水嶋ヒロ流の寄付? 集中豪雨の被災地に届いたポプラ社の本3,044冊
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
第57回(12/9~12/14発売号より)
先週、海老蔵事件の現場となったビルに取材に行った。問題のお店はクローズしてたので、他階のバーだ。もちろんその店も会員制だから、会員の知り合いに連れて行ってもらった。新宿中心の生活をしている私にとって、未知との遭遇であった。
1位「水嶋ヒロ 500万円寄付は『ありがた迷惑』」(「週刊女性」1月1日号)
2位「『波長の法則が事件を呼んだ――』江原啓之さん”オーラ”の再提言!」(「女性自身」12月28日号)
3位「『京料理』名料亭に”反省なき”電話……『病室に弁当3つ、至急な!』」(「女性自身」12月28日号)
水嶋ヒロの”小説”ネタは、どうしても気になってしまう。出版前から予約が40万部突破。出版不況の中、信じられない数字だ。しかも出版前から、雑誌「SWITCH」(スイッチ・パブリッシング)のデジタルコンテンツで、”作家”としてインタビューにも応じている。
さらに驚いたのが12月12日に放映された『ボクらの時代』(フジテレビ系)だ。売れっ子作家の宮部みゆき、大御所作家の五木寛之、そして大物ハードボイルド作家の北方謙三の3者の鼎談番組だったが、ここでも水嶋ヒロの話題が取り上げられていたのだから。
「我々が選考委員を務める文芸賞に、応募してくれれば」だって(苦笑)。大物作家たちの余裕のリアクションでもあった。
とはいえ、版元のポプラ社の戦略は大成功である。それでもって賞金2,000万円を辞退した水嶋が、辞退したはずの賞金のうち、500万円をなぜか大雨被害の奄美大島へ寄付したことも話題になっている。そこに突っ込みを入れたのが「週女」。
水嶋が寄付したのかとの質問に、ポプラ社広報は「知らない」。寄付担当者は「いない」との木で鼻を括ったような”迷回答”を引き出しただけでも面白い。
さらに奄美大島にも直撃。段ボール85箱3,044冊もの本が、何の連絡もなく贈られてきたこと、全てがポプラ社の本だったこと、電話も道路も復旧途中で(奄美大島は)本どころではないことなど、宣伝に使われて「ありがた迷惑」であることをレポートしているのだ。望んでもいないものを自己チューで寄付し、アピールする。奄美大島のことなど考えていないことは、”全てポプラ社の本”というところに如実に現れていると思う。どこぞの国の政府開発援助(ODA)とそっくりな構図だ。
化けの皮剥がれたり――でも、こんな話題を本欄で取り上げるのも、奴らの戦略に嵌まってしまっているのかもしれないが。だから『KAGEROU』は買わない。でも読まないと批評もできないから、誰かに借りて読むつもりだ。
この1週間は海老蔵の記者会見、暴行の容疑者の出頭と、大きな展開があった海老蔵暴行事件。各スポーツ紙、週刊誌もこれを大きく扱う中、どうしても”事件や背後関係”への取材力が劣って見えてしまうのが女性週刊誌だ。
そんな中、決して”本道”とは言えないが、女性週刊誌ならではのカウンター企画を掲載しているのが「自身」だ。事件を「スピリチュアル」と「江原啓之」で読み解く――女性読者の好みを熟知する、女性週刊誌ならではの目の付け所、さすがである。
スピリチュアル・カウンセラーとして名高い江原は、2年前放映された『オーラの泉』(テレビ朝日系)に海老蔵が出演した際、「舞台以外のことで事故・ケガに注意」と警告したという。確かに、今回の事件を暗示している言葉である。
さらに「自身」は海老蔵事件について江原にインタビュー、「本人が変わるしか道はない」「類は友を呼ぶ」と断酒を提言させ、「意識を切り替えて、さらなる努力を」と語らせているのだ。って、誰でも思ってることだけど。しかし江原の口から出た言葉だからこそ、ありがたい。まともなジャーナリズムでは、できない切り口だ。女性週刊誌のすごさを感じた。
もう一発、「自身」の海老蔵記事を取り上げたい。入院3日目の海老蔵に、有名料亭から弁当が届けられた。海老蔵本人からの注文だった。だが、料亭は定休日で仕出しはやっていない。一度は断ったが、海老蔵は料亭を恫喝し、弁当3つを宅配させた。こちらは、どこにも書かれていない”独占記事”だ。しかも海老蔵の発言は生々しい。
「病室に弁当3つ、至急な!」
「俺を誰だと思ってるんだ!」
海老蔵が「いかにもやりそうな」言動だ。だからこそ、なんだか嘘くさい。今、海老蔵ネタは書き放題だ。メディアスクラム的様相も呈している。被害者・加害者の情報合戦も未だ盛んだ。機会を見て、検証したい。
在庫処理だよね?
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