真面目にやってもコント臭い!? NHK教育の『極める! 友近の温泉学』
今回ツッコませていただくのは、3月29日~4月19日まで4回に渡って放送された、NHK教育の『極める! 友近の温泉学』(再放送中)。
友近が温泉についてナビゲートし、温泉の専門家などに温泉道を学んでいくというこの番組。友近がかつて道後温泉で仲居をしていたことがあるという経歴から、「友近の温泉学」という発注がなされたのだろうが、初回から「人選ミス?」と思うような発言がされていた。
それは、「さぞかし温泉通かと思いきや」……というナレーターの前に友近が発した一言。
「特にこれってのはなく、『脳』と『カラダ』が欲しているというか」
”これってのはなく”って……。さらに驚くのは、その直後。DHC・ダイエットサプリの宣伝のような、友近の全身ポートレートがどかーんと全面に出てきて、わざわざ矢印を二カ所ひっぱり「ココとココが欲しています!」という文字で補足しているのだ。
しかも、制作サイドはこの悪ふざけが余程お気に入りらしく、計4回の放送中に「ココとココが欲しています」ポートレートが幾度となく登場していた。
それにしても、終始、人選ミスではないかと思えてしまうのは、何を語っても、何をやっても、「友近のコント」にしか見えないからだ。
温泉に浸かり、目線を斜めに外して語るシーン、ロケバスの車窓から外を薄目で眺めているシーンなどは、最近、友近が『あらびき団』(TBS系)でも披露していたお気に入りネタ、「女優・涼倉米子の○○紀行」のまんま。
同番組ではご丁寧に毎回、冒頭で「申し遅れましたが、私、西尾一男と申します」というメガネをかけたおっさんネタから始まり、様々な人物に扮したコントのVTRを流して、友近の活躍をざっくり紹介してくれるのだが、本篇もその一部にしか見えないのだ。
実は友近は過去に、NHK『笑・神・降・臨』の第2シリーズにおいて、同局の『スタジオパークからこんにちは』のセットをそのまま借りて、大胆不敵な「NHKパロディー」コントを披露していたこともあるのだが、今回はそれ以上の企みで、「コント」という名前すら使わずに、真顔で終始冗談をやり続けているように見える。もうやりたい放題ではないか。
実際のところ、ご本人的にも、番組が求められているものがいまひとつ分からず、困惑しているのかもしれないが、何をやっても「友近」という人ではなく、「何かのキャラ」に扮しているように見えてしまうというのは、芸達者な人ならではのつらさ。
何のキャラでも演じられる友近にとって、唯一演じられないのが「素の自分」なのではないかという気もしてくる、壮大な壮大な温泉コントでした。
(田幸和歌子)
温泉っていろんな風に調理されちゃうのよね
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