“ブルーなレイ”広告は、映画『アバター』のパクリですよね?
気になって仕方がない素朴なギモンを直接企業に聞いてみよう、という本連載。
最近、パッケージとして売られる映像ソフトがブルーレイ版とDVD版の2種類あり混乱している。というのも「ブルーレイ版だけの特典映像」だったり「DVD版がちょっと安い」だったり、ウチだけの問題だが「パソコンではブルーレイが再生できない」などの諸問題があり、どちらを購入すべきか迷ってしまうのだ。映像的な問題以外では、どう考えてもブルーレイを購入する理由が見つからない。そもそもDVD以上の高画質を求める玄人な映像マニアが日本にどれだけいるのだろうか?
「そんなに綺麗に見てどうする!! 見えすぎることによって見えなくなるモノだってあるんだぜ!!」
と、ちょっと哲学的なことすら思ってしまうのである。もちろん、コンテンツ会社や家電メーカー的には普及率を上げるためにもブルーレイを押したいのであろう。そこに登場したのが「ブルーなレイ」の広告である。皆さんもご存じの通り、女優・菊川怜が全身を青に塗りたくり、全国を失笑させたあの物件だ。最初は『アバター』の広告かな? と思ったが、そうではなく、よく見るとワーナー系列のブルーレイディスクの宣伝であり、調べてみると、ワーナーからは『アバター』のブルーレイは販売されていないのだ。(20世紀フォックスが販売元)
「他人のふんどしに乗っかりすぎ」
そう突っ込まずにはいられないのだが、これは権利的に大丈夫なのか? 他人事ながら心配である……。うーん、気になる。そこで「ワーナー・ホーム・ビデオ」に直接、聞いてみた。
「菊川怜さんの広告”ブルーなレイ”は、映画『アバター』のパクリだと思うのですが、もろもろ大丈夫なのですか?」
担当者(女性)この度の”ブルーなレイ”というものに関しましては、「ブルーレイ」の”ブルー”とかけて、菊川怜さんがやっていらっしゃるということで、特にその『アバター』との関係に関しては情報がございません。
――明らかに見た目は『アバター』のキャラクターに見えるのですが……
担当者 あくまでも「ブルーレイ」という言葉の”ブルー”からきているとのことでございます。
強引にねじ込まれそうだ……。もっと切り込んでみよう。
――ワーナーの方から『アバター』のブルーレイは出ていないのに、大丈夫なのですか?
担当者 「ブルーレイ」という言葉から取ったああいった広告の形となっていますので、ご理解いただければと思うのですが。
――では、菊川さんのキャラクターは、ワーナー独自で考案したということですね?
担当者 そうですね、今この場で私が断言することはできかねてしまうのですが……はい。
『アバター』に似ているのは偶然、ということか。それではちょっと切り口を変えてみよう。
――モデルに菊川怜さんを抜擢した理由は何だったのですか?
担当者 モデルに選ばさせて頂いた進呈理由などに関しましては、一般の方に公表させて頂いておりませんでして、ただ理由の一つと致しましてはー、『ブルーレイ』の”レイ”と「菊川怜」さんの”怜”というところを掛けて、というのも1つの理由としてはございまして、その他にもいろいろ加味した結果、菊川怜さんにお願いしたということになります。
ダジャレを説明させて、すまん。もう1つ気になったことが。あれはCG処理なのか、実際に塗った青なのか?
――菊川さんは本当に全身を青く塗っているのですか?
担当者 そういったことに関しましても、今、こちらの窓口にお客様にご案内できる情報としてはご用意がございません。
完全に蛇足であった……。まあ、釈然としないが、まとめるとこういうことである。
「あの広告は『アバター』とは関係がない。菊川怜が青いのは”ブルーレイ”の”ブルー”に掛けただけで、『アバター』の登場人物と似ているなら、それは偶然である」
そうだったのか、偶然だったのか。なるほど……って誰が納得するか!! あの広告を見て「よし、ウチもDVDからブルーレイに買い換えるか」と思う家庭があるのだろうか? 少なくともウチはDVD派で行こうと強く決心したのだった……。菊川怜よ、なんか、すまん。なんとなく謝っておく。
引き続き、皆さんの素朴なギモンを募集中です。ディープでインパクトのある、くだらないギモンをお待ちしています。
(酒平民 林賢一)
『アバター ブルーレイ&DVDセット [初回生産限定] [Blu-ray] 』
結局3Dに見えるの? 見えないの?
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