医療保険の女性特約って本当に必要なの？
――昼は証券会社のOL、夜は金融業界の仕組みを暴くファイナンシャルプランナーとして暗躍する、金子（きんこ）姐さん。保険、税金、投資などバリキャリならお手のものだけど、ゴシップにかまけていた女子が最も不得手とする部分を、金子姐さんに”基本のキ”からビシバシ教えてもらいます！
今回のテーマ
「医療保険を選ぶポイントって何？」
今回の相談者：ゼロ子ちゃん
彼氏いない歴4年の31歳。実家暮らしも相まって、貯蓄も未来へのプランもナシ。最近では、独身で生きるであろうことを悟って、金融商品への興味を持ち始めた全くのド素人。まずは、もしもの時に備えて、保険を選ぼうと思い始めたのだが……。
ゼロ子 前回は「死亡保障よりも医療保障に重点を置くべき」って言ってたじゃない？ でも医療保険ってよく分からないのよ。
金子 医療保険は、入院と手術に対しての保障で、死亡保障の保険に特約で付けられるものと、医療保険単体のものがあるんだけど、前に言ったように、おひとりさまの場合、死亡保障は不要だから、加入を検討するなら医療保険単体でいいと思うよ。細かい内容は商品によって違うんだけど、基本的なことだけ確認しておくと、入院1日5,000円と書いてあるなら、それは、「入院1日につき5,000円保険金が給付されます」ってことなのね。だいたい5,000円～1万円で設定されているものが多いと思う。
ゼロ子 入院し続けていれば、延々ともらえるの？
金子 そんなおいしい話があるわけないじゃーん。1入院あたりの支払限度日数は決まっているの。それに、入院1日目から保険金が給付されるものもあれば、5日目からじゃないと給付されないものも。
ゼロ子 この前うちのオヤジが入院したときは、3日で退院しちゃったよ。そういう場合、5日目から保険金が給付されるタイプのものだと無意味ってこと？
金子 YES。最近は医療も進歩していて、入院日数も短期化してるから、日帰り入院とか、入院1日目からを支払対象としてるものの方が時代の波には合ってるよね。昔は入院5日目から保険金が支払われるタイプが主流だったから、新しい保険商品の方が、今の時代の医療事情に合っているはず。その場合は見直しも考えてみるべきね。
ゼロ子 あと、「特約」っていうのも、最近頻繁にCMで流れているけど、「女性特約」も付けた方がいいの？
金子 子宮筋腫とか乳ガンとか、女子特有の病気は、基本の医療保険でも保障されるんだけど、さらに上乗せの保障が欲しい場合に基本の医療保険にプラスアルファで特約という型をとるの。保障がダブルになる分、月々支払う保険料は当然上がるわけだから、どーしても女性疾患が心配で、「手厚く保障がほしい！」っていう人は、入っておいてもいいかも。
ゼロ子 女性疾患になるとも限らないのに、心配するのもバカバカしいかしら？
金子 不安な部分に保険をかけておけばいいと思うけど、そんなのキリがないでしょ。だから、できるだけシンプルに考えるほうがいいと思うの。医療保険に入っていても、通院だけじゃ保障されないことがほとんどだし、保険金がもらえるのは、契約で決められている入院か手術のときだけだから、頼りすぎてはダメ。高額な保険料を掛ける必要はないの。
ゼロ子 通院も長くなると結構負担だよね。途中で行くのが嫌になっちゃったり。
金子 前に高額療養費制度の話をしたわよね。例えば、病気になって、入院するハメになったとする。長期になれば当然、入院費含む医療費がかさむことになるわけだけど、1カ月間に同じ病院で治療を受けた分の医療費が100万円になったとしても、自分で払わないといけない分はたったの87,430円なの※。
ゼロ子 マジで!?
金子 だから、必要だと思う保険だけあればいいの。ガンの場合、治療が長引いてしまって基本の医療保険ではカバーしきれなくなる場合があるから、心配ならガン保険に入っておいたりとか。入院日数無制限のものがほとんどだし、ガンと診断された場合に一時金がでるものもあるわ。
ゼロ子 そういえば、健康保険が適用されない医療もあるって話だけど、それって何のこと？
金子 先進医療の話ね。厚生労働省が、安全性と有効性を認めた最新で高度な医療技術のことを言うの。健康保険が適用されない治療で、承認された病院でしかその医療技術を提供できないわ。万が一先進医療の手術を受けたら全額自己負担になるんだけど、ガン治療の類だと、300万円近くかかることもあるみたい。
ゼロ子 さっき言ってた高額療養費制度は使えないの？
金子 高額療養費制度は、健康保険が適用される医療の場合にしか使えません！ 先進医療に備えるなら、先進医療特約として、基本の医療保険に付加できるわ。金子リサーチでは、ほとんどの保険会社で、月々100円以下の特約保険料で何百万円っていう保障がつくものが多いの。ただ、全ての先進医療が何百万もかかるっていうわけではないし、そういう治療を受ける機会も超々レアケースなの。だから、知識を得た上で、「月々わずかな上乗せなら、先進医療特約をつけておこう」と考えるか、「確率が低いならいらない」と考えるか、それはあなた次第。
ゼロ子 保険の知識を生かすも殺すも自分にかかってるのね。
金子 こういうのって正解は1つじゃないから、正しい知識を得た上で、自分の性格とかライフスタイルにマッチングする方法をよく考えて選ぶのが鉄則よ！
※所得区分が「一般」の場合
萩原先生はいらない派
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