり、芸能事務所を辞めて後ろ盾がないと、芸能人って書かれ放題になるんだな。芸能界の掟、力関係は恐ろしい。
それにしてもメディア界において、作家批判はタブーだったはず。いずれは自社でも作品を出して欲しい、という下心があるから。金の成る木だから。ということは、水嶋は多くの出版社から作家として認められていないのか。それともポプラ社は、賞を受賞すると専属契約する規定になってるから、最初から諦めて批判に走るのか。出版界の力学も恐ろしい。
今年の紅白で、驚いたけど納得したのが美川憲一の落選だ。十年一日のごとく(実際は20年も!)「さそり座の女」じゃね。他の歌手に示しがつかない。そんな”傷心”の美川を囲む忘年会が開かれたという。
出席者は今年大ブレイクのマツコ・デラックス、ミッツ・マングローブ、料理評論家のマロン、作家の中村うさぎなど12人ほど。場所も濃ければ、メンツも濃い。底なしに飲みながらの宴会は5時間にも及んだそうだ。こんな面白い忘年会をキャッチしただけで、「自身」は偉い!
そして肝心の美川といえば「吹っ切れて」いたらしい。紅白落選についても、前向きだから悔しい気持ちはなく、衣装も作ってないからなんの支障もないのだとか。
それにしても、彼(女)らの関係は不思議だ。先日、マツコは「おすぎとピーコ」と一緒に仲良く映画イベントに出ていた。そして今度は美川とも仲良しだと分かった。はるな愛とも仲良しらしい。マツコって意外と社交的で友好的! 本当はいい人!? 売れるためには、いろいろ演出も必要だものね。
まだまだ海老蔵だ。謹慎のため自宅に引きこもっているといわれる海老蔵が夫婦揃って外出した。マスコミを警戒しながら。どこに行く!?
行き先は近所の父・團十郎の家。他にも法曹関係者らしき人物も合流しての家族会議が行われたらしい。姑との確執も囁かれる中、嫁の麻央が「私が夫を救う」と決意したというのがこの記事だ。
この記事には、退院後初の海老蔵夫妻の”ツーショット写真”が押さえられている。それが3位にした理由だ。
黒いニット帽に黒コート、黒ずくめの海老蔵に、マスク姿の麻央のツーショット写真がバッチリなのだ。入院中の姿より、なんだか痛々しい感じがする。
海老蔵事件勃発から3週間が経ち、女性週刊誌の視点は、もはや事件そのものにはないように見える。その興味は「麻央が梨園の妻として失格か否か」、そして「嫁・姑問題はいかに」の2点に絞られた感がある。3位の「自身」の記事も全くその視点である。男性週刊誌とは別の視点で勝負! それはそれでいいとは思うけど。
わてら、文学語る程、脳みそないもんで。
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