幻想を捨てることがスタート……ゲイと女の友情って本当に成り立つ!?
40代女性の憧れ雑誌「STORY」(光文社)8月号で、読者の心を激しくザワつかせた特集「私のオシャレアドバイザーはゲイフレンド(はあと)」(詳しい内容は女性誌レビューで)。そこでは40代女性とゲイフレンドが仲良く洋服を選ぶ日常風景や、ガールズトークに花を咲かせるひとコマが紹介されており、「男性も女性も両方の気持ちがわかるから、ゲイフレンドは一緒にいると素になれる」などと女にとってハッピーなことばかり!
私も『SATC』のキャリーとスタンフォード(ゲイ)みたいに、幸せへと導いてくれるゲイのパートナーが欲しい~。でもゲイの方と話したこともない私は、どうすればそんな高度な関係が築けるのかしら……。そんな疑問を解決する為、ゲイの生から性までリアルに綴ったエッセイ漫画『熊田プウ助のつれづれ駄ホモぐらし』(ブックマン社)の著者で、ゲイ漫画家の熊田プウ助さんに、女性とゲイの友情について伺いました。
――(「STORY」を見せながら)私、ゲイの方とこういう素敵な関係になりたいんです!!
熊田プウ助(以下、熊田) あら、あはははは。この記事、本当~? ゲイにおしゃれアドバイスなんかさせたらすっごい格好させられるんじゃないの~!?(笑)。でもさこの記事に出てるゲイって、どれもこれも美容家だったり、ファッション関係のお仕事の方たちじゃないですか。そりゃあファッションのこと相談しやすいですよねえ(笑)。
――え~、ゲイなら誰でも『おネエMANS』(日本テレビ)みたいに私をオシャレにしてくれるのかと思ってました~。
熊田 僕は心は男のままですから、ファッションアドバイスとかはしませんよ。実際、ゲイの比率は”おネエ”よりも男らしい人の方が多いと思いますけど。
――そういえば熊田さんは髭も生やして、完全にルックスは男ですね。ゲイの方にも色々なタイプがいるってこと、今まできちんと考えたことなかったです……。
熊田 僕も普段、初対面の女性から「何でおネエ言葉でしゃべらないの!?」とか「女装するんでしょ?」とか言われることがよくあって。「いや、心は男なんで……」って説明すれば分かってもらえるんですけど、正直面倒臭く感じることもありますね。あと、ゲイってだけでタレント並のトーク力を期待されたり、BL好きの女子から耽美な世界観を投影されたり(笑)。
――勝手な固定観念を抱いてる女性が多いんですね。何かご迷惑おかけしてすみません……。ちなみに熊田さんは、女友達っていますか?
熊田 何人かいますよ。恋愛の相談とかもよくされます。
――ゲイの方は恋愛にアクティブな印象があるから、女性を行動的にしてくれそう!
熊田 でも僕からすると女性ってまだまだ「男子に付き合ってもらえて当たり前」って思ってるように見えるんですよ。だから、自分から告白するのはカッコ悪いと思ってるし、なかなか恋人ができないような……。ゲイって手当たり次第というか、ノンケの男子や女子よりも、自由な恋愛をしてきてると思うんですよね。結婚や妊娠のこと考えなくていいし、誰と付き合おうと自由。プライドも女性みたいに高くない分、動きやすいから次から次へと付き合ったり、セックスしたり。なので、自由な立場からアドバイスは出来ると思います。
――逆に、熊田さんから女性に恋愛相談されることは?
熊田 僕はゲイの男が好きなんで、女性には相談しないです。たまに「ノンケの男が好き」っていうゲイがいるんですけど、そういう人は周りの女子に応援してもらったりしてるみたい。
――実際、どうすればゲイの方とお友達になれますか?
熊田 ゲイバーに飲みに行くのが一番早いです。そこでいろんな人としゃべって、仲良くなれなかったらまた違う店に行けばいいし。
――ゲイバーってどこのお店がいいのか分からないし、私には敷居が高いのですが……。
熊田 だったらゲイ率の高い職業で絞って探してみるとかですかねえ。保父さん、美容師さん、看護士さん、ツアコン……。あ! 新宿のスポーツクラブには、たくさんゲイがいますよ。特にエアロビクラスでおかしな格好をした参加者がいたら、ゲイの確率は高いはず!! その人に「そのウェアどこで買ったの?」くらいから話しかけてみたらいいんじゃないですかね。あと、学生時代に茶道部や吹奏楽部に一人だけいる男子っていませんでした?
――いました~。え? もしやあの男子が……。
熊田 怪しいと思うわ~。特に吹奏楽部はゲイ率が高いですね。やっぱりくわえるのが好きなんじゃない?(笑)
――熊田さんの新刊『熊田プウ助のつれづれ駄ホモぐらし』には専門用語から、ハッテン場での”あるある”まで詳しく書かれてますし、勉強になりそうです!
熊田 僕は、二丁目が得意じゃなかったりするし、かなり少数派のホモなので、ここに書かれていることが「ゲイの世界だ」と思わないで(笑)。そもそも「ゲイのことを知って欲しい」という想いはなくて、僕はただ”精神的に露出狂”なのでこういう内容になっちゃっただけなので。あくまでも熊田個人の世界として皆さんに読んで頂けるとうれしいです。
(取材・文=林タモツ)
ガチムチ・クマ専のゲイで、足フェチのマンガ家・熊田プウ助さんの最新書き下ろしコミックエッセイ。著者の性の目覚めや、恋愛遍歴、さらにはゲイが親にバレた時の状況までがほんわかタッチで綴られる。世界のハッテン場事情や、著者おすすめゲイプレイも必見!
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