岩城滉一も逮捕歴あり!? 芸能人の過去や犯罪歴を学べるレコジャケ本が登場
つい先日、俳優の清水健太郎が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されたのは記憶に新しいですが、「2008年のひき逃げ事件も含めると、2年ぶり6度目の逮捕」との報道に、「紅白かよ!」と突っ込みを入れたくなった人も多いのではないでしょうか。思い起こせばちょうど昨年の今頃の芸能ニュースは”押ピー”一色。ただ、初公判が行われたばかりの押尾学はさておき、酒井法子に至っては常に”復帰”報道が飛び交っています。罪を犯した芸能人ってそんなに簡単に復帰できちゃうの?
『犯罪・事件を起こした芸能人レコジャケ・厳選100』(鹿砦社)では、しれっと芸能界に戻ってきた芸能人の犯罪を、それぞれのタレントのレコードジャケットとともに振り返っています。当時は今ほど芸能人の存在が身近ではなく、「レコードを出してる=スター=手の届かない存在」でした。本書は、そんな雲の上の存在として羨望のまなざしを一身に受けたスターたちの栄光(レコードジャケット)と堕落(犯罪歴)を一目で拝めてしまうのです。しかも、第一章『殺人罪』、第四章『詐欺罪』、第六章『窃盗罪』など、ご丁寧にも罪名ごとに章が分けられています。
■銃刀法違反(山城 新伍『喧嘩のあとは”フ・フ・フ”』 里見浩太朗『それは愛』)
昨年逝去した山城新伍氏は、里見浩太朗と一緒に銃刀法違反で逮捕された事件が掲載されています。山城氏の下半身事情は有名ですが、実は銃刀法違反で捕まっていたことは意外と知られていないのではないでしょうか。1963年の4月に山城・里見両氏がハワイで銃を購入、翌年にこのことが発覚し、起訴されています。このときの拳銃は山口組系暴力団組員に売却されたとのこと。「喧嘩のあと」は「フ・フ・フ」と言いながら、ハジキをぶっ放すつもりだった?
■銃刀法違反、覚せい剤取締法違反(岩城滉一『ほっとけない』、『可愛いぜ』)
第三章『銃刀法違反』、第十六章『覚せい剤取締法違反』の両方に顔を出しているのが岩城滉一。77年に住吉連合の組幹部から覚せい剤を貰い受けたことで逮捕されました。さらには、その保釈中に当時の内妻を通し改造ピストルを組幹部に預けたとして、銃刀法違反で再逮捕。”ちょい悪オヤジの代表格”としてもてはやされている岩城ですが、”モロ悪”出自とあっては”ちょい悪”にレベルダウンすることぐらい、朝飯前!?
■大麻取締法違反(井上陽水『クレイジーラブ』 ジョー山中『カリビアン・ラヴ・ソング』 研ナオコ『風をくらって』 桑名正博『セクシャルバイオレット No.1』 にしきのあきら『空に太陽がある限り』 他多数)
本書の目玉はなんといっても、第十七章の『大麻取締法違反』。この章には、1977年の芸能界大麻汚染事件で検挙されたスターたちがわんさか載っています。昨年、”押ピー”騒動をきっかけに、芸能界の掃除が行われるか!? と噂されていましたが、30年以上前に起こった”掃除”がこの事件。ジャズ喫茶経営者が逮捕されたのを皮切りに、芋づる式に大麻疑惑のある芸能人たちが検挙されました。検挙された中には、桑名正博、にしきのあきら、ジョー山中、研ナオコ、井上陽水と、昭和芸能に詳しくなくても一度は聞いたことのある大物の名前がズラリ。
ほかにも窃盗や覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕された青山ミチのレコードが『叱らないで』だったり、ルーレット賭博の現行犯で逮捕された清水アキラのレコードが『OKANE・かして』だったり、曲名とのマッチングも最高です。
また『不幸なスター・有名人レコジャケ・厳選100人』(鹿砦社)、『夏の百選・レコジャケ OTAKARAファイル』(鹿砦社)はタイトル通り、レコードを出したことがある、かつ、不幸な目に遭った有名人を紹介しています。こちらもやはり章ごとに、第一章『自殺』、第二章『自殺未遂』と分けられており、第八章『誘拐・拉致・殺人事件被害』には、64年に当時17歳だった家政婦に、生後5カ月の長男を殺害された高島忠夫が登場。その理由が、高島夫妻の愛情が自分に向けられなくなったからというのだからやりきれない。ほかにも、コンサート中に暴漢事件被害に遭った松田聖子など、芸能人を襲う不幸に目を覆いたくなります。ホテルに筋トレ器具がなく、ベランダの手すりで懸垂中に落下したジョニー大倉のやんちゃなエピソードにくすりとするのは私だけではないはず。
一方、『夏の百選・レコジャケ OTAKARAファイル』の方は、犯罪や事件などのエピソードとは一切関係なく、夏に出されたレコードで印象深いものを集めた穏やかな本。昭和芸能好きにとってはたまらないマニア本とも言えます。昔のジャニーズ好きならば、フォーリーブスの『夏の誘惑』のジャケット写真で、ジャニーさんの愛を一身に受けていた北公次の水着姿を拝むもよし、『真夏の一秒』のジャケットで若かりしマッチのニキビにニヤけるもよし。写真の修整技術のない時代だけあって、アイドルたちの顔がよりリアルに近い形で残っているのが見どころです。女性アイドルに至っては、渡辺満里奈『マリーナの夏』、三田寛子『夏の雫』をはじめとして、目が笑っていない表情が目立ちます。昭和の芸能界では、本性を完璧な笑顔で隠すことは求められなかったのでしょうか。
『犯罪・事件を起こした芸能人レコジャケ・厳選100』、『不幸なスター・有名人レコジャケ・厳選100人』、『夏の百選・レコジャケ OTAKARAファイル』の3冊を横断的に眺めていたら、その異世界ぶりにクスリなどなくても充分トリップできちゃいますよ。
(朝井麻由美)
『犯罪・事件を起こした芸能人レコジャケ・厳選100 OTAKARAファイル』
最多登場人物はアノ人です!!
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