「日経ウーマン」に紹介された謎の男女7人「ハイタッチ隊」って何者!?
「お手本は『セックス・アンド・ザ・シティ』ではなく勝間和代!」という女性のためのライフスタイルマガジン「日経ウーマン」(日経BP社)の10月号。特集は「夜の過ごし方」「カードの選び方」「評価される仕事術」の3本柱と少々地味な予感がしますが、早速読み込んでみましょう。
<トピック>
◎自分を磨く!「夜時間」
◎最強のカード&ポイント
◎「ご指名ウーマン」の仕事術
■日曜の夜は「時間簿(R)」を作りましょ!
42ページにも渡る大特集「自分を磨く!『夜時間』」では、アフター5と、休日の夜の過ごし方を様々な角度から考察。8月号の特集「『最高の週末』のつくり方」や、7月号の「時間管理★黄金ルール」とどこが違うの? と思ったら、案の定、似たような記事がちらほら。いつも温泉が噴き出そうなくらい深く掘り下げる「日経ウーマン」ですから、多少の記事かぶりは目をつむりましょう。
「夜時間」特集の冒頭では、”時間デザイナー”という聞き慣れない職業の女性が登場。週間天気予報などと照らし合わせ、日曜の夜に一週間分のスケジューリングをする「時間簿(R)」なるものを提唱しています。「書店に寄る」「気になっていることをする」など自分の行動を予めざっくり決めておくことで、時間を有意義に使えるのだとか。”気分”や”成り行き”で行動することを許さないのは、「日経ウーマン」の基本です!
更に同特集では、読者達の夜の過ごし方をレポート。中でも気になったのが、「夜の汐留駅前で”ハイタッチで街を元気に”と書いたカードを持って、見知らぬ人とハイタッチをして元気を届ける”ハイタッチ隊”の活動をしています」というOLさん。私も青春っぽくハイタッチしてみた~い! ちなみにこのハイタッチ隊は結成1周年だそうで、現在男女7人の隊員がいるとか。「男女7人」と聞いただけで、「ハイタッチ以上のこともしてんじゃね?」と”あいのり臭”を嗅ぎ取ってしまった筆者に、もはやハイタッチ隊に近付く権利はありませんが、公式サイトもありますので、純粋に興味がある人は仲間に加わってみては?
■読むほどにどんより
ハイタッチ隊によからぬ妄想をした後、ページをめくると「読者1000人のセックス白書」という記事が出現。読者アンケートによると、彼氏や夫がいない女性の”セックスしていない期間”の平均は、3年6カ月だとか。他誌とは比べ物にならない程リアルな結果に、暗い気分になってしまいました……。
更に、一度も男性と付き合ったことがないという”セックスレス歴33年”という読者が「雑誌の恋愛やセックスの特集を読むたびに、自分だけ取り残されているような気がしています。仲間の女子会で恋愛話になったとき、自分よりも年齢の若い子たちが自身の経験を元にいろいろ相談し合いながら楽しそうにしているのを私はただニコニコ聞いているだけ」と語るなど、終始重~い空気。「もうセックスレスには悩まない」と前向きな記事を組むアッパー系雑誌「婦人公論」(中央公論新社)とは真逆で、マジメさ故にダウナー系を貫くあたりが「日経ウーマン」の魅力です。
■デキる女の歩幅は55センチだって!
巻末の特集は「『ご指名ウーマン』の仕事術」。会社に数いるOLの中で、”デキるOL”として一目置かれるコツを幅広く紹介しています。記事によると、デキる女に見せるための”理想の歩幅”は55センチ(床の大判タイルを1枚またいで歩くイメージ)だとか。ちょこまか歩いてちゃ給料も上がんないらしいです。
また、ルポ記事「正社員登用の帳消し、派遣契約打ち切り、妊娠解雇……私たちが仕事を失った日」では、3人の女性が職を失った経緯を告白。
・頭の中が真っ白になり、その場で涙がぽろぽろと出てきた。しばらく”リストラ”を宣告されたことを受け入れられず、その後の記憶がない
と、記憶を失う程にショックを受ける様子や、夫との子どもを妊娠したせいで、
・上司から「皆に迷惑がかかる。辞めたほうがいいのでは」と退職勧奨を受けた。ストレスからか、お腹が張ったり、出血するようになった
と、不当解雇を余儀なくされたエピソードなどを披露(どよ~ん)。”女としての幸せを築きながらも、尚且つバリキャリ”を成功とする読者達にとって、あまりにもサディスティックな記事です。「日経ウーマン」ってば、読者の皆をあんまりイジメないであげて~!
というわけで、全体的には地味な記事が目立った10月号。しかし、どこまでも読者を甘やかさない現実主義っぷりを、改めて感じられる”らしい”号だったといえます。ちなみに次号は『「おひとりさま」のライフ&マネー術』と『緊急出動! お金のお悩み110番』という金の特集が2本も♪ 「金さえあれば生きていける」というとことん夢の無い内容を期待しつつ、発売を楽しみにしたいと思います。
(林タモツ)
ハイタッチ隊の動画がシュール!
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