「オレたちのアニキ」松下奈緒が注目を浴びる、ワースト視聴率朝ドラ『ゲゲゲの女房』
今回ツッコませていただくのは、4月にスタートしたNHK朝ドラ『ゲゲゲの女房』。
朝ドラの定番の一つ、「やたらと土下座→主人公のおかげで何でも解決」的な展開もなければ、近年の「NHKらしくないドタバタ漫画的展開」(『だんだん』や『つばさ』など)もない同ドラマ。
初回の視聴率が振るわなかったことが話題となっていたが、「久しぶりに楽しみなドラマ」などと、内容に関してはかなり良い評価が集まっている。主人公・布美枝の松下奈緒も、茂役の向井理も良いが、頑固で温かい布美枝の父を演じる大杉漣、大らかで飄々とした茂の父を演じる風間杜夫、口うるさくも優しい母を演じる竹下景子が、実に上手い。
いまどきのドラマ・映画にありがちな、大仰なBGMで「ここ、泣きどころですよ!」と分かりやすく盛り上げるなどしない美しさ。実話ベースで作られている安心感があるのだろうが、静かにのどかに、ただしみじみと泣かせてくれる良いドラマとなっている。
そして、何より好感が持てるのは、登場人物の過剰な演技や過剰な演出がないこと。
たとえば、戦争で片腕を失った茂の不自由さを知るために、自分の腕を三角布で吊って生活してみた母のことが、兄の口からさりげなく語られるシーン。また、茂の新婚初夜に不安げに呟く母のセリフ――「(片腕を失っていることを)聞いて知っているのと見るのとでは違う」などには、過剰な感情の表出がまるでなく、「優しさ」が実に自然に描かれている。
ところで、そんなドラマの内容とは別に、改めて注目されているのは、松下奈緒の「長身」ぶりである。
主役抜擢の理由の一つにもなっているわけだが、ネット上では「松下奈緒」と入力すると、関連検索ワードとして、まず「身長」が表示される。
また、かねてより「公称174センチとあるが、実際は180センチぐらいあるのではないか?」といった声も多数出ていたほどで、その長身&凛々しい顔立ちから、ネット上の一部では「オレたちのアニキ」「男前すぎる」と言われていたり、また、”巨女好き”の人たちの間で、「オレたちの奈緒さまが、朝ドラで、ハァハァ」といった盛り上がり方もされている。
ともあれ、流行りのドラマのように抽象的な「雰囲気」ばかりで押すこともなく、近年ありがちな、複雑な伏線ばかりに凝った”細かいドラマ”とも違って、視点はあくまで細やかながら、じっくりと丁寧に人の心を描いた『ゲゲゲの女房』。
一部では、ねずみ男のモデルとなったイタチ(浦木克夫役)の杉浦太陽はミスキャストでは、と不安視する声もあったり、「ドラマ明けの『あさイチ』のイノッチたちに余韻を壊される」という声もあるけれど、今後も大らかでしみじみさせてくれるドラマに期待したい。
(田幸和歌子)
向井クンは182cmもあるんだってー♪
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