サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「美STORY」のうっふん♪企画「乳間フレグレンス」って何だ? カルチャー [女性誌速攻レビュー] 「美STORY」9月号 「美STORY」のうっふん♪企画「乳間フレグレンス」って何だ? 2010/07/22 19:30 女性誌速攻レビュー美ST 「美 STORY」10年9月号(光文社) 先月号の「読者ヌード」のアザーカットが、オヤジ系週刊誌「週刊現代」(講談社)に掲載されたり、ほかの週刊誌でも「女はなぜ脱ぐのか」と真面目口調で非難されたり、大きな波紋となった「美STORY」。でもよくよく考えると、それだけ話題になるってすごいことなのかも。ただ、それを編集部は受け入れられなかったのか、今月号の「美STORY」は若干控え目のようです。濃厚とんこつラーメンの後に、塩ラーメン食べさせられたって何も味がしないのと一緒で、なんだか物足りない! 私ったらすっかり「美STORY」に振り回されているようです。これぞ、「美STORY」マジック! <トピック> ◎グータラしてたら美人になっちゃうぞ ◎人生も変わる? ”髪マネ女王”選手権 ◎『乳間フレグレンス』でMEN’Sメロメロ作戦 ■頑張っちゃうのよね、バブル世代は 塩ラーメン系の今月号の「美STORY」は、先月号から180度方向転換! 大特集「グータラしてたら美人になっちゃうぞ」なんて、まさにその象徴たる企画で、リードから脱力系を謳っています。いわく、 「今まで美STORYでは、40代に『かんばれっ』『ガンバレ』って言い続けてきました。でも、ずっと頑張り続けるのも、疲れます(略)美のために一生懸命やっていることが、かえって美の妨げになったりするかも。たまには、ちょっとグータラしてみませんか?」 とのこと。では、肝心の中身はというと、一点集中化粧品やお手軽グッズなどのプチ美容ネタのオンパレード。「きれいなおねえさん」だった水野真紀は、ドライヤーをしながらストレッチしたり、日本直販で売っていそうなサンバイザーをかぶったりと、イメージをぶち壊しながら頑張ってます。ほかの方々も「エステに行くのは面倒だから、家で美顔器」「ネイルサロンに行くのが面倒くさいから、家で爪磨き」と、結局「頑張らないことを頑張る」ようです。美STORY世代に、「頑張らない」ことを提案しても無理ですよ。この世代(かつ、美STORY読者のような可処分所得の多い方)は、”頑張って”3高の男をゲットし、その後も安住することなく、今は20代の女の子を目の敵にして、体型及び現役感キープのために頑張っているのですから。この世代には、このまま一生頑張って頂きましょう! って、もはや誰に向かって言えばいいのか分からないけど。 ■過去の己や20代と戦うドロ試合 「美STORY」の最大の特徴でもある、「いつだってモテちゃう現役感たっぷりの私」を啓蒙する企画を今後「うっふん♪企画」として、毎月チェックしていきたいと思います。って、宣言している自分すら恥ずかしいのですが、勘違いぶりと昭和な価値観が、「うっふん♪」という言葉に集約されているように思えてならないんですよね。 しかし今月は、うっふん♪企画が2本も。1本目は「40代、もう一度恋されるメーク」です。すごいですね、「恋する」じゃなくて「恋される」という自信! きっと頭の中が「ジュリアナで鳴らしていた私」で止まってるでしょうね。実際に今月号では「”20代BODYを持つ40代”の4つの美習慣」という企画で、レースクイーンをしていたころと変わらぬ肢体を披露している方もいらっしゃいますし。で、その「40代、もう一度恋されるメーク」に話を戻しますと、男性陣が「こんな40代なら恋に落ちちゃいます」という証言をしているのですが、肝心なのは発言の中身より、証言しているメンズの顔ぶれ。美容師、マスコミ関係、広告代理店、会社社長、弁護士と耳触りのいい肩書ばかり。そんでもって、みんなくっきり二重で色黒という「いかにも」という方ばかり。「美STORY」読者の狙う男性像はハッキリと分かりましたが、相手側は本物の20代を追いかけそうな非熟女好き。永遠の片思いを垣間見た瞬間でした。 2本目は「『乳間フレグレンス』でMEN’Sメロメロ作戦」です。すごいな~「乳間」ですってよ、お嬢さん。30代~50代の男性に、「胸元から漂ったらクラッとする香水」という視点で5個の香水を選んでもらった、ただの香水紹介ページなんですけど。しかし、ただの紹介ページにも男を絡めてくるとはさすが。しかも「乳間」ですよ「乳間」。すみません、私もただ「乳間」を言いたいだけで、この企画を取り上げただけです。すんません。 というわけで、今月も控えめながらも「美STORY」の世界観から一寸の狂いもなく、粛々とページを埋めていた企画たち。ほかにも南野陽子、森口瑤子と並べられた斉藤由貴が尋常じゃないぐらいの「オカン」感を漂わせていたり、女優と髪形をそっくりにさせられた読者を並べてソックリ度まで判定する”髪マネ女王”選手権という読者をいじめるような企画があったりと、独創的な企画が盛りだくさんの今月号。読者ヌードのような強烈なパンチはなくても、一つ一つの企画がボディーブローのように効いて、今夜は熱帯夜よりも寝苦しい夜になりそうです。 (小島かほり) 「美STORY」 この十和子はうっふん顔♪ 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・読者ヌードに、誌面上での整形体験……「美STORY」が笑えない次元に到達 ・髪の毛もツバも使う!? 黒柳徹子が「美STORY」でメーク法をレクチャー ・中年女性の神髄はココにあり! 「美STORY」という魑魅魍魎の世界 最終更新:2010/07/22 19:30 次の記事 プロモーション活動で必死なSMAPが、ありがたさより憐憫を喚起するワケ >