ミッキーマウス型ぶり大根に見る、「I LOVE mama」の食文化
先日「日本ギャルママ協会(JGMA)」のサイトにおいて、あらためてギャルママの定義を勉強させていただきましたのでご紹介いたします。『ギャルママ協会の定義(JGMA協会規約より)1.年齢に制限はない、2.見た目がギャルである、3.子供がいる、4.今時のファッションを取り入れるのが敏感(原文ママ)である、5.世の中のトレンド(流行)に敏感である』だそうです。ハードル低いようで高いです。さらに注として「ギャルとは若い女性を意味するガールが訛った語で、日本では活発な若い女性やピチピチした若い女性、今時の女性を意味する語」とギャルの説明まで。ピチピチって……この規約、おじさんが作ってます? しかし、ギャルママと昭和の言語センスの親和性は「I LOVE mama」が証明済みだから、あながちそうとも言い切れないか。話はそれましたが、そんなピチピチピーチなママたちの2010年総決算を拝見させていただきます。
<トピックス>
◎2289人の美ママが選ぶ!ランキング天国!!
◎年末年始のアゲ盛り&キチンと盛りヘア!!
◎ヤセる大掃除バレエ劇場
■ラブママたちの生態調査
2010年のラブママ界の流行りものが分かる、ランキング天国です。「全国の美ママのみなさま、2010年も”おつ”でした!! 2011年もよろしくねっ(はあと)というわけで」って、流れが強引~。でもこれを見ればラブママたちの生態を一通り把握できそうなので、ラブママビギナーにはありがたい企画です。
ファッション、メイクから、よく使った生活用品まで今年のヘビロテを紹介しています。2010年秋冬は「先端盛り」がトレンド。足元や頭やお尻などをファーで覆うことを意味する「先端盛り」。ロシア人のようなファーハットに、またぎのようなファーブーツ、お尻にはしっぽをオン。
メイク部門は特に詳細にランク付けしています。女性誌にはあまり登場しないアイテムといえば、下つけま、カラコン、つけまノリあたりでしょうか。カラコンは「ママモが口を揃えて”キャンマジ”が一番盛れる!って言うんだから、間違いない」というキャンディーマジックキングブラウンが堂々の第一位。
生活部門ランキングも赤裸々です。生理用ナプキンの第一位が「ソフィ」(ユニチャーム)。美ママたちは超熟睡ガードがお気に入りとか。掃除機ランキングの3位に「コロコロ」が入っているのもラブママ的です。「掃除機をかけるほど部屋が広くない」「100均で買える」という理由も泣かせます。
バラエティー部門で気になったのは、好きな男性芸能人第一位の佐藤健。これはちょっと意外でした。もっとEXILE的なヒゲがお好みではと思ったら、浮気したい芸能人の3位にTAKAHIROが。「”日本にあんなイケメンがいることを誇らしく思う”など国宝扱いのEXILE」という部分は、少々賛成し兼ねます。他にJOY、小栗旬、つるの剛士などがランクインする中、一人も見当たらないのがジャニーズ勢。国を挙げて「ア・ラ・シ! ア・ラ・シ!」と浮かれる中、ラブママたちの冷静な反応は実に興味深いです。ギャルママとジャニーズの食い合わせに関しては、来年のテーマとして熟考したいと思います。
■食について考えさせられます
つけまや不幸話に押されて、レビューではあまり取り上げていなかったギャルママたちの”食”。「I LOVE mama」では毎号何らかの形でママたちの食生活が掲載されています。今月は「200%盛れる(はあと)あけおめレシピ」。マイメロ手巻きずしやさつまげの羽子板、かまぼこの門松など、ハサミや抜き型をフル活用して出来上がるのが「うさちゃんおせち」。かわいい~、だけどもはや食べ物じゃな~い。ラブママで紹介される料理って、どうも食欲をそそらないんですよね。コーンをまぶしたたんぽぽシュウマイも、スープの素でチーズフォンデューも、カラフルで楽しそうなのに。ママたちの料理には根本的な”飯っぽさ”が欠けているのではないでしょうか。白飯食いたくなるあの感じです。
前述のランキング天国で、ママたちのよく使う調味料第1位が味の素、それにケチャップ、マヨネーズが続きますが、ここに醬油が入っていないのが何となく納得です。たこさんウィンナーのケチャップ煮じゃ、白飯食べられません。詐欺ってナンボのデカ目メイクが信条のママだからこそ、食べて美味しいより見て楽しいを優先するのかもしれません。でも、それにしたって「お正月といえばコレ♪我が家のハレの日レシピ」に紹介されていた、「ミッキーマウス型のぶり大根」はファンキー過ぎます。薄茶色の大根ミッキーがブリにまみれている様は、カワイイを通り越してシュールです!
「ママたちがよく使う調味料ランキング」1位が味の素だったことに普通に驚いていましたが、ラブママでは「mamaごはん」というイベント(supported byAJINOMOTO)やっていたんですよね。「I LOVE mama」は数ある女性誌の中でもかなり巧妙にトラップをしかけてくるから、うっかり気が抜けません。来年はどんな名言や個性派モデルが飛び出すのでしょうか。ギャル=ピチピチした女性(JGMAより)をとっくに過ぎた女に、更なる刺激をよろしくです。
(西澤千央)
『お願いランキング』の美食アカデミーの人は目ん玉ひんむいて怒りそう
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