「an・an」が解明した”モテ期”発生理論に、「ちょっと待った!」
今週の「an・an」は、「くびれを手に入れる!」特集。そして小特集は「女のモテ期って!?」というラインナップ。夏に向けてのシェイプアップ企画というのは、女性誌では鉄板のネタですが、「an・an」はどう調理してくれるのでしょうか、期待に胸が躍ります。内容はこちら。
<トピックス>
◎石原さとみの理想ボディの作り方
◎”本当に効く”ヒットコスメは?
◎女のモテ期大研究!
■トレーシー・アンダーソン推しも早一年……。
くびれ美人として、石原さとみと平子理沙、モデルの松島花がグラビアで登場。お三方の見事な美ウエストぶりに、憧れるどころか感嘆のため息しか出てきません。その後は、さまざまなエクササイズ方法や矯正下着、ダイエット食品の紹介とありきたりの企画が連発。一つ一つのネタが弱いから、数で勝負! という姿勢が伺えます。また、エクササイズのページは10年以上前から変わらない、V字バランスなど超基本系ポーズばかりが並び、情報がアップデートされていない感がひしひしと……。その更新されてなさは、トレーシー・アンダーソンの登場で極地へ。昨年5月に同社より刊行された「ザ・トレーシー・メソッド DVD&BOOK」を監修したトレーシーを、一年経ったいまも堂々と引っ張り出して来る「an・an」。大丈夫でしょうか。露出が増えるごとに「本当は『トレーシーメソッド』売れてないんだ」と不安だけが積み上がっていきます。
■聞き飽きたモテ論にアクビ連発!
「アタシ、いまマジモテ期だから」って友だちが言うたびに、興味津々で話を聞いていたもんですが、その「モテ期」の実態を解き明かそうという特集。「an・an」によるとその発生要因は4つあるとのこと。
・わけもなくポジティブな気持ちのとき
→ニコニコ明るい子は素直でイイ子と男が想像する。
・入社や天職、環境が変化したとき
→環境に慣れることに必死で男にガッツいていない。人に世話になることが多く、世話する側も好意を抱きやすい。
・付き合い始めた直後や、好きな人ができたとき
→他人のものになると男は狙いたくなる。好きな人ができるとポジティブになり魅力的。
・付き合う友だちが変わったり、友だちが増えたとき
→自分のことを友だちが周囲に売り込み、連れ出してくれることで出会いが増え、モテ期へ突入。
思わず、「内容うすっ!」と突っ込むほど既出のネタですが「ここは、我慢だべ」(『女帝 薫子』より)とページをめくると、モテ期体験済み女子による座談会が。一カ月で10人に告白された、2週間で4人に告白された、とモテ期トークに花を咲かせていますが、言ってることが上記4カ条と全く同じ。ひょっとして裏付けのための対談? なんて思ってしまいました。
さらに、男による「女子のモテ期」座談会では「社会人3年目の女の子に惹かれる」「(ミニスカートや胸元が開いてると)『ヤレるかも?』って言い寄っちゃう」なんてキャバクラトーク的な発言を、後生大事そうに太字で強調。セックス特集が得意の「an・an」は最近、「女の子もエッチな感じが好きなんでしょ?」というニュアンスを所々に匂わせてきますが、”あけっぴろげ”と”オヤジ臭”の違いにもっと鼻を効かせた方がいいかと……。
今号の「an・an」は、内容の古さが目立ちます。1990年代であれば、価値ある情報だったと思いますが、2010年にこれはキツイ。現代っぽいのはタレントだけ。時代を作る「an・an」が、もはや時代をキャッチできていないのでは? と心配になってしまいました。ライフスタイルの”提案”も”リアル感”も希薄。「an・an」のレビューを書くたびに、同じことを繰り返しているような気がして、そろそろ「an・an」のレビューも幕引きの時期に来ているのかもしれません。
(二宮まい)
『ザ・トレーシー・メソッド3 DVD BOOK (DVD-ROM)』
え、3作目も出てたの?
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