「知識もお金も得た女性は山へ行け!」日経ウーマンが提案する女の休日
「日経ウーマン」8月号の表紙は、いつもの野暮ったさが薄れ、清涼感のあるデザインが好印象。今月の特集は、「週末の過ごし方」「デスクの整理術」「教養本紹介」の3本柱の模様。過去に特集された「お金」「結婚(離婚まで伝授)」「人付き合い」などといった、ダウナー系のテーマに比べると、今月は気軽に読めそうな予感がします。
<トピック>
◎「最高の週末」のつくり方
◎この夏読みたい教養本70冊
◎働く女性600人のお仕事アイテム&整理術
■週末は女のみで山を登れ!
今月の第1特集は「『最高の週末』のつくり方」。「休活(休日に行う仕事以外の活動で、人生を充実させること)」の専門家によると、「会社の肩書がなくても活躍できる”第3の場所”を作ることで、人生の可能性が何倍にも広がる」とのこと。これは女性だけでなく、社外でも偉そうな態度を引きずりっぱなしの迷惑オヤジたちにも、是非一読して頂きたい!
特集内では、タイプ別週末プラン、週末にタダで遊べる”0円スポット”、ひとりの週末を幸せに過ごす方法、週末にできる”プチ副業”など、休日の過ごし方をあらゆる切り口で考察。また、「この夏、『山ガール』始めよう♪」と題し、週末に女だけで行く登山をフューチャー。昨今は、女性による登山がブームだそうで、その理由は、
「知識もお金も得た現代の女性たちは、”男性に頼る”という古い価値観から、”自分で何でもできる”という自立した女性像にシフトし、山でも自分たちで楽しめることに気付いた」
とのこと。その昔、山へ芝刈りに行くのは男の仕事だったはずですが、ジェンダーフリーの行く末は、偉大なる「山」だったということでしょうか。
■だって、ドラッカーが言ってたんです!
特集「この夏読みたい教養本70冊」では、仕事・お金・生き方の指南書を大量に紹介。中でも大々的にクローズアップされているのが、多くのビジネスパーソンに読まれている経営学者の「ドラッカー」や、実業家「カーネギー」、古典文献学者「ニーチェ」、経営者「松下幸之助」、思想家「孔子」などの著書。そのクソ真面目なラインナップは、きっと我々を「日経ウーマン」読者として相応しいか、そうでないかを試しているのでしょう。
さらに「もっと深読み! 『読書会』を実況中継」という記事では、「私たち”ニーチェ女子””ドラッカー女子”です!」という3名の女性による座談会を実施。
「孔子の『論語』に出てくる『おのれの欲せざるところは、人に施すなかれ』のフレーズが心に染みて……」
「ドラッカーは『企業の目的は顧客を創造すること』『企業の存在意義は顧客が決める』と言っています」
という調子で、その信者っぷりは誰にも止められません。しかし、そんな座談会の中で、私たちにも使えそうなフレーズを発見しました。
「『ドラッカー読んでます』というと、それだけでお客さんや上司からの信頼度が急上昇! 提案書に『ドラッカーがこう言っています』と書いてOKが出たこともあります」
なるほど、上司に何か言われたら、とにかく「ドラッカーが言ってんだもん」と反論すれば、大概のビジネスシーンはうまく運ぶということですね。これは流行るかも!! 早速使ってみようっと(ドラッカー読んだことないけど)。
■美人のデスク公開は、男性こそ必見!
後半の大特集「600人のお仕事アイテム&整理術」では、25ページに渡りオフィス机の整理術を楽しく紹介。今すぐ真似したくなるような小技も満載で、「こっちを第1特集にすれば良かったのに!」と憤ってしまいたくなる程の優良特集です。
例えば、「業界&職種別! 整理上手さん7人のオフィス机を拝見」の記事では、大手企業に勤める女性が職場のデスクを大公開。机の上のみならず、各引き出しの中に入っている物、足元に置いている物、お菓子を置いてる場所、癒やしグッズの紹介、付箋の使い方、書類の分け方など、「そこまでいいよ……」ってくらいに細かく見せてくれます。これはありそうでなかなか無い企画ですし、月並みな「バッグの中身拝見」企画より、その人の生活を覗き見している感があって、そのリアルさに何だかドキドキ。デスクを紹介している女性たちもかなりの美人揃いですので、これは男性が見ても熱いものがあるはず。
そんなわけで、改めてその生真面目さを再確認出来た「日経ウーマン」8月号。暗い気持ちになったり、ツッコミたくなる記事も特になく、情報誌でも読んでいる気分でした。しかし次号には、「0円から始める自己投資術」という「日経ウーマン」イズムの香りがする企画があるようですので、楽しみにしたいと思います。
(林タモツ)
川に洗濯に行きたい女子もいると思ふ。
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