史上最強のモテ女子、”上手ちゃん”って? 「MORE」は、アリエナイ女子祭り!
MOREは今号で創刊33周年!! 祝福ムードの今号は、ジェラートピケの花BIGトート(MORE史上最大の大きさ)とパンテーンの美髪キットの2大おまけつき。その分厚さ、広辞苑レベルです。33年の歩みを経て、昨今のOLスタイルの基礎を築いた老舗女性誌を、OL的生活にあまり縁のない私がチェックしていきます。
<トピックス>
◎世にも楽しい「安リッチ服&コーデ」346
◎新生代OL・鈴木えみのファストファッション着回し20days
◎実況中継!ママになるという幸せ and more
■麻理子様の成り上がり25days
このレビューでも散々ネタにさせてもらっております、眠れる獅子こと鈴木えみ。ついに今号にて覚醒か!? の大量露出です。学生時代からおしゃれが大好きで、自分のブランドを立ち上げることを夢見て、アパレル会社で働く社会人3年目OLのえみが、ファストファッションを着回す20days。 “服選びに迷って会社に遅刻しそう”なシーンではアゴに手をやり困ったポーズ。”気になるwebデザイナーと飲みに行くことに”では、まさかのガッツポーズ。あの無表情クイーンで名を馳せた鈴木えみが、懸命に口角を上げているその姿に、現代人が忘れかけた「頑張ることの大切さ」を教えてもらった気がしました。「MOREと鈴木えみは喰い合わせ悪い」だとか、「肉じゃが食べながらバーボン煽ってる感じだ」など、今まで愛あるが故の進言をさせてもらいましたが、そんな違和感はまだまだ否めなくとも、彼女のこの”頑張る”姿勢には心を打たれました。
そんなえみとは対照的だったのは、AKBの篠田麻理子。”麻理子の雨カジ着回し劇場25day”で、お天気キャスターに扮して梅雨時ファッションをコーディネート。”仕事中にスカウトされ、販売員からお天気キャスターに”という設定に、こんなことあるわけないじゃん! と思った貴女。麻理子様は、AKB劇場のカフェっ娘(売店で働く女の子をそう呼ぶらしい)から見事メンバーに成り上がったお方。AKBのYAZAWAこと、篠田麻理子の日常をこんな露骨にストーリー化しちゃって大丈夫? なんて思ってしまうような展開に、読んでるこちらがハラハラします。さすがは33年、移り気な女子たちのハートを掴んでるだけありますよ、「MORE」。気合いが違いますね!
■ママという押し売り商法に騙されるな!
前号では”私一生結婚できないかも”で、今号では”ママになるという幸せ”特集。「MORE」娘たち、かなり焦っている模様。街にいるオシャレなママ&キッズがこの上ない笑顔で誌面に登場しそのハッピーライフを語っています。しかし、登場するママたちが「ブランドプレス」とか、「カメラマン」とか、「スタイリスト」とか、「バイヤー」とか、全員横文字の世界の人! そりゃオシャレでしょうけど、読者のOLちゃんとは世界が違いすぎるのでは。そんな”ママって素晴らしい”信仰の中、先輩ママインタビューとして登場したMEGUMI。ママタレントたちが「母になって分かったこと」なんてことを、解脱した天上人のように語る姿を目にするにつき、なぜかザワザワとするこちらの心情。MEGUMIのコメントはどうなんでしょうか。
「子どもができて、精神的にすごくラクになりました。子どもを持つ前は、仕事も恋愛も遊びもと欲張りだったけれど、今は子どもが一番!」
「子どもができてから、小さなことにも喜びを感じることができて、心が豊かになりました。(中略)最近、経済的に厳しいからと出産を控える人がいると聞きましたが、本当にもったいない!」
出産をきっかけに、新しい仕事を始めたり、畑をやり始めたりと世界が広がったと話すMEGUMI。どうかいつまでもその幸せが続きますように。
■最強のモテ女子、上手ちゃん
ママ企画に続いては「大発見!誰もが愛さずにはいられない!?これが進化系モテ子『上手ちゃん』だ!!」であります。”上手ちゃん”とは、「男子にモテて」「女子に嫌われず」「天然ではない」、完全モテ女子のことだそう。芸能人でいうと、小林麻耶や優香がそれに当てはまるらしい。この二人にはオヤジ扱いが巧いというイメージしかないのですが……。
上手ちゃん10の特徴を読んでいくと、「誰の前でも態度を変えない」とか「コンプレックスを魅力に変えている」とか「自分のウリをちゃんと知っている」など、それが出来てりゃ苦労しないよというものばかり。例えば、
・『私は笑顔が唯一の武器だから~(笑)』ってさらっと言われると思わず納得(27歳・事務)
・明らかにタイプではない男性にも、メールを即レスするなど大切にしていてスゴイ(27歳・営業)
・女子たちが悪口トークになった時にも、「そういうのやめなよ」と否定するのではなく、うまく同調しつつ、最終的に笑い話にまで持っていくスキルの持ち主
最後のコメントは、もし私が悪口を言ってたときにこれをやられたら最も凹む気がします。「女が好きな女は、男は好きではない」という永遠の命題を、ひっくり返さんばかりのこの上手ちゃん。サイゾーウーマンを読むような分別のついた女性なら、「そんな女はそもそもいないし、目指してもいけない」というのはお分かりかと思います。結婚や出産への焦燥感が、こんなドリーミーな女子幻想を生んだのでしょうか。だとしたら、ますます遠のいてしまいそうです、婚期!
無難命のはずなのにギャルメイクのカリスマ、益若つばさがデカ目指南をしていたり、若干内容にブレのあった今号。30過ぎてもカワイクしなきゃとか、ママになってもキレイでいなきゃとか、男女どっちにも好かれる女でいなきゃとか、マスト事項が多すぎてちょっぴり閉塞気味。しかし策士として名高いMORE娘のこと、そんな難題もあっさりクリアするのでしょう。来月号も勉強させていただきます。(西澤千央)
梨花……さんですよね?
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