水嶋ヒロの栄光ストーリーに便乗して名を馳せたアノ存在
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎ネヴァー・エンディング・ヒロ・ストーリー
スイス帰りの帰国子女。慶応ボーイ。英語堪能。ドイツ語もイケる。スポーツ万能。サッカーで全国大会ベスト4。ファッションモデル。身長180、体重65。俳優。仮面ライダー。オリコン最も美しい男ランキング一位。愛妻家。小説家。2,000万円辞退。いやー、思いつくまま経歴を箇条書きにしてみただけなんだが。すごいねこりゃ。『うわさの姫子』か。しかしお陰で「ポプラ社小説大賞」なんてモンがあるのを初めて知ったな。選考委員は編集者のみ(プロの小説家入らず)、作品発売日未定、あらすじも緘口令って、まさか「これから書く」ってオチじゃねぇだろうな。いや、一番のオチは「ポプラ社小説大賞、今年で終了」か。「来年から『ポプラ社小説新人賞』に移行。賞金200万円」てのもな。オチがきいてる。
◎病み始めた往年の名番組
ナイナイ岡村の不在が苦しいのは分かる。しかし、あくまでそこを大人から目をしかめられるような「悪ふざけ」で乗り切るのが「めちゃイケ」魂だろうに。あんなあらびき団みたいなオーディションで何カ月も引っ張ったりして。オーディションするなら「お笑いウルトラクイズ」的なのやらないとダメだろう。挙句の果てに、ちょっとイイ話盛り込んだり、知らんイケメンやブサイクメンバーを入れて、フィーチャーを当て込んだり。これじゃまるでヘキサゴン。これ見た岡村は間違いなく病状悪化したと思う。復帰が遅れたらこの番組のせいだからな。
◎村上のやんちゃ担当
「村上龍、電子書籍制作・販売の会社設立へ」。このニュースを見た出版関係者全員が一瞬、「うわッ、ヤバ!」と思ったに違いない。そして次の瞬間「何だ龍のほうか。春樹じゃなくて良かった」と胸を撫で下ろし、最後は「龍のクセに驚かすなよな」と悪態をついたに違いない。少なくとも私の周囲の編集者は全員そうだった。私もそうだ。編集者に限らず、日本国民全体がそうかもしれない。ただ一人、龍を除いては。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。
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