コラム
今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

見る度に心がざわつく、妻夫木聡の新CM

2010/07/01 21:00
妻夫木に慣れないことさせないで!

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎ミスキャスティング!
 スバルのインプレッサのCMでシャドーボクシングをする妻夫木聡。往年のミッキー・ロークを思わせる、あのへなちょこ猫パンチは何なんだ。妻夫木って元々ボクシング的なイメージゼロの男性タレントなのに、なぜ彼にボクシングを? 企画段階で「妻夫木でシャドーボクシング」という話が持ち上がったとしても、撮影の際「これはナシだろ」が見て取れただろうに。結局、妻夫木本人もファンもスバルも全員得せず。「撤退もまた勇気なり」。CM作りの現場の方々には、この言葉を胸に刻んで頑張ってもらいたい。

◎ナイスキャスティング!
 女性のためのアクサの新しいガン保険のCM。ガンになった女性の、それ以降の人生を応援! という内容。CMキャラクターの杏が、ガンになった女性の生活を距離を置いてじっと見守る、という設定なのだが、何だか杏の目のケンのあるキツい目つきの感じと相まって、見守られてるというより、何か死神に魅入られてるみたい。まあ、ガンの恐ろしさを痛感して、思わず保険入ろうかな、と思ってしまうという点では、ある意味効果あったのかもしれないが。

◎選手の方が大人ということで
 サッカー日本代表、8強ならず。あー、自分が駒野友一じゃなくて本当に良かった。それはさておき、試合後のインタビューで、「ファンの皆様にお礼を言いたいです」と語った長谷部誠。謙譲語の使い方といい、感情的になりすぎないしっかりした喋り方といい、「さすがキャプテン」の面目躍如。最後「今度はぜひJリーグの方にも足を運んでいただければ」と付け加えたとこなんか、いつでも横綱になれる品格の持ち主だ。対して岡田監督。今後の日本サッカーの展望を聞かれ、「申し訳ないですけど、今日本サッカーのことまで考えられないんで」と吐き捨てた。他にいくらでも当たり障りのないコメント言えるだろうに、この好意の取りつくしまがない感じが、「さすが岡ちゃん」の面目躍如。監督を解任されても、これからも「何かどーしても好きになれないんだよねぇ」と万人に敬遠されるキャラクターを大事に、どっかで頑張ってって欲しい。

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

【バックナンバー】
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最終更新:2019/05/22 19:45
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