マツコを盗撮した「女性自身」、大きく取り上げられない板挟みの事情とは?
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
第51回(10/28~11/2発売号より)
失踪中の沢尻エリカが、夫の高城剛と密会! そんな仰天スクープを掲載した「週刊新潮」(新潮社)だが、当事者である高城剛は「新潮のインタビューを受けたことは一切ない」と取材の事実さえ否定した。そこで思い出すのが「新潮」の”赤報隊大誤報事件”だ。「新潮」は「自分が(朝日新聞社襲撃の)赤報隊の真犯人だ」と自称する人物の告白を掲載、後に全くのデタラメだったことが判明した過去がある。
代理人を通して取材した、と主張する「新潮」だが、今度も懲りずに騙されたのか!? 相手がお騒がせの高城だからか、マスコミはこの問題を黙殺している。しかし高城の主張が正しければ、赤報隊件と並ぶ 誤報”架空インタビュー”事件だ。ジャーナリズムにとっても大きな問題のはずなのだが……。
1位「マツコ・デラックス 38歳誕生日の朝帰り姿を目撃撮 午前9時の『すっぴん』素顔!」(「女性自身」11月16日号)
2位「龍馬に負けないデラックス! マツコ伝」(「女性自身」11月16日号)
3位「婚活詐欺 木嶋佳苗被告 最後の同居男性独白! 『私も殺すつもりだったか聞きたい』」(「女性セブン」11月11日号)
フジテレビの改変キャンペーンのポスターには驚いた。デラックス・マツコが妊婦姿で微笑んでいる。何を考えているんだフジテレビ!! ここ最近、マツコのメディア露出は凄い。そんなマツコの素の姿を「自身」がスクープした。
マツコの素顔は既に「東京スポーツ」に掲載され話題になったが、東スポは顔のみ。対して「自身」の方は全身写真で、これまたかなり衝撃的なのだ。白いニット帽の太った男が歩いている。白い大きなポロシャツに、ダブダブの黒いジャージ姿。手には大きな紙袋が。街で見かけたらホームレスか、オタクかと判断されてしまうだろう。
だがこの男性がマツコなんだって。本当か!!?? そんな疑問が浮かぶほど、写真の男は”単に太ったおやじ”なのだ。本物かどうか、私には判断がつかない。「自身」はこの”おやじ”の服装で、マツコ本人だと確信したらしい。1年ほど前に同じコーディネートのマツコが、北斗晶のブログに掲載されていたのだとか。ナイス!!
この日、マツコは38歳の誕生日だった。芸能記者はネタがない時、誕生日やバレンタインデーなどの記念日に、有名人を張り込んだりする。特に情報はないけど、記念日だから恋人に会うのでは、誰かと食事したりするのでは、と期待して。
そんなノリで「自身」もマツコの誕生日に自宅を張っていたのだろう。朝9時まで。だったら、こんなモノクロ写真じゃなく、カラーグラビアで見せてほしかった。そして確信した。マツコは金正男に似ている、と。
なぜ、モノクロ写真なのか。その理由は2位にランキングした「マツコ記事」にある(のかも)。2位は同じく「自身」の記事だが、1位とは全く別の企画。「特集戦隊LO5」という連載企画の中でマツコを取り上げているのだが、こちらは盗撮とは違い”マツコ持ち上げ”のヨイショ企画だ。盗撮班とは、別の取材班が作ったものだと推測される。
マツコを知る有名人にインタビューしたり、「マツコ語録」で構成されたもので、「マツコと親しい人物に協力してもらった」記事なのだ。そんな手前、マツコがあまり晒して欲しくない盗撮写真を”巨大”に掲載するのを自粛した(のかも)。それにしても今週は「セブン」でもマツコの特集が掲載されるなど、”マツコだらけ”であった。でもマツコの消費スピードは速いだろうと予想する。
次も”デブネタ”(笑)。昨年秋、女性週刊誌もこぞって飛びついた「偽セレブ結婚詐欺・連続不審死事件」。事件の主人公・木嶋佳苗被告は、10月29日に別の殺人罪で再逮捕され、これで7回目の逮捕となった。
「私自身、木嶋は私を殺すつもりだったんだなと確信はしているんです。それでも、本当は、本当は、どうだったか聞きたい」
木嶋被告、最後の同居人の悲痛な叫びは、ごもっともだ。自宅の火災報知器を取り外されていたんだからね。そして目に飛び込んできたのが「20キロやせた」という文字だ。なに! 木嶋被告が20キロもやせたのか!? いや、記事を読むと、やせたのはこの同居人男性だった。間違ってすいません(笑)。
彼は事件のショックから仕事も手に付かず、食べるのもやっとになったため、1年で20キロもやせてしまったのだという。同居人はこれを自ら”木嶋ダイエット”と自嘲ぎみに命名する。一方の木嶋被告は、「さらに太った」という報道さえあるのに、お気の毒である。
ともあれ、木嶋被告の事件は裁判員による公判となる。しかも、死刑求刑が想定される事件にも関わらず、木嶋被告は犯行を否認し、直接の物証も乏しい。かなり難しい裁判になるだろう。
死刑が求刑された「耳かき殺人事件」では、裁判員たちは死刑回避の判断を下した。今年行われた内閣府の世論調査では、死刑制度容認が過去最高の85%となっているが、実際に裁判員として「死刑」に向き合った時、この数字はどう変化するのだろう。木嶋被告の裁判は、多くの点で注目すべき裁判になるだろう。
マツコに頼ることで、テレビマンのレベルがダダ下がり中
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