「500gのステンレスバーベル」で濡れる!? 「an・an」のオーガズム特集
主演映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』の公開に合わせ、近年まれに見る木村拓哉祭りを開催中のマスコミ業界。もちろん、ジャニーズお膝元雑誌「an・an」(マガジンハウス)にもキムタクが登場です。表紙にキムタク、そしてセックス特集という合わせ技は、10年前から変わらぬ伝統芸。鉄板の配合ですね。それでは、今号の中身を見ていきましょう。
<トピックス>
◎オンナの快感大研究
◎最高のオーガズムを得るレッスン
◎わたしのハッピーランジェリー
■セックス以外の快感って?
「女の快感大研究」なんていう特集名から、さぞやピンクな企画が……とむふふな気持ちで誌面を見るも、思わぬ肩透かしをくらいました。女性ホルモンを活性化させる方法、読者が快感を感じる瞬間、言われて気持ち良かったフレーズ、など「セックス」関連企画は見当たりませんでした。快感=セックス、なんて浅はかな思考を働かせた自分、反省! でも、それより気になったのがトビラページで西野カナがオンナの快感について語っていること。「私は本能を信じる人間。自分を一番信じています。洋服も、食べ物も、恋愛も、感じる方を選んできました」だとか「アーティストとしての西野カナとプライベートの西野カナのふたり分。やりたいことがいっぱいで時間が足りないもの」という具合に、それと快感にどういう相関性が? というぼんやりとした言葉ばかりで、彼女の起用意図がまったく分からない内容になっていました。
■キムタクにZOKKON命
キムタクの登場ページを見てみましょう。インタビューを読むと、ついあのキムタク節に心が釘付けになってしまうんですが、今回はそんな節も霞むほどインタビュアーのテンションが以上に高い。一部を抜粋してみてもこのテンションです。
「いつも、いつまでも見ていたい絶対的ヒーロー・木村拓哉さん」
「地球存亡の危機が訪れたら木村さんが救ってくれるのでは!? そんな気すら抱かせる、活き活きとしたヒーローです!」
「イスカンダルを目指す男を演じられるのは、木村拓哉さんをおいて他にはいない」
「トップスターとして目まぐるしい日々を送っている」
ここまで分かりやすい賛美の言葉を連ねられると、逆にバカにしているのかとすら思いますが、「an・an」とキムタクの蜜月関係を考えるとZOKKON命(LOVE)で間違いないでしょう。愛って盲目~! そして、肝心のキムタクは『SPACE BATTLESHIP ヤマト』との出会いが必然であったこと、そして製作スタッフへの熱い想いなどを語っています。そう、キムタクは照明さんや大道具さんとのちょっとしたエピソードを語ることをいつだって忘れない、スタッフ想いなアイドルなんです。決して「スタッフともマジで仲良くなれるオレって、フランクでイケてるっしょ」アピールなんかではありませんので!
■セックスはスポーツだ
ごめん、さっきのウソ! 「an・an」は、ちゃんとド直球のエロネタを剛速ストレートで投げていましたよ~。今号後半に「今度こそ本当に感じてみたい!! 最高のオーガズム・レッスン」特集が登場です。206人にアンケートして分かったオーガズムの緊急レポート、オーガズムの機序、ひとりHの方法が紹介され、女性のセックスにおける永遠のテーマ、イケる、イケない問題にも真っ向から取り組んでいます。しかし、読めば読むほどスポーティーな気分になりピンクなムードとは遠ざかるという不思議現象に。
「500gのステンレスバーベルを使い、トレーニングを続けるうちに変わってきたのが濡れる量」、「私、潮吹くコツ知ってるよ。セックスの前にたっぷりお水飲んでおくと、刺激されたときに出てくる」。どうですか、このアスリートのような清々しい発言。このままフルマラソンを走りきった読者が登場しても違和感ないほど、スポーティーなムードじゃありませんか。欧米方面では、セックスはスポーツという思想があるそうですが、ここ「an・an」にもその香りが漂い始めました。
この欧米化に対するナイスな返答を、今号冒頭の「オンナの快感大研究」特集のリードに発見しました。「あのパリスも言っています。『つまらない人生なんて罪だと思うわ』。そう思いません?」ですって。「an・an」はパリス・ヒルトンを目指していたのですね。それなら仕方ありません。セックステープが流出しても余裕なパリスを目指すのであれば、セックスをスポーツ化してしまった方がいいですものね。「an・an」のセックス道、その先はセックステープにあり。行く先が楽しみです。
『SPACE BATTLESHIP ヤマト (小学館文庫) [文庫]』
キャラクターにいろいろ肉付けしたってキムタクが言ってたよ
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