LUNA SEAと真逆に見えてもロック! 河村隆一の新たな挑戦とは?
ソロプロジェクトやLUNA SEAの再始動と常に注目を集めている・河村隆一。彼が近年、力を注いでいるのが、マイクを使わず、観客に直接声を届ける”No Mic, No Speakers”。12月15日に発売されるDVD『河村隆一×我流』には、その「響き」を求めてカンボジアに赴いたり、リフレッシュのために南紀白浜で過ごす彼の姿が収められている。今回は、生声で歌うことへの想い、カンボジアで感じたこと、LUNA SEA再始動について、今の素直な気持ちを聞いた。
――ここ数年コンサートで生の声で歌うことを始め、2009年のコンサートを経て、10年は『No Mic, No Speakers Concert』ツアーを敢行された隆一さんですが、生声の歌を取り入れたきっかけは?
河村隆一(以下、河村) 07年にイタリアのミラノで、初めてマイクを使わないで全曲歌うコンサートをやったんです。元修道院の食堂だった石造りのとても響きのいい会場だったので、思い切ってノーマイクで行ってみようと。そのコンサートを終えた時、確かに大変だったけど、ものすごい達成感があったと同時に、いつものコンサート以上に興奮している自分に気づいたんです。やはりノーマイクで歌うこと自体が、特別なことなんですね。考えてみるとCDはもちろん、コンサートの時はマイクを使うし、僕自身、自分の好きなアーティストの生の声を知らない。だからそれをファンの方に届けられるのは貴重だと思い、積極的にやっていこうと思いました。
――次のノーマイクコンサートの会場にカンボジアのアンコールワット遺跡群を選び、視察の旅をされてきたわけですが。
河村 アンコールワット遺跡群は、東儀秀樹さんをはじめ、実際にコンサートをされた方々がすごく響きがよくて感動したと口を揃えておっしゃるのを聞いて、僕もぜひやってみたいと思っていたんです。神社や教会といった宗教にまつわる場って、先人の知恵で、祝詞や聖歌が場内に豊かに響くように造られているんですね。アンコールワット遺跡群に関しては、書物や映像などでその佇まいに惹かれるものもありました。1万人もの人が30年以上かかって大きな石を担いで造り上げた城塞。その中で流れていった血、失われた命、貫かれた王への忠誠心……。実際に足を踏み入れて、その重みを肌で感じました。
日本でも神社仏閣に入ると空気が変わると言いますけど、それは神仏の存在があること以上に、聖地として人々の想いが積み重なっていったということがあると思うんですね。実際にその場で声を出してみて、響きがとても温かく、声もきれいに客席に届きそうで楽しみになりました。
――今回のDVDのタイトルは「我流」。その言葉に込めた意味とは?
河村 僕にとっての「我流」はわがままに生き、感じること。1億人右へならえの時代にわがままに生きることは素敵じゃないですか? ただそれは秩序のあるわがままじゃないと人に理解されない、やりたいことが分からなくてダラダラしているだけじゃダメなんです。これがやりたいから今回は我を通すというふうに明確にすることが大事。
僕はDVDの中で繰り返し「挑戦」という言葉を使っていますが、僕の人生も挑戦の連続でした。17歳で高校を退学して、プロのミュージシャンになると決めて、それからは24時間音楽漬けの日々。周りから見たら絵空事かもしれないけど、難しい夢だからこそ短時間で全力を尽くすし、挑戦して結果がはっきり出れば、やり残したこともなく未来に向かって新しい夢が描けると思うんです。歌詞にも書いたけど、人生は映画みたいに単純じゃなくて、2時間でハッピーエンドを迎えられるわけじゃなく、長い時間を過ごす中でたくさんの想いや障害を乗り越えていかなくちゃいけない。アーティストだって、今年成功したから来年も保証されているわけではなく、常にふるいにかけられているわけだから、挑戦し続ける必要があるんです。
だから今こんな時代だけど、みんな自分だけに逆風が吹いているなんて思わないで。ゼロから始めるなら失敗してもゼロに戻るだけ、マイナスになるなんてないんだからどんどんチャレンジして欲しいですね。
――DVD中のインタビューでは、LUNA SEAとしての挑戦についても語っていらっしゃいますね。
河村 LUNA SEAは僕にとって聖域(サンクチュアリ)。これがやりたいという衝動でそれぞれが音を出し、それが気持ちよく感じられた場所なんです。でも長く続けるうちにファンの期待やブランディングによって、自分たちの音楽の設計図が完成してしまい、それで満足し行き詰まった感はありました。だから『終幕』自体は、僕はいいことだったと思っています。
3年前に東京ドームで一夜限りの復活ライヴをやった時、全員の音が太くなったと感じました。それは何があっても揺るがない自信が個々のソロ活動で養われた証だろうと。あの時のあの興奮があったからこそ、もう一度LUNA SEAをやってみようという気になったんですね。
僕の「No Mic, No Speakers」はLUNA SEAとは真逆のように見えても、ハードなファイトに挑んでいるという意味では、すごくロックなんですね。自分の身体、自分の声がすべて。そういう経験をしたからこそ、バンドに持って帰れるものがいっぱい養えたと思います。
――このDVDでは素顔の隆一さんの姿がたくさん見られるのも魅力ですね。
河村 僕は自由にアンコールワット遺跡群を歩き、自由に感じたことを、自由に語って「我流」を創りあげています。だからみんな、僕と旅行に行っている気分で楽しんで欲しい。南紀白浜でゴルフやテニスを一緒にプレーし、ワインを飲んでいるシーンでは一緒に酔いながら話している感じで楽しんでもらえたら、と思います。
第1章の「HIBIKI」ではカンボジア・アンコールワット遺跡群視察の旅に密着。人生の痕跡が感じられる詩のような映像と言葉で、河村隆一の壮絶な音楽人生の秘密を紐解いていく。
日常の喧噪から離れた、南紀白浜プライベートの旅に密着。気心の知れた仲間たちとの旅だからこそ垣間見ることの出来る、素顔の河村隆一に迫る。
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