アンチエイジングには「ハッピーホルモン」? 「an・an」がまたも新語創造!
今号の「an・an」は、長ーい下まつ毛が羨ましい松本潤が表紙とロングインタビューに登場。月9ドラマ主演のため、あらゆる雑誌の表紙にフル稼働中ですね。「an・an」でも素敵な撮り下ろしグラビア7ページがあるのでファンの方はお見逃しなく! インタビューでは新鮮な言葉が見当たらなかったため、このレビューではスルーしますが、こちらもファンは要チェックです。
<トピックス>
◎緊急アンチエイジング!
◎エイジフリー美女のとっておきメソッド、誌上公開します
◎いまこそきちんと知りたい!! ”老化”の素朴な疑問Q&A
■結局は心がけ次第の「アンチエイジング」特集
今回のアンチエイジング特集は、「28歳からのエイジング危機!!」と年齢を明確に打ち出し、世の妙齢女性に呼びかけているのですが、内容はお決まりの美容アイテムのカタログに、大東俊介クンが美肌女性の魅力を語ったりと「28歳」に自覚的な企画ではなさそう。むしろ、「アンチエイジング」という巨大な壺の中に、なんでもかんでも放り投げたような内容です。
例えば、「”老けない”食べ方&賢いコツ」では、「パンやご飯から食べるのは老化を促す」だの、「お菓子を選ぶときは、小麦粉控えめのものが美肌に繋がる」などと食生活について解きながらも、最終的には「どう思って食べるかで、体に与える影響が変化します。『コレを食べると太りそう』と思うと、本当に太ります」と精神論を投下。コンビニの食品でも「キレイになると暗示をかけて楽しくおいしく」頂けばいいんですって。ずいぶんとお手軽なアンチエイジングですね♪ そして、極め付けは「”老化の素”朴なQ&A」でのアンサー。
Q「20代にも更年期障害があるって聞くけど、ほんと?」
A「過度なストレスなどで、生殖機能が停滞するから
確かな科学的根拠はありませんが、恋をするとキレイになる、若返るというのは、女性ホルモンのせいだと考えます。(中略)老化対策や免疫機能アップには、恋する気持ちがとても大切。」
結局、「恋」オチってこと!? 美容、食生活、イケメンときて最後、アンチエイジングには恋だとは……。「an・an」の恋愛脳は重症です!
■ハッピーと名の付くものは疑え! 「ハッピーホルモン」現る
アンチエイジングには「恋」である、と先ほど匂わせた「an・an」が、続いて展開するのはその名も「女性ホルモンが老化をSTOP! 恋とSEXでアンチエイジング」企画。もう、どうしたってSEXって言いたくて仕方ないんですね♪ こちらもQ&Aがメインで、定番中のド定番「SEXをすると女らしい体になるって本当?」を筆頭に”女性ホルモンあるある話”オンパレード。期待のSEXについては踏み込んだネタは少なく、「愛情のないSEXでもホルモンは増える?」「恋する相手もSEXする相手もいない!」のふたつのみ。ちなみにアンサーは、「愛のないSEX<愛あるSEX」、「ガンガン仕事を頑張って達成感を得る=恋の効力」だそうです。
そして、この企画のQ12「ハッピーホルモンってなに?」に注目。というのも、これまでの誌面に一度たりとも「ハッピーホルモン」という言葉は出てきていないのです。なのに、唐突に「ハッピーホルモンってなに?」って言われて勝手に解説を始められても……。はじめっからいましたよ、とでも言いたげにドでかい顔をしてれば騙せると思ったんでしょうか。そう、「たべカワ女子」のときのように……。肝心の「ハッピーホルモン」とは、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンという神経伝達物質のことで、ホルモンじゃないけどテンション上げてくれる生体内物質とのこと。なにが「ハッピー」なのか全く分からないのに、説明を終えてるところが恐ろしいです。
それにしても、どこを切り取っても「恋しろ、恋しろ」と繰り返してくる誌面が何ものかに取り憑かれているようで、恐怖さえ覚えました。
ご時世や季節に関係ない、気まぐれな特集を上げてくる「an・an」にはいい加減慣れてきたので、今回の「アンチエイジング」特集も単なるノリと思っていました。しかし、今号には壮大なアナザ―ストーリーが隠されていたのです。裏表紙からページを逆行していくと、表3、4プラス巻末5ページに渡り「ワコール」が支配しているのです……。「カラダのエイジングは”ランジェリー”で変えられる!」と謳い、様々なブラを紹介。なるほど、今号は「ワコール」御大に捧げたものだったのか、と珍しく特集内容に納得しました。そして次号は「女の7つの大問題」特集。気まぐれっぽいです!
(二宮まい)
『an・an (アン・アン) 2010年 7/21号 [雑誌] (雑誌)』
「たべカワ」コーナーも終了しました
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